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2008-09

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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(382)

第六章 「血と技」(382)

 ……なんで、こうