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暗闇で、いきなり手首を掴まれて…… (2)

 おれが息を呑んだのが伝わったのだろう。
「……やっぱり、こういうの……駄目?」
 不安そうな声をあげ、女が、上目遣いにおれを見た。
「わたし、もう……普通の人と、普通にえっちできないのかなぁ……」

 女の陰部をひとのみにしようと大口を開けている蛇の頭部は、鱗の一枚一枚まで、克明に描かれた刺青だった。色合いからいっても、描写の克明さからいっても、最近流行りだした西洋風のTattooではなく、純和風の……それも、しっかりした腕のある彫り師の手によるもの……に、見える。
 おれにしても別に、そっちの方面に詳しい知識がある、というわけではないのだが……しみ一つない女の真っ白い肌の上で、黒々とした陰毛に向け、口を開けている蛇は、素人目にも鮮やかな出来に見える。

「……さっき……なんでもするっていったよな……」
 おれは、かすれた声で、言った。
「それから……やばい病気もない、って……」

「う、うん……」
 女は、不安そうな顔のまま、頷く。
 必死になっておれの表情を探ろうとしているのが、わかった。

「じゃあ……おれのを、勃たせてみせろよ……。
 今、すぐに……」
 おれがそういうと、女の表情がいきなり明るくなった。
「そうしたら……ここに、ぶちこんでやる……いやというほど……」
 そういっておれが女の陰毛の中に指を突っ込むと、女は鼻を鳴らして身をよじりながら、おれの股間に手を伸ばす。
「早くしろよ……。
 こんな狭い場所に、長居したくないから……」
 女は狭い個室の中で苦労して床にひざまずき、ジッパーを開けて取り出したおれの陰茎を口に含んだ。
 それなりに経験はあるのだろうが、お世辞にも熟練している、という咥え方ではない。
 女がこれまでどんな人生を辿ってきたのか……おれは、考えることを止め、女が咥えている部分の感触に、神経を集中させた。
 女は音をたてておれの陰茎をしゃぶっている。しゃぶりあげている。
 狭い個室の中で跪き、おれの股間に顔を密着させ、懸命に下と頭を揺り動かす。その様子はまるで、何かに祈っているような真摯さがあった。
 やがて、女はおれの腰をさり気なく肩で押して向きを変えさせ、おれを、蓋をしたままの便座に座らせる。座らせて、ベルトをはずし、おれの下半身から衣服をはぎ取る。
 おれのを咥えているうちに女もその気になってきたのか、頬が上気している。
 おれは女の胸に手を伸ばして、まさぐった。
 案の定、乳首が勃っている。
 おれが服の上から乳首を強く摘むと、女は「あん」という甘えたような声を出した。
「……お前も、脱げよ……」
 おれはそういって、女の肩に手をかけて、服を上に引っ張る。
 女は腕をあげて、おれのされるがままになった。
 これでおれは下半身が裸、女は上半身ブラだけにミニスカ、という恰好になる。 
 女は一旦身を起こしておれのズボンをドアについているフックに引っかけ、自分の上着もその上にかけた。
 それから、
「……もう、十分、硬くなっているけど……」
 と、おれのものを指さす。
「どうする? すぐにいれちゃう?
 それとも……」
「脱げよ、これも……」
 そういっておれは、女の乳房をブラの上から鷲掴みにすると、女は、
「……っんふっ!」
 と媚態とも苦痛の声ともとれる呻きをあげる。
「見たいんだよ、お前の刺青……」
「……いいけど……。
 脱いだら、本当にやってくれる?」
「いやらしい女だな。そんな、何度もしつこくせがむなんて……」
 いいながら、おれは、そのまま、女の胸を揉みしだく。
「……あんな強引な誘い方をして……そんなに男が欲かったのか……」
「……やっ!
 ……んっんっ!」
 おれの乱暴な揉み方に声を上げながら、女は、いきりたったおれのものを強く握る。
「そう……なの……。
 暑くなると、これが欲しくなるの……」
 いいながら、女は、左手を背中に回し、ブラのホックをはずす。
 おれがさんざん乱暴に揉みしだいていたため、かなり緩んでいた女のブラは、ホックをはずしただけで、簡単に下に落ちる。
「……みて……」
 下半身を丸だしにして便座に座っていたおれの腿の上にかがみ込むような姿勢をとっていた女が、そういって立ち上がり、剥き出しなった乳首を誇らしげにおれの目の間につきつける。
 女の乳房にも、蛇がいた。
 左右から顔を見合わせるようにして、二匹の蛇が下から大きく口を開け、下から釜も首をもたげて乳首を食べようとしているように、見える。
 女の肌は白く、写実的に描かれた蛇の鱗が、汗に濡れていた。
 乳首と乳輪は、小さくて色が濃い。
 おれは、その突起のひとつにむしゃぶりつき、軽く歯を立てる。
 んっ……と、女のうめき声が、頭上から聞こえる。
 女の体臭が、少しきつくなったような気がした。
 そのまま腰を抱き寄せと、便座に座った体制でいきり立ったおれの先端に、女のスカートが触れた。
 女は両腕でおれの頭を抱いて引き寄せ、自分の乳房におれの顔を押しつけてくる。

