2ntブログ

category

次のページ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(416)

第六章 「血と技」(416)

「……お前なぁ……」
 荒野は、怒鳴りつけてやりたい衝動をどうにか堪えて、イザベラに問いかけた。
「おれが、はいそうですかと、他人のプライバシーをほいほいとお前にしゃべると思っているのか?」
 だとすれば、ずいぶんと甘く見られたものだ……とも、思う。
 基本的に一族の者は、情報セキュリティなどに関して、一般人よりもよっぽど保守的な倫理間を持っている。新参者のイザベラに少し水を向けられたくらいで、軽々と狩野家でのあれこれを話すとも思えない。
 いや。
 裏ではまず確実に、さぞかし盛大に推測混じりの情報を交換していることと思うが……何かと目立つ存在であるイザベラは、来日してから日が浅いこともあり、「身内」扱いされていない可能性が高かった。
「いんや」
 イザベラは、あっさりと首を振る。
「でも一応、聞いてみただけじゃ。
 実のところ、かなりのところ、実態を掴んでおるしの」
「実態、って……」
 荒野は、重ねて聞き返す。
「……誰から教えて貰ったんだ、お前……」
「聞いたんじゃなか。
 見たんじゃ」
「……見たって、何を?」
「アレを」
「……アレ?」
 荒野が、軽く首を捻る。
「アレっていえば、アレしかなか」
 イザベラが、狩野家の方向を指さしながら、焦れたような口調で答える。
「やっとるところを見たんじゃ。
 その、最強の弟子と、そっちの家の息子とが」
 その時のイザベラの頬は、うっすらと染まっていた。
「……おま……」
 荒野は、数秒、絶句した。
「……わざわざ、覗いたのか?
 そりゃあ……あまりにも、趣味が悪すぎねーか?」
「……好きで覗いたわけではなか……」
 イザベラは、顔を背けた。
「日曜、わしらがおるのに勝手に声あげて盛っておったから、ジュリエッタが見にいこういうて……」
「ちょっと待て」
 荒野は、すかさずイザベラの話しを遮る。
「……するとなにか?
 お前だけではなく……ジュリエッタさんも、その場にいたのか?」
「おったおった」
 イザベラは、ぶんぶんと首を縦に振る。
「ただ単におったというより、ジュリエッタが主犯でわしが重犯じゃ。
 ジュリエッタが誘うから、わしも仕方がなく、じゃな……」
「主犯従犯、という言葉を使っているってことは……」
 荒野は、目を細めてイザベラを見据えた。
「……悪いことをした、って意識はあるわけだな……」
「ま、まあ……。
 その辺のことは、ちょっとこっちに置いておいて……」
 イザベラは、実際にテーブルに置いた架空の荷物を脇にどける動作をしてみせる。
「……ジュリエッタのことじゃ。
 あれは、またっく罪の意識を感じておらんようすじゃったの。
 見ている最中も、二人とも仲いいねー、とかいいながら、にこにこしておった……」
「……あっ!」
 荒野はあることに思いあたって、少し大きな声をあげる。
「……そっか。
 日曜に、楓とジュリエッタさんがやりあったのって……そういうわけか……」
 最近、自分の目の届かないところでいろいろな事件が起きているな……と、荒野は改めて認識した。
 今のところ、それでもうまくいっているわけだが……正直、何かの拍子に取り返しのつかないことでも起こりそうな気もして、不安にならないこともない。
「そうじゃ、そうじゃ」
 荒野の独白に、イザベラも頷いて見せた。
「最強の弟子に見つかって、ジュリエッタと睨み合いになったところに、最強のおっさんが出てきてな……」
「……荒神まで絡んでいたのか!」
 荒野の知らないことばかり、ぼろぼろ聞かされている形であり……ここのところ、試験勉強ばかりにかまけて、少し緩んでいたかな……と、荒野はその場で軽く反省をした。
「……知らんかったのか?」
 今度はイザベラの方が、珍獣を見る目つきで荒野を顔をじろじろと眺めた。
「……ああ。
 この間、ジュリエッタさんが静流さんとやりあった時、シルヴィから日曜日にそういうことがあった、って軽く聞かされただけだ……」
 しぶしぶ、といった感じで、荒野は認める。
「……おんし……」
 イザベラが、不意に真剣な面もちになる。
「……この土地の、頭ではなかったんか?」
「外からはそう見える、ということは知っている」
 荒野は、軽く頷く。
「だけど、おれとしては、この土地の一族を束ねるつもりはない。
 ただ、今の均衡状態を崩そうとするやつがいたら、容赦なくたたき潰すけどな……」
「……ほっ。
 吠えるわ」
 イザベラが、何故か、にやける。
「でも、おんしなら軽く出来そうな気がしてくるから、から不思議なもんじゃの」
「出来る……とは断言できないけど、全力は、尽くす」
 荒野もまた、笑顔になってイザベラに顔を向けた。
「例えばお前がこの土地の和を乱すようなことをしでかしたら、その時は即刻、断固としてしかるべき処置を行う」
 荒野の目は、笑っていなかった。
「……おー、こわ……」
 といって、イザベラは大げさな動作で肩を竦めて見せた。
「ま、今のところ、そうするつもりもないんで、お互い、変な気を使う必要がないの」
「本当に、そうだといいんだががな……」
 荒野は笑みを浮かべたまま、イザベラにいった。
「今のところ、お前の目的だけがはっきりしていないんだ。
 ただでさえ微妙な状況なのに、おれがお前を警戒していたとしても不思議なことではないだろう?」
「……はっきりした目的がないと、いかんのか?」
 イザベラは、覿面に、いかにも不機嫌そうな顔になる。
「わしは……ただ単に、どこでもいいから逃げ出したかっただけじゃ。
 ここが面白いことになっとる、聞いて……で、実際に来てみたら、予想以上に面白いことになっておって……」
「今では、おそらくそれがお前の本音だろうとは、思っている」
 荒野は、慎重に言葉を選びながら、説明した。
「お前がどこまで理解しているのかわからないけど……今のここの状況って、かなり微妙なバランスの上に成り立っているんだ。
 そして、おれは、今の平和を出来るだけ長く保っておきたいと考えている。
 だから、少しでも疑わしいものがあれば、懐疑的な目で見ることを回避しない」
 イザベラは、「そりゃ、立派な心がけじゃの」といって、また肩を竦めてみせた。


ウェブマスターの方はこちら>>月極めも募集中
超有名なあのチャットサイトDXLIVEで!チャットレディ大募集!時給約4200円以上!

1000タイトル、君は制覇できるか!?月額1480円!SODの見放題!
素人・人妻系、流出ハメ撮り、無修正動画を大量配信!老舗動画サイト「エロスプラネット since2003」


[つづく]
目次

DMMアダルト 2次元アイテムを完全網羅『Dキャラッ!』
大画面で楽しむオンデマンドムービー DMM.TV
DMMアダルト 新作満載!同人ダウンロード!

「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(415)

第六章 「血と技」(415)

「……話しを、聞こうじゃないか……」
 むっつりと不機嫌そうな顔をした荒野が、対面に座っているイザベラに切り出す。
「……そういう割には、あまり友好的な態度じゃなかな……」
 不満そうな表情を浮かべたイザベラの前に、茅がいれたばかりの紅茶を置いた。
「……シルヴィからいろいろ聞いたぞ。
 あちこち嗅ぎ回っているそうじゃないか……」
 荒野は、まっすぐにイザベラの目を見つめながら、静かな声を出した。
「……嗅ぎ回っているってぇか、面白そうなもん、片っ端から覗いてまわっているだけだけんどな」
 イザベラは、荒野が明らかに不機嫌な顔をしていることも意に介する様子はなく、平然と話しを続ける。
「いやぁ。
 ここは、想像以上に面白かことになっとぉね。
 正直、ここまで楽しそうなことになっとるとは、思わんかったわ……」
「そーかいそーかい……」
 荒野は目をイザベラから逸らした。
「そいつは、よかったな。
 で、肝心の用件はなんなんだ?
 まさかこの夜中に、しかもおれの試験期間中にそんなくだらない世間話をしにきたわけでもないだろう?」
「まあ、話すことは、あるといえばあるんじゃがな……」
 イザベラは目の前に置かれたティーカップを持ち上げ、傾ける。
「あ。
 おいしい」
「それでは、その本題に入る前に……」
 荒野は、イザベラの後ろに突っ立ったままの大男二人組を目線で示した。
「……そこのでかいの、紹介してくんない?」
 黒スーツにサングラスをかけた黒人と白人の二人組。いわゆるMen in Black的な風袋の二人は、緊張した面もちで微動だにせず直立している。
「こいつらは、わしが雇った荷物持ちじゃ」
 イザベラは、澄ました顔で答える。
「本当はボディーガードとして雇ったんやけど、多少鍛えていても一般人じゃからの。
 結局、運転手兼荷物持ち兼いざというときの壁といったところで落ち着いたわけじゃ……」
「……一般人かよ……」
 荒野は、頭を抱えたくなった。
「この人たち、いつもつれて歩いているのか?」
 この狭い町でそんなことをすれば、さぞかし目立ったことだろう……と、荒野は思った。
「おおかたは、のう」
 イザベラは、荒野の問いに頷いた。
「おかげでここにいる一族のもんにようけ揉まれて、すっかり怯えてしもおうたわ」
 さぞかし、盛大に「からかわ」れたのだろう……と、荒野は納得した。
「……あー。
 楽にしてください。
 そちらの椅子にかけて……」
 荒野は、英語に切り替えてイザベラの「荷物持ちたち」に話しかけた。
 この二人には、何も思うところはない。それどころか、イザベラの気まぐれの犠牲者、ということで、シンパシィさえ感じてしまう。
「……ありがとうございます」
 二人のうち、白人の方が緊張した面もちで答えた。
「ですが、こうしているのが、われわれの仕事でして……」
 多少、訛はあるものの、流暢な日本語だった。
「日本語、大丈夫なんですか?」
「ええ」
 今度は黒人の方が、大きく頷いた。
「それが、雇用される際の、最低限の条件でした」
 こちらも、白人と同様、頬の筋肉が強ばっているようにみえた。
「……おかしなヤツに雇われてしまったものですね……」
 荒野は、同情を込めて二人の男に語りかける。
「では、せめてお茶くらいは……。
 茅、お願い」
 荒野の要請を予測していたのか、茅はすぐに立ち上がって、お湯につけて暖めておいた二客のカップを取り出した。
「この部屋に入った以上、おれのお客でもある」
 荒野は、少し強い語調を作ってイザベラにそういった。これまでハイソサエティとか呼ばれる階級の中で生活をした経験がなかったので、荒野は、イザベラのように自分と使用人との間に一線を置く態度を、当然のものとはみなさなった。
 イザベラは無言のまま軽く肩をすくめ、男たちは茅の手からうやうやしい物腰で紅茶のカップとソーサーを受け取りながらも口をつけず、硬直した姿勢でつったったままだった。
「お前……おれのこと、この人たちになんて説明したんだ?」
 荒野は、イザベラに向かって問いかける。
「ここいらにいる一族の親玉じゃ、いうておいたわ」
 イザベラは、実にいい笑顔をして荒野に答えた。
「あながち、間違いでもなかろ?」
「……お前、なぁ……」
 荒野は、これ見よがしに大きなため息をついてみせた。
 この様子だと……この二人は、イザベラに随行していった先々で、ざんざん一族の者たちに脅かされてきたに違いない。その親玉……といわれていれ、それは……緊張もしたくなるだろう。
「まあ、いいや。
 それでお前、なんの話しをしに、ここまで来たんだ?」
 この調子だと、多少小言をいってもあまり効果は望めないだろう……。
 そう悟った荒野は、話題を元に戻す。
「そうじゃ、そうじゃ」
 イザベラは、テーブルの上に両手をついて、身を乗り出してきた。
「一回、詳しいこと聞いておこう思ぉっておったんじゃが、なかなか機会がなくての。
 あの、このマンションの隣の、こーんな目をした男じゃがの、あれはいったいどうなっておるんじゃ?」
 そういってイザベラは、自分の目尻を横に引っ張って、目を細めてみせる。
 どうやら、香也のことを聞きたいらしかった。
「……あん男、特に美形とも女の扱いがうまいとも思わんのだが……なんで、あげに女どもが寄ってくるんじゃ?」
「……あー……」
 荒野は、きっかり三秒間、目を点にしてから、ゆっくりとした口調で確認しておく。
「……お前は、そのことを聞くために、わざわざここに来たのか?」
「おう」
 イザベラは、「当然」といわんばかりに大きく頷いた。
「いろいろ聞いて回ってみたんじゃがの。
 あの家のことに関しては、みな、ようけ口を開かんのじゃ」
 ……当たり前だろう!……と、荒野はイザベラを怒鳴りつけてやりたくなった。
 あの家には、最強の荒神と、その弟子である楓が澄んでいる。加えて、テン、ガク、ノリという三人の新種たちも同居している。
 さらに、一族とはあまり関係はないが、最近会社を興してこの地域に根を張ろうとしている孫子もいる。