「そのまま、座れよ」
 おれがいうと、女は、右手を下に回しておれの逸物の位置を調整し、その上に、座り込む。
 んっ、んっ、んっ、といいながら、女は、おれの太ももの上に徐々に体重をかけ、おれのものを飲み込んでいった。

 女のそこはすでに湿っていて、きつく、おれを締め付けながら、飲み込んでいく。 
 女が体重をかけ、腰を沈めていく。
 まっすぐに上を向いたおれ自身が、女の肉を貫いていく。
 ……んっ、くっ、くっ、と、呻きながら、女は腰を降ろしきり、ふうぅ、と、満足そうにため息をつた。
「……これ、大きくない?」
 向き合って、おれの膝の上にのっかった女は、なぜか不満そうな表情をつくる。
「それに、んっ、硬いし……中で、反り返っている……」
 話すたびにおれの顔に女の息がかかるほど、至近距離でにらみ合っている形だ。
「……知らんよ……」
 おれはわざと素っ気なくいい、身じろぎをすると、女は、「……んっ、んっ、んっ……」と鼻息を荒くする。
 結合部から漏れた液体が、おれの腿に滴り落ちはじめた。

「ちょ、ちょっと、タンマ!」
 女は、おれの肩に手をついて、上体をそらす。
「ちょっと、休ませて……。
 具合、よすぎ。少し休んだら、自分から動く……。これだと、すぐにいっちゃうよ……」
 女は、ぺろりと舌をだした。
 その表情をみて、はじめて女を可愛いと思った。
「……少し休んだら……たっぷりサービスるから……」
「駄目。休ませない……」
 いって、おれは女の尻の肉を両手で鷲づかみにし、下から激しく突き上げ始める。腰だけではなく、腕の力も使って女の体を上下に揺さぶり、その動きと腰の動きを連動させる。
 こういう力業はやる方としては非常に疲れるのだが、結合部の擦れ具合がダイナミックになる分、感じる物もそれだけ大きくなる。
 自分の体重もかけて、奥の奥まで入り込む度に、女は、のけぞって「がはっ」とか「ぐはっ」とか息を吐いた。もちろん、結合部からは、女の愛液が大量におれの股間にしたたりおちてきている。
 しばらく、激しく女の体を揺さぶると、流石に腕がだるくなってきたので、激しく動かすのはやめ、代わりに、手で腰を抱くようにして、結合部を中心にゆっくりと回転させる。おれのモノを包んだ女の粘膜が、ひくひくと複雑な伸縮をしている。すっかりいきりたったおれのモノは、かえって刺激に鈍感になっているようで、女の肉の蠢きを泰然として受けている。
 女が喉をのけぞらせたので、おれは汗に濡れた女の喉に舌と唇を這わせる。
 女の背を腕で支えながらさらに反らせて空間を作り、音をたてて乳房にも食らいつく。
「もう……強引なんだから……」
 ようやく呼吸を整えてきた女が、荒い息の下から、そう囁いた。
「……お前が、いうか……」
 おれは苦笑いをしながら、答える。
 そしてまた、腰と腕を動かしはじめる。
 すると、女は、
「……だ、駄目……」
 などといいだした。
「そんなに激しくされると、声、でちゃう……」
 ……そういえばここは、映画館のトイレだったな……と、いわれて初めて、おれは思い出した。
 とはいえ、上映は始まったばかりであり、そもそも、客の入り自体、さほど多くなかった。もうしばらくは、誰かがこのトイレに入ってくる頻度は、そう多くはないは筈だ。
 しかし、おれは、女には、あえてこういう。
「今にでも、誰かが入って来るかもしれな……」
 すると、女は、 いやいやをするように首を振った。
 おれが激しく腰をうちつけると、亀頭の先が女の奥にあるいき止まりの部分にぶつかり、女が、声をたてまいと口を硬く結びながら、それでも、
「うっ!」と声を漏らす。
「……なんだ……こういうの、感じるのか?」
 おれはそういって、なおさら激しく腰をうちつける。
 女は、体中をびくびくと大きく振るわせた。
「映画館でみず知らずの男にいたずらしてくる痴女だもんな!」
 女の耳元で囁いて、女の中をわざと乱暴な動きで円を描くように、動く。
「……誰かに見つかるの、期待しているのかもな!
 こういうの、好きな変態なんだろ! お前!」
 女の耳元で囁きながら、おれはさらにグリグリと腰を蠢かせる。
 女は下唇を強く結んで、懸命に声を上げまいとしている。
 おれは女の中に根本まで押し込みながら、これみよがしに、ことさら先端を中で円を描くように動かしてやる。
 女は眉間に皺を寄せながら目を閉じ、おれの背中にしがみつきながら、首を振る。
「……よし……。
 じゃあ、絶対に声を立てるなよ……」
 おれも意地になってきた。
 女の腿を両手で抱え、大きく股を広げさせると、すぱん、すぱん、すぱん、と小気味良い音をたてて女の中を蹂躙する。
 女は、おれにしがみつきながら、いつの間にかおれのネクタイを口に強く咥え、強く瞼を閉じて、必死になって声を出すまいとしている。
 そうするとおれもなおさら意地になってさらに激しく動くようになる。
 次第に俺にしがみついてくる女の重量が邪魔に思えてきたの、どうせならば、と、女の尻を両側から掴み、よっこらしょ、と、繋がったまま女の体をもたあげた。
「……んんっ!」
 目を閉じていた所でいきなり持ち上げられた女は、驚いた顔をして両目を大きく見開き、両手両足にさらに力を込めて、おれにしがみついてくる。
 おれは、女が状況を把握する暇も与えず、そのまま激しく上下にがくん、がくん、がくん、と女の体を揺さぶりはじめた。
 女は、振り落とされる恐怖に顔をひきつらせながら、おれの体にしがみついてくる。だが、何度もおれが上下に揺さぶるうちに、今までとは違った角度に深く突き刺さるため、女の顔は、明らかに愉悦によって歪んでくる。
 ここぞ、とばかりに、おれは女の体をさらに激しく揺さぶった。
 女が汗まみれの乳房をおれのワイシャツにおしつけ、大きく頭をのけぞらせて白い喉をおれに見せる。