ウェブマスターの方はこちら>>月極めも募集中
超有名なあのチャットサイトDXLIVEで!チャットレディ大募集!時給約4200円以上!

1000タイトル、君は制覇できるか!?月額1480円!SODの見放題!
素人・人妻系、流出ハメ撮り、無修正動画を大量配信!老舗動画サイト「エロスプラネット since2003」


[つづき]
目次



「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(414)

第六章 「血と技」(414)

 それまでのように、その日も夕方に香也が帰宅し、残った沙織と源吉、それに荒野と茅の、総勢四人での夕食となった。今日は食材の在庫に不足はないらしく、茅は酒見姉妹を呼ばなかったらしい。夕食の席での話題は、自然と、昼間、沙織と源吉が見ていたビデオの内容についてのことが多くなった。
「……荒野君の仲間なら、誰でもあんなことが出来るの?」
 沙織が、荒野に尋ねる。
 源吉はともかく、沙織ははじめて一族の動きを目の当たりにし、動揺しているようでもあり、自然と口数が多くなっていた。
「誰でもってわけではないですけど……」
 荒野は、慎重な口振りになる。
「ビデオに映っているのは、荒事……ああいう肉弾戦のたぐいをおれたちは荒事って呼んでいるんですけど、そういうのが得意なやつらもいれば、別の分野が得意なやつらもいる。
 ま、おれたちもいろいろ……てぇか、バラバラです」
「そっか……」
 沙織、少し考え込む表情になる。
「得手不得手がある……人間だものね。
 では、一年の松島さんは、その、荒事っていうのが得意な子なのね?
 二刀流の人と戦ってたの、あれ、松島さんでしょ?」
「えっ……ええっ、とぉ……」
 荒野は、どこまで詳細な情報を開かしていいものか、数秒考えてから、それなりに正直に答えた。
「そう、ですね……。
 楓は、かなり……おれたちの仲間の中でも、かなり上位に来る強さです。
 若い者の中でも……いや、一族全体からみても、トップクラスに入ります」
 転入したばかりの頃に行われた持ち物検査の件で、楓の正体についてはそれなりに割れている。他の生徒たちは表面上、あまり気かけている様子はないのだが……沙織のような性格と記憶力の持ち主が、そうした過去のこととビデオの映像とを結びつけて考えないわけがないのだ。
 くわえて、沙織の後ろには、源吉も控えている。
 沙織を必定以上に巻き込まない……という茅の基本方針を認めた上で、荒野は差し障りのない線を模索しながら、出来るだけ正直に答えておこう……と、思った。
「……荒野君は、そういうことで嘘はいわないだろうから……すごい子なのね。見かけによらず」
 沙織は、素直に目を丸くしている。
「と、いうことは……荒野君は、松島さんよりもっとすごいんだ?」
「なんでそう思うんです?」
 荒野は、沙織の問いには直接答えず、答えをはぐらかした。
「だって……」
 沙織は、邪気のない笑みを浮かべた。
「松島さんのこと、説明するとき、荒野君、悔しそうな顔も自慢げな顔もしていなかったし……これは、荒野君が松島さんのことを、過大にも過小にも評価する必要がないってこと。
 荒野君、松島さんの上司なんでしょ?
 上にいる人が部下より無能だったら、シメシがつかないんじゃない?
 荒野君たちの社会って、そういう序列にはうるさそうだし……」
「……ご推察の通り……」
 荒野は、しかたがなしに認めた。
 ……この分だと、荒野が詳しい説明をしなくても、沙織は断片的な情報だけで、かなり正確な事実を把握してしまうのではないか……と、荒野は思った。
「……おれ、楓よりは強いです。まず確実に」
 沙織がこの調子だと、適当にぼやかす……ということは、あまり意味がない。
「……ぜんぜん気負わずに、そういいきっちゃうか……」
 沙織は、荒野の顔をまじまじと見つめながら、ひとり頷いた。
「……ってことは……荒野君は、本当に、トップクラス中のトップクラス、なのね?」
 一応、疑問符にしているけど、実際には、沙織は断定しているようなものだった。
「まさか……その年齢で最強とか?」
「最強は、おれの他にいますよ」
 今度の質問には、荒野も遅滞なく答えることができる。
「おれなんかよりも、ずっと強いのが」
「……上には上、かぁ……」
 荒野の表情を読んで、どうやら嘘はいっていないらしい……と踏んだのか、沙織は荒野の答えに素直に納得をしている。
 沙織の祖父にあたる源吉は、二人のやりとりに口を挟むということはなく、目を細めて見守るだけだった。

「本当に、ありがとうございました」
 荒野は、玄関で沙織に向かって、深々と頭を下げる。
 こして試験勉強を開始して、まだ三日目だったが点沙織が容赦なく荒野の理解が浅い点、及ばない点を明瞭にし、補強してくれたほかげで、荒野の到達度はかなり底上げされている。少なくとも、荒野自身はそのように自覚している。
 だから、荒野が沙織に向かって頭をさげるのも、別に、形だけの社交辞令だけではない。心の底から、荒野が礼を執りたいと思って、それを形にしているだけだった。
「いいの。
 そんなの」
 沙織は、屈託なく笑う。
「こっちも好きでやっているだけだし……。
 それに……いろいろ珍しい情報にも、接することができたし……」
 沙織は、背後に影のような源吉を伴って、帰路についた。
「さてっと……風呂の準備でもすっかな……」
 沙織の姿がドアの向こうに消えたのを確認し、荒野は後ろ手にドアを閉めて、室内に入ろうとした……が、何故か、ドアが閉まらない。
「……ん?」
 不審に思って荒野が振り返ると……。
「……グッドイブニングじゃ、若……」
 ドアに中に半分、体を無理にこじいれるような姿勢で、イザベラが立っている。
 このままでは、ドアが閉まらないな……と、荒野は考える。
「……いったい何のようだ? 夜中に?」
「い、入れてもらんかのう……。
 加納の大将……」
 荒野への呼び方が、若から大将になっていた。
 イザベラは、明らかに愛想笑いとわかる笑顔を浮かべている。
「……どうしたの?」
 食器洗いをしていた茅が、玄関の方に顔を出す。
「招いたおぼえない客だ」
 荒野は即答した。
「このままお引き取り願おうと思っている」
「あっ! ひどっ!」
 イザベラが、大声をあげる。
「な、に、か……用事があって来たんだよな?」
 荒野は、イザベラの方に顔を向けて、確認する。
「でなければ、試験勉強で忙しい学生の家にいきなり訪ねてきたりしないよな?」
「ええっと……それは、その……」
 イザベラが、露骨に視線を逸らした。
「あるっていえば、あるっつぅか……」


ウェブマスターの方はこちら>>月極めも募集中
超有名なあのチャットサイトDXLIVEで!チャットレディ大募集!時給約4200円以上!

1000タイトル、君は制覇できるか!?月額1480円!SODの見放題!
素人・人妻系、流出ハメ撮り、無修正動画を大量配信!老舗動画サイト「エロスプラネット since2003」


[つづき]
目次


DMM.com CD&DVDレンタル
大画面で楽しむオンデマンドムービー DMM.TV
Dキャラッ! アニメ・ゲーム・コミック!2次元アイテム満載!