 女は、肌の上に玉の汗を無数に浮かべており、それは顔から喉、それに、精緻な蛇身がとぐろをまいてる乳房にまで続いている。
 おれが女を揺さぶる動きにあわせて女の胸に渦を巻いている蛇も身悶えする。おれの腕は不慣れな重労働ですぐに痺れてきたが、緻密な絵が入った女の肌をまじまじとみつめるうちに、そんな痺れも意識の外に置くことができた。
 刺青の方に目がいっていたので今まで気づかかなかったが、よくみると、女の乳首はつんと上を向いており、大きさも形も申し分がなかった。
 おれは、腕が痺れてきたのと女の乳首にむしゃぶりつきたい衝動に駆られたのとで、乱暴に体の向き反転させ、女の体を便座の上に降ろした。
 そして、女がないか反応する前に素早く女の乳房に飛びつき、乳首を強めに甘噛みしながら、あいた手で片方の乳房を鷲掴みにして、力を込めて揉みしだく。
 おれが便器に座る半裸の、というよりは、辛うじてスカートを腰の周りにまとわりつけただけの女にのし掛かり、パンパンパンパン、という肉と肉を打ち付ける大きな音がするのにも構わず腰を激しくピストン運動させながら、乱暴に女の乳房を揉んでいる。女は必死になって声を押し殺しておれの背中に爪を立て、口を硬く結んで頭をのけぞらせていたが、おれのほうにしてみれば、ここまでくればもはや痴漢扱いされることもあるまい、という気持ちがあったので、人目を気にする気持ちはない。むしろ、女を責め立てて反応させ、そのせいで他人に気づかれたら、いったいこの女はどう対応するのだろうか? という嗜虐混じりの妄想を持ちはじめていた。おれが腰を打ちつけ、乳房を掴んだ手に力を入れる度に、女は体や手足をビクビクと振るわせ、首を、いやいやをするように左右に振る。おれの手の中で、蛇がとぐろを巻いている女の乳房が歪む。女の皮膚が、汗でじっとりと湿りはじめる。
 どうせ、もう生で挿入しているんだから……このまま中で射精しようかな?
 と、おれは思いはじめる。
 射精感が高まってきている、ということではなく、女の反応が良好すぎるため、かえっておれの意識は冷静になっていたりするのだが、この女を困らせたい一心で女の子宮におれの精液を注ぎ込みたい欲求に駆られる。
「……おい……」
 おれは、便器とおれの体に挟まれ、体をくの字型にしてひくついている女に、声をかけた。
「このまま、中にだしちまっても……いいか?」
 女が困惑する様子をみたかったので、わざと口に出してそういい、女の返事を待たずにさらに腰をうちつける。
 女が返事をしようと口を開いたところで、おれは女の股間の、おれとの結合部の上にある突起を親指で押しつぶす。女の陰核を指で押さえ、女の中にあるおれのものと指で押しつぶしながら、さらにおれは女の中を掻き回す。
 女は「うひっ!」とか「うひゃっ!」、みたいに聞こえる声をあげる。
「……返事がない……っていうことは、このまま出しちゃっていいんだよな……」
 そういっておれは、女の腿と手首を両手で抱え、女が大股開きになるように、女の足を高々と掲げる。そのまま、女の腹に女の足を折り曲げるようにして密着させた体勢で女の動きを制限し、じゃ、じゃ、じゃ、と、激しく腰を動かし続ける。
「イクからな! このまま中でイクからな!」
 と譫言のようにいいながら、ついにおれは女の中に長々と放出した。
 おれの熱い白濁液を体の奥に受け止めた女は、
「……うふぁっ!」
 と、小さく叫んでのけぞり、そのまましばらく硬直してから、
「……あっ……熱い……のが……中に……」
 と、うっとりとした表情で目を細め、ビクビクと体を細かく痙攣させていた。
 女の呼吸に従って上下する胸と腹の表面では、青黒い蛇たちが女の呼吸にあわせて鱗を振るわせている。
 気づけば……女もおれも、全身に汗をかいて、体全体がじっくりと湿っている。ほとんど裸の女は皮膚の表面が濡れている程度だが、上半身はワイシャツのままだったおれは、濡れたワイシャツがべっとりと肌に張り付いている状態になっている。
 動きを止めてしばらくすると、肌に張り付いたワイシャツが冷房で冷え、悪寒を感じるようになった。射精して気分が落ち着くと、おれは、女と抱き合っている理由もなくなって、女から身を離し、いそいそと身支度を調えはじめる。身支度を調えながら横目で女をみると、両脚を広げてぱっくりと開いた陰部を丸出しにしながらトロンとした虚脱した目つきで、荒い息をついて休んでいる。女の肌を今になって良く確認すると、青刺の蛇が数匹、女の胴体に絡まっており、緻密、かつ、迫真の描写と、汗に濡れていることなどが相俟って、まるで本物の蛇が女に巻き付いているような錯覚さえ、覚えた。
「……ねぇ……」
 おれと目が合うと、女が、いきなりそんなことをいって、黒い物体を取り出した。
「……これ、なーんだ……」
 女は、いつの間にか、おれのパスケースを手にしていた。
 その中には、定期券、免許所、社員証などが入っている。
 おれが、女の掲げるパスケースを取り戻そうと身を乗り出すのと同時に、女は、パスケースを持っていない方の手で、携帯電話を素早く操作し、おれのパスケースを開いて、その中にあった定期券、免許証、社員証などを撮影しはじめる。
 おれが、パスケースを取り戻そうと女に身を寄せると、そのままおれの首に抱きついて、おれたち二人が顔を密着させているショットまで撮影した。
「……はい……これで、メール送信、っと……。
 これで、携帯の写真消してもどうしようもないし……もう、逃げられないから……」
 おれの顔のすぐ横で、笑いを含んだ、女の声がした。
「……こんな恰好のわたしとツーショットの写真とってたら……誰にも、いいわけは、できないと思うし……」
 女は、おれに晴れやかな笑顔をみせて、
「……一度きちんと時間を作って、今後のことを話し合いましう……」
 と、いった。