「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(413)

第六章 「血と技」(413)

「……ところでこちらの狩野君……」
 沙織は香也の方に顔を向ける、
「君は……かなり早い時期から、荒野君たちの正体とか、知っていたんだよね?」
 荒野や茅に突っ込んだ質問を弾かれて好奇心を満足させることができず、今度は矛先を香也の方に向けてきた……らしかった。
「……んー……」
 香也は少しの間思い返して、答える。
「……そう」
 別に、そう遠い昔のことでもない。
 香也は、楓が自分のうちに住むようになった日から、荒野や楓たちの正体についても説明されている。
 香也が沙織と大きく違うのは、そうした「正体」について、深く詮索する意欲を持たず、「そういうものか」と思ってそれで終わってしまったことだった。
 香也にとって、自分の身の回りにあることは、すべて「そういうもの」だけで構成されており、改めて好奇心を持ったり疑問に思ったり……ということが、ない。
「狩野君は……」
 まさにその部分を、沙織は突いてきた。
「……そういうことに、まったく興味を持たなかったの?
 疑問に思わなかったの?」
「……ん……」
 香也は……答えは決まっているのだが、一応、考える振りくらいはしておく。沙織が、「疑問に思うのが当然」という態度をとっているからだ。
「……全然」
 香也、ふるふると首を横に振った。
「正体がなんだろうと……楓ちゃんは、楓ちゃんだし……他のみんなも、そう……」
「……あっ……」
 沙織が、目を丸くする。
 香也の、シンプルすぎる回答に、虚をつかれた顔をしていた。
「……そっか。
 そういう人なのか、君は……。
 そうだね、絵を描いている人だし……目の前にあることがすなわち本質……という理解をするんだ……」
 もちろん、そうした発想を、沙織自身は採用していない。沙織がみる世界は、もっと重層的で、知れば知るほど隠れた面が露わになる、複雑さを持っていた。
 香也にとっては、「目の前にあるもの=目に見えるもの」がすべてで、それ以外の現実など……香也の視界に入らない限り、ないも同じ……なのだ。
 だから、楓や荒野の過去や素性も、過剰に詮索する意欲を持たない……。
 ある意味、香也の感じている「現実」と沙織の感じている「現実」とは、対局をなしている、といえたが……沙織は、すぐに香也の目に見える世界像を把握し、納得した。
「やっぱり君、見かけ以上に面白い子ね……」
 そういって、沙織は香也に笑いかける。
 香也の方にしてみれば……たったあれだけの短い問答で、沙織が香也の何を理解し、どう「面白い」と思ったのか、まるで理解でていないわけだが……。
「……んー……」
 香也は、あっさりと頷いた。
「……そう」
 他人の話しや意図がうまく理解できない……ということは、別に沙織が相手でなくとも、香也にしてみれば、日常茶飯事なわけで……見事に、香也はまるで気にかけていなかった。
 まるで……異種格闘技だな……と、それら、一連の会話を見ていた荒野は思った。
 荒野には……香也と沙織、両方の思惑が、なんとなくではあるにせよ、うっすらと想像できる。
 噛み合っているようで、噛み合っていない。けど、通じているといえば、通じている。
 それは主に、沙織の側の想像力に依るところが大きいわけだが……面白い会話だ、と、荒野は思った。
 やはり沙織は、むやみに好奇心ばかりが肥大している玉川や、データを収集し分析する一方の徳川とは違ったアプローチをする。例えていうのなら、一を聞いて十を知るタイプで、理解するが早いし、深い。
 単純に記憶力とかだけではなく……やはり沙織は、頭がいい……と、荒野は評価する。その、「人間らしい」想像力も含めて。
 しかし、この時点では……沙織が、自分の意志で積極的に自分たちに関わってくることが、どのような影響や波及効果をもたらすのか……荒野には、まるで想像できなかった。