[完]

■初出: ウラネコの徘徊
目次

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暗闇で、いきなり手首を掴まれて…… (1)

 暗闇で、いきなり手首を掴まれた。

 主張先で、先方の都合で予定していた打ち合わせがキャンセルとなり、三時間ほどの時間がぽっかりとあいた。
 この炎天下、土地鑑もない場所で、時間を潰す場所を探してうろつきまわる気にもならず、たまたま目についた映画館にぶらりと入った。冷気をもとめ適当に時間を潰せさえすればよかったので、その時、上映していた映画の内容さえ、ろくに確認していなかった。
 座席はがらがらだったから、人気がない作品であったことは、確だったが。おれが駆け込んだ時、すでに予告編がはじまっており、まともに映画を観賞する気もなかったおれは、一列まるごとあいていた場所の真ん中へんの座席の選び、そこにどっかりと腰を下ろすと、すぐに目を閉じた。
 そして、やかましい予告編の音声をものとせず、おれが目を閉じてうとうととしはじめると……。

 暗闇で、いきなり手首を掴まれたのだ。

 おれの右手首を掴んだのは、ほっそりとした細い指、だった。
 はっと目を醒まして、目を開けると、やはり、丁寧に手入れされ、キュアを塗られた小さな手が、おれの手首をしっかりと握っていた。
「こっち、見ないで。
 顔を挙げないでいたら、もっといい思い、させてあげる……」
 吐息が頬にかかるほど間近から、そういわれた。
 機先を制された形で、おれは顔をあげられなくなった。
 いや、実際の所は、おれが何か反応するのより早くに、彼女がおれの手を導いて、自分の太股に押しつけてきたので、その感触に唖然として、言葉をさし挟むタイミングを逸した。
 その女の太股は、汗のせいか表面が微かに湿っていて、しっとりとした感触があった。
「騒がなければ、好きに触っていいよ……」
 耳元で、そう囁かれる。
「あと……顔は見ないで……」
 その言葉を証明するように、おれの手首を掴んだ手は、おれの手を、スカートの中に導く。

 元々、ひどく短いスカートだった。白くて柔らかくて、薄い布地で、おれの掌は、難なくその布地の中に潜り込む。

 スカート中に潜り込んだ指先が、スカートよりもっと薄い布地に触れる。
女は、スカートの上からおれの掌を自分の太股に押しつけているので、おれの指先が、女の股間に触れるか触れないか、という微妙な所で固定されている。

「さ。
 触って。でないと、このまま大声をだすから……」
 冷房はむしろ効きすぎているくらいなのに、おれのこめかみに、じわり、と、汗が浮かぶ。

 来る時にみた限りでは、客の入りは少なかったものの……確に、何人かは居たのだ。
 この体勢で騒がれでもしたら……社会的な意味で、おれはオシマイだろう。
 おれはしかたなく、いわれた通りに、指先を、動かす。手の他の部分は、今では女の両手でつかまれて、がっしりと固定されているので、動かすこともできない。
 おれの右手は、女の股間の上、女の両手にがっしりと手首を固定され、女は、おれのうなじに息を吹きかけるようにして、しなだれかかっている。
 目前のスクリーンでは、不安をかきたてるバイオリンの音色に合わせて、自転車に二人乗りをした若い男女が映っている。その男女がは、いかにも職業俳優らしい端正な顔に苦渋の表情を張り付けて、えんえんと灰色のブロック塀が続く道を、自転車で進み続きける。
 かなりの長回しだ、と、おれは思った。そして、客が入らないわけだ、とも、思った。

 そんなことをぼんやりと思いながらも、おれは指先を上下に動かし続ける。
 おれの指先が、薄い布ごしに、女の性器の割れ目に沿って、動く。

 最初のうち、ざりざりと布ごしに隠毛をかき分けるような感触しかしなかったそこは、時間がたつにつれて、うっすらと湿り気を帯はじめている。
「そう……もっと……」
 今や、女はおれの右腕を抱きかかえるようにして肩に完全に頭乗せている。この体勢では、ハスキーな声は聞こえるが、女の顔は確認できない。
 どうやら、女は、おれの腕ごと指から股間までの距離を調整しているらしい。
おれの指が股間の布地を触れるか触れないか、という今の微妙な位置が、女の「好み」なのだろう。
 おれの指先は、布地ごしに女の敏感な部分を浅く掻く程度にとどまり、おれとしては、その頼りない感触に、どうしようもないもどかしさを感じている。
 しかし、どうやら、女はそうした微妙な刺激がお好みで、なおかつ、おれの都合などは気にかけるつもりはないらしい。
「……んっ……ふっ……」
 と、次第に鼻息を荒くしはじめる。
 首筋にかかる吐息を、妙になまめかしく感じた。
 女は、おれの肩に縋りつきながら、おれの掌を自分のももに押しつけている。女の股間にはおれの指先しか届いていないのだが、それでも、少しでも動きを止めると、鼻にかかた声で、
「……もっとぉ~……」
 と、耳元で不満そうな声を上げられる。
 そんなわけで、おれは、せっせと指先を動かして、その女の下着の正面を刺激した。女の方は、おれの肩に体を押しつけた状態で、ビクビク痙攣しはじめ、おれの指先は女の愛液の感触をはっきりと感じている。
 それでもって、おれ自身はといえば、かなり半端な状態である。

 目の前……というか、すぐ横に、おれの愛撫によってかなーりいい状態になっている女がいて、肩に擦り寄ってきているというのに、おれの方からの手出しは事実上、封じられている。それどころか、女の顔さえ、まだ確認できていない。肩に押しつけられる感触から、女のプロポーションの良さは確認できているが、女の顔を確認しようとして、あるいは、女の別の部分をまさぐろうとして少しでも身じろぎしようというものなら、それを察知した女から、
「駄目! 大声を出すわよ……」
 と、耳元で、音量は小さいが鋭い語調で封じられる。
 そういわれてしまえば、痴漢として逮捕されたくはないから、こちらとしては大人しくいうことを聞くしかない。

 実際の所、生殺しのまま、女の快楽に一方的に奉仕させられる、という状態が、しばらく続いた。
 何のことはない。
 その時のおれの状態は、いわゆる、生殺し、というやつである。
「……何もさせないつもりかよ……」
 おれははじめて女に小声で囁きかける。
 女は、ふん、と鼻で笑った。
「満足させてくれたら、いろいろしてあげてもいいけど……」
「じやあ、おれの手を、自由にしろよ……」
 女は、いやぁ、と、子日を含んだ、妙に鼻にかかった声で答える。
 顔をおれの肩に押し付けたままなので、どんな顔をしているかは分からないが、声の感じとうなじや服装から受ける印象では、随分若い。