 そんな会話が交わされた休憩も終わると、祖父の源吉と一緒にビデオアーカイブを鑑賞していた沙織が、荒野と香也の学習指導へと復帰してきた。
「もういいんですか? あちらは?」
 荒野が、沙織に確認する。
「満足したわけではないけど、量が膨大すぎて……」
 沙織は、軽く首を振って答えた。
「……残りは、サーバにパスを通す方法を教えて貰って、後でじっくり観させていただくわ。
 それでいいわよね、茅ちゃん?」
「それで、いいの」
 茅は、こくんと頷く。
「その方が、効率的」
 茅はそのまま源吉の方に移動し、昨日までの作業……その具体的な内容までは、荒野は知らなかった……を続ける準備を開始する。とはいえ、ノートパソコンの位置を使いやすいように調整し、ハードコピーの資料を持ってくるだけだったが。
「……さて、こちらはこちらで、しっかりと続けましょう……」
 沙織はそういって荒野と香也に対し、早口で問題を出していく。沙織もこの頃には荒野と香也、二人の理解深度をかなり詳細に把握していたので、正確に「二人が答えられないであろう」問題を出題してくる。
 案の定、荒野と香也は答えに詰まるわけだが、しばらく考えさせた後、沙織は、どこで詰まっているのか、どこを理解していないのか……丁寧に、説明していく。
 それから、
「ここまでが理解できれば、ここからここまでの問題も解けるから……」
 と、教科書や問題集のページを指定して、解かせる。
 そこで間違うようなら、またどこで引っかかっているのか調べて、確実に弱点をなくしていった。
 教える内容をすべて記憶している、ということ以外にも、生徒一人一人の理解度を把握し、確実に難点を克服させていく、という根気のいる作業を投げ出さずに完遂する、という精神的な面でも、沙織は教師役として適格だった。少なくとも荒野には、「とにかく生徒に考えさせ、やらせる」ことを重視する沙織の方法は、それなりに理にかなっているように思えた。
 荒野や香也の方にしても、それまでにある程度の素地が出来ていたので、根気よく弱点を見つけては潰していく……という沙織の方法は、短時間で試験の点数を上げる、という目的においては、それなりに効果的だと思えた。



ウェブマスターの方はこちら>>月極めも募集中
超有名なあのチャットサイトDXLIVEで!チャットレディ大募集!時給約4200円以上!

1000タイトル、君は制覇できるか!?月額1480円!SODの見放題!
素人・人妻系、流出ハメ撮り、無修正動画を大量配信!老舗動画サイト「エロスプラネット since2003」


[つづき]
目次




「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(412)

第六章 「血と技」(412)

 それでは、ということで、食事を終えて香也がやってくるまでには、源吉と沙織は、ノートパソコン一台を占有し、かぶりつきでこれまでに撮り溜めてあった対戦映像を鑑賞することになってしまった。
 この手の映像データに関しては、徳川が率先して機材を揃えアーカイブとして保存してきただけあって、今ではそれなりの量になってしまっていて、茅がしかるべきサーバに接続してログインしさえすれば、そのすべてが鑑賞可能になっていた。
「……んー……」
 まったく事情がわからない香也が、沙織と源吉の異様な情景を目の当たりにして、当然のように尋ねてくる。
「……どうか、したの?」
「気にしないでいいの」
 沙織たちのかわりに、茅が答えた。
「向こうは今、忙しいから……今日は、茅が二人に教えるの」
「……んー……。
 そう……」
 強く疑問に思ったわけではないのか、それとももともとあまり関心がなかったのか、香也はゆっくりとした口調でそう答えて頷いた。
 荒野も、それに倣う。
 荒野にしてみれば、沙織に教わる、ということが大事なのではなく、あくまで、実際の試験対策を進行させる方が重要だったわけだし……そうした事情は、香也とてあまり変わらないだろう。
 いや、香也の場合は、荒野よりもよっぽどそうした細事にこだわらないし、関心もたないのかも知れないが。
 いずれにせよ、茅はまったく別の作業をしていた割には、香也並びに荒野の学習進捗情報を正確に把握していた。
『……まあ、茅なら……』
 他の作業をしながら片手間に聴きかじった程度であっても、かなり正確な内容を即座に思い返せるわけで、その程度のことが出来ても不思議ではないのか……と、荒野は納得する。
 ともあれ、そうして昨日までのように荒野と香也の学習は黙々と続き、沙織と源吉はネットを経由したビデオ映像を延々と鑑賞し続けた。