「……触れるか触れないか、というところで、ちょこちょこやられるのが、好きなんだ?」
「……触れるか触れないか、というところで、ちょこちょこやられるのが、好きなの」
二人とも小声で囁いていたので、そんなやりとりも、傍目には、カップルがいちゃついているように見えているた筈だ。
 おれが指の動きを早くすると、ん、ん、ん、ん、と、女の鼻息が荒くなる。
 おれの手を押さえつける力が一瞬緩んだので、割れ目にそって指を上にスライドさせる。指先が下着越しに硬くなった小さい突起に触れると、女の背が大きく震えた。
 女は相変わらずおれの方に顔を押しつけるようにしているので、顔は見えない。おれの位置からは、女のうなじが丸見えで、そこから感じる汗の匂いが、少しきつくなった気がした。目を見ると、暗闇の中に浮かぶうなじの皮膚が、以前より艶を増し、スクリーンの光を反射しているように感じた。
 もちろん、おれは、今上映中の映画のことなど、まるで頭に入ってこない。
「……感じさせれば、いいんだよな……」
 女の、おれの手首を押さえつける力が弱まったので、ここぞとばかりおれは右手を跳ね上げて女の下着の中に指をいれる。

 女は、
「ふっ!」
 と、吐息をおれの胸元に吐いただけで、とくに抵抗しなかった。

 女が抵抗しなかったことに勢いづいて、おれは、今までおれの右手の手首を押さえつけていた女の手首を左手で掴み、おれ自身の腿の上に置く。
 もともと、女はおれの肩の上に頭を乗せるようにして寄り添っていたので、女の手をそこまで動かすのは、造作もなかった。

 続いて、とりあえず女の下着の中に突っ込んだ手を動かし、肝心の襞や突起は避けるようにして、その左右の陰毛をかきわけるように軽く撫でてやる。
 手を浮かし気味にして、わざと女の短いスカートが捲れ上がるようにしてやった。
 剥き出しになった女の太股が、スクリーンの光を反射する。
 肌が、白い。

「……もう……強引なんだから……」

 思わず見いってしまったおれは、女の声によって、意識を現実に引き戻される。
 おれは、下着の中に突っ込んだ指を動かして、女の隠毛を掻き分け、中指を第二関節まで女の中心に埋没させる。
 ふっ、と、女が吐息を吐いた。

「……こんなにしてて、何をいってやがる……」
 女のそこはすっかり濡れていて、指はすんなりと入った。入口が緩い割には、途中から急に狭く、きつくなる。
 入口からそのきつくなる部分まで、指を往復させる。女が、おれの腕にしがみついてぶるぶる震えはじめる。おれの腕に、女の胸が押しつけられる。ブラの硬い感触ごしに、ほどよい弾力を感じる。わりと、大きい。

「Cくらいあんの?」
「……え?……はん!んん!」
尋ねると、女が間の抜けた声をだしたので、指の動きをさらに早くしながら、さらに重ねて問う。
「だから……ブラの、カップだよ……」
 女の股ぐらが、じゅっ、じゅっ、じゅっ、と水音をたてはじめる。
「……痛いっ。
 痛いって……そんな、いきなり、乱暴に動かれたら……」
 女が弱々しく呟いたが、おれは、じゅっ、じゅっ、じゅっ、じゅっ、と女のあそこにつき立て続ける。
「こんなに、濡れているのに?」
「濡れていても。
……乱暴にされると……んんっ! 痛いの……」
 じゅっ。じゅっ。じゅっ。じゅっ。
「……だ、だから……そんな……激しいのは、んんっ! 駄目だって!」
 じゅっ。じゅっ。じゅっ。じゅっ。
「……だから、駄目だつて……んはぁっ!」
「あんまり大きい声をだすと、気づかれるよ……」
 おれが指摘すると、女は、「……んー……はぁっ!」と、声を押し殺す。
 じゅっ。じゅっ。じゅっ。じゅっ。
「わ、わかったから!
 もう……好きにしていいから……あっ。はっ。はぅっ! ん! ん!」
 これだけ声を出しても、顔と音量をあげないのは流石だな、と、ぼんやり思った。
「へえ……好きにしていいんだ……」
 おれはそういうと、唐突に手の動きを止め、女の股間からも手を外し、おれの肩にもたれかかっていた女の体を、乱暴な動作で引き離す。
「じゃあ、止める」
 いきなりおれの体から引きはがされた女は、
「……え?」
 といったっきり、絶句して弾んだ息を整えている。
 暗い上、前髪が乱れて顔を覆っているので、顔立ちはよく判別できない。
「脅されてあれこれ命令された上、自分だけ、勝手に気持ちよくなって……。
 こっちには、なに一つ、いいことないじゃん……」
 そういいながらもおれは、女の体をじろじろと値踏みするように見渡す。
 小柄だが、胸と尻は大きい。それに、さっき腕に抱きつかれた感触では、ウエストも引き締まっている。
 顔立ちは暗くて確認できないが……体の方は、上々だ。それに、指の感触では、締まりもいい。
「もともと、ここには時間潰しで入ったわけで……。
 そんなところで痴漢にでっち上げられるなんて、ごめんだね……」
 小声でそういって、おれは、中腰で席をたった。
 映画はまだ上映中であり、完全に立ち上がると、後ろに座っている人たちの視界を塞ぐことになる。
 そのまま出口に向かおうとするおれの手首を、女が掴む。
「……なんだよ……」
 おれは、わざと不機嫌な声を出した。
「ご、ごめん……。
 そんな、つもりじゃあ……」
 女は、涙声になっている。
「……とにかく、おれ、もう出るから……」
 おれは、映画が上映中であるため、小声でそう呟く。
 おれがそう囁いて出口に向かうと、女もおれの手首を掴んだまま、おれの後をついてくる。
 暗闇を抜けて人気のない通路にでても、女はまだおれの手首を掴んだままだった。
「いつまで握っているの、それ?」
 おれがそういって自分の手首を振ると、女は慌てて手を離し、垂れた前髪を描き上げる。
 想像していたよりも若い女だった。
 まだ、二十前だろう。
 顔の造作も……決して悪くはない。鼻の周辺に薄いそばかすが浮いていたが、愛嬌のある顔だと思う。服装がカジュアルなせいもあって、OLか学生、ではないか、と思った。
「……あ、あの……」
 先ほど、おれに命令した時とはうってかわっておどおどした声で、女は呟いた。
「怒って、ない?」
 美人、というわけではないが、あんな痴女めいた真似をして男を誘うような女にも、見えない。
「怒って、って……あのねえ……」
 おれは、喫煙コーナーまで歩いていって、そこのシートに座り、煙草に火をつける。女も、おれの後を追ってとことこ歩いてきて、おれの隣に座った。
「きみ……誰にでも、あんなことやっているの?」
 妙に、気分がいらついていた。
「誰にでも……って、わけじゃあ……」
 女は、顔を伏せて唇を尖らせる。
 なんというか……親や教師に叱られている小学生みたいな表情だった。
 こいつ……予想より、若いのかもしれないな……と、思った。
 女は俯いたまま何も言おうとしなかったので、おれはすぐに煙草を一本吸い終わってしまった。
 そのまま女の返答を待つ理由もなかったので、おれは何も言わず立ち上がり、歩き出す。
 女は、顔を伏せたまま、無言のままついてくる。
「トイレだよ。手、洗いにいくの」
 おれが低く呟くと、女は肩をびくんと振るわせる。
 この女は……さっきまでおれを脅すような真似をしていたのに、今は怖がっているのか?
 そのくせ、おれの後をとことことついてくる。この女がなにを考えているのか……まるで、分からない。
 それまでの状況が状況だったので、不気味にも感じた。
 映画が上映中、ということもあり、通路には誰もいなかった。売店や入り口から遠いこともあり、映画館の係員にも出会わないまま、トイレまでつく。
 おれが男性用のトイレに入っていくと、驚いたことに、女もそのまま中までついてきた。
「何考えているんだ? お前……」
 手洗い場の鏡越しに一瞥すると、女は肩をすくませたが、外に出て行こうとはしない。
 しかたなく、おれは無視することにして、これみよがしに盛大に石けんを泡立てて、手を洗いはじめる。
 すると……。
 女は、いきなりおれの背中に、抱きついてきた。
「こんな所で、いきなり、何すんだよ……お前」
 おれはしゃこしゃこ手を泡立てながら、不機嫌な声を出す。初対面の女にいきなり積極的に攻められて喜ぶのはAVとか作り物の世界だけの話しだ。どんな病気を持っているか分かったモンじゃないし、第一、ストーカーっぽくて、普通は、引く。
「あの……怒らないで、ください……」
 おれの背中に抱きついたまま、泣きそうな声でそういう女。
「あのなー……。
 いいから、出てけ。ここ、男性用のトイレ……」
「な……なんでもしますから……ゆ、ゆるして……」
 ぐずついた声で、それでも、後ろから手を回して、おれの太股とか股間とかをゆっくりとまさぐってくる。
「ほら……ここ……こんなに大きくなってる……」
 おれのソコは、さっきの刺激と、今、背中に感じる女の感触ですっかり硬くなっている。ブラの硬い感触ごしに、先ほど暗闇の中で確認した女の大きな胸が押しつけられていた。
「いや、男だから、生理的にはそうなるけどな……。
 ……って、だから、ジッパー開けるなって!
 淫乱か、お前は……」
 おれは手についた泡を洗い流しながら、答える。
「ら、楽にしてあげようと思って……」
「いらんことするなって。
 初対面でどこの誰かも分からない相手と、こんなところでそんなことをするつもりはない……」
 おれがそういうと、背後から回された手が、がっしりとおれの手首を掴んだ。
「どこの誰か知っている人となら……」
 女はそういって、おれの右手にあるものを握らせる。
「……ちゃんと、してくれるんですね……」
 おれの掌に、ハンカチとパスケースが握らされていた。
 顔の前にかざしてしげしげと見聞すると、パスケースの中には免許証と学生証が入っていた。
 おれはハンカチで手を拭ってから、パスケースを開いてしげしげとみた。
 免許証と学生証によると、女はギリギリ関係を持っても法には触れない年齢で、しかも、おれが出た大学よりよっぽど偏差値の高い四年生の大学だ。学部は比較英文学……って、一体、何を勉強するんだ?
 免許証や学生証についていた写真は、今おれの背中に抱きついている女より、数段幼く、かつ野暮ったくみえる。写真の方は、どことなく垢抜けていないティーンエイジャー、という印象だったが、今おれに抱きついているのは、若くて薄着の、どことなく軽薄な印象を与える女だった。
「……とりあえず、離せ……」
 おれは乱暴に身をよじって、女の腕をもぎ離す。
「びょ、病気もありませんよ……。
 だ、だから……して……ください……好きなこと……」
 女はどもりながら、しかし、何ともいえない強い眼光を放っておれの目を見据える。
 丸顔で、化粧は濃いめだが、別に不細工なわけではない。第一、体が、いい。基本的に細身で、胸と腰回りがいい具合に張っている。化粧の濃さもあって、どこか腰が軽そうな印象を受けた。
 一言でいえば、コンパにでもいけば、それなりに相手には不自由しない外見に思えるのだが……。
 だから、なんでこんな所で? しかもおれなんだ?
 という疑問が、脳裏をよぎる。
「……もっと、その……。
 大学の知り合いとかに、適当な相手とかいないのか?」
 おれは、若干引き気味になりながら、弱気に話しかけた。
 容姿はそこそこだが、映画館の中であんな真似をして、しかも、男子トイレの中までついてくる……というのは、やはり尋常ではない。
 下手に関わり合いにならない方が、無難……と、思えた。