「……はぁ……」
 しばらくたって、みんなで一息つくことにしたとき、沙織は太いため息をついた。
「おじいさんの話し……本当だったんだ……」
 沙織は、幼少時、祖父の源吉から本当とも嘘ともつかない一族の物語を聴かされていた。また、最近になってからも、茅や荒野を介して実在する一族について説明され、そのうちの何人かに紹介されてもいる。
 しかし、彼らが実際に、一族らしい活躍をしているとkろを、実地に見ていたわけではなく……今日、いろいろな映像を見て、はじめて知識に実感が追いついてきた……と、いったところだろう。
「……そういえば、荒野君は、あまり写っていなかったようだけど?」
「……いや、おれ……一応、本家筋だからさ……」
 沙織にそう水を向けられて、荒野は苦笑いを浮かべる。
「……軽々しく出ていくと、他の人たちの活躍の場を奪うのか、って文句をいわれる。
 本当におれがでないと場が収まらないときは、でていくけど……」
「……へぇ……」
 沙織は、素直に頷く。
「……荒野君、偉かったんだ……」
「おれ自身が、というよりは、おれの家がね」
 荒野は、とりあえずそう答えておく。
「最近は、なぜだか人数ばかり増えてきて、ますます出番が減りそうな感じだし……。
 それに今は、一族間の摩擦の調停や調整が、一番のおれの仕事みたいになってきてるし……」
「いろいろ、複雑なのね」
「いろいろ、複雑なんです」
 沙織と荒野は、そういって頷きあった。
「その複雑なところにもってきて、正体不明の……」
「荒野」
 荒野が続けて「悪餓鬼ども」について説明しようとするのを、茅が鋭い語気で制する。
「先輩は、一般人なの」
 一般人だから……下手に深層のことを説明して、深入りさせるな……と、茅に釘を刺された形だった。
「はいはい」
 茅の意図を察した荒野は、故意にのんびりした声を出して説明を中断した。
「なに、いいかけて。気になるじゃない……」
 沙織は、当然のように不満顔だった。
「……ま。
 世の中、知らない方がいいこともあるってこってす」
 荒野は、軽い口調でそういって、口を閉じた。
「……やっぱ、マンドゴドラのケーキ、うまいなぁ」
「そう、説明してくれないつもり……」
 沙織の目が、すぅっと細くなる。
「……茅ちゃん!」
「駄目」
 沙織は、今度は茅に向きなおる。
「一般人を巻き込みたくはないの。
 下手に首を突っ込むのは危険だし、こちらもフォローしきれないの」
 が、茅は当然、相手にしなかった。
「こっちの狩野君!」
 今度は、沙織は香也の方に話しかけた。
「……何か、知らない?」
「……んー……」
 香也は、ケーキには手をつけず、ずずずずと音をたてて紅茶を啜っていた。
「一応、前に、いろいろ聞いているけど……複雑すぎて、うまく説明できない……」
 香也が、荒野たちのいう「悪餓鬼ども」の周辺事情を理解していない……というわけではなく、それを沙織に要領よく説明できない……という、意味だった。
 茅やガク、テン、ノリたち、それに、現象までを含めた新種の出自……など、完全にプライバシーに属することだから、軽々しく教えるわけにはいかない。
 沙織がどこまで詳しく一族や荒野たちのことを知らされているかわからなかったし、どこまで立ち入った説明をしていいものか、香也には、まるで判断できなかったし、 それらをひっくるめた上での、荒野たちが現在行おうとしていることの意味……などいついても、どこからどこまでを説明したらいいのか、香也には、まったくわからなかった。
「……そう」
 香也の表情をみて、どうやら聞くだけ無駄らしい……と判断した沙織は、がっくりとうなだれる。
「……先輩……」
 荒野が、ぽつりと呟いた。
「以外に……詮索好きだったんですね……」
 荒野にしてみれば……ここ数日、沙織の意外な側面を知ることが出来て、なかなか貴重な体験をしている、といえた。
 案外……こういう、好奇心の強いところが共通しているから、玉木や徳川とうまくつき合えて来たのかも知れない。
「……この子は、小さい頃から疑問に思ったことは、そのままにしておけないたちでしてな……」
 それまで黙っていた源吉が、そういって目を細める。
 すっかり、身内の成長を見守る年長者の顔になっていた。



ウェブマスターの方はこちら>>月極めも募集中

1000タイトル、君は制覇できるか!?月額1480円!SODの見放題!


[つづき]
目次

エロアニメ

次のページ
このページのトップへ