「……どうしてもそういう相手が欲しければ……逆ナンパでも出会い系でも、好きしろ……」
 そういっておれは、トイレから出ようとする。
 おれだって独身だが、こんな訳の分からない相手にかぶりつくほどには、飢えている訳ではない。
「……だ、駄目なんです!
 ……それじゃあ……」
 再び、女は、背後からおれの手首を掴む。
「いざって時に、逃げられちゃうんです……」
 ずりずり、と、女は手首を引っ張って、おれの体をトイレの個室の方に連れて行こうとする。
「見るだけ! 見て駄目なら、それでもういいです……。
 諦めますから……もう少しだけ、つき合ってください……」
 女は、そんな意味不明のことをいっている。
 おれは腕時計で時間を確かめ、ため息を一つついて、結局、女に従った。
 騒がれるのが恐い……というより、このまま映画館の外にでて汗まみれになるのも億劫だったから、見るだけ、というのなら、もう少しつき合ってもいいか……と、思い始めていた。
 女の目的と行動原理は相変わらず不明だったが……今まで話してきた感触から、少なくとも、話しが通じない相手では、ないらしい……と、思いはじめている。
 ただ……一見、大人しそうなこの娘が、何故こんな真似をするのか……という部分は、いまだに理解できなかった。
「さっき、気持ちよくしてもらった分……」
 個室にはいると、女はおれを便座に腰掛けさせ、股間のジッパーに手をかける。
「……気持ちよく、しますから……」
 女は締まりのない愛想笑いを浮かべて、上目使いにおれの顔色を伺う。
「……その前に……」
 おれは、股間に延びかけた女の手首を掴む。
「本当に、病気、ないんだろうな?
 後、どうしてこんな真似をするのか、その理由を聞かせてもらおうか……。
 さっきもいったが、男漁りなら、他にもっと確実な方法があるはずだ……」
 有無をいわさない強い語調でそういうと、女は締まりのない愛想笑いを引っ込め、真顔になる。
「もうー……ここまできて、そういうこと……。
 えらいの捕まえちゃったなぁ……。
 いいよ。理由、みせる。
 その代わり……ここまで来たんだから、逃げないでよね……」
 そういって女は、狭い個室の中で精一杯後ずさり、自分のスカートを捲りあげる。
「……本当……逃げないでよね……」
 そういうと女はスカートの裾を口にくわえ、両手で下着の両端の結び目をほどく。
 下着がおち、白い肌と局部を覆う黒い茂みとが露わになる。
 そして、茂みの上には、蛇が鎌首をもたげて、女の陰部を呑み込もうと、口を開いていた。

[つづき]
■初出: ウラネコの徘徊
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暗闇で、いきなり手首を掴まれて…… 目次

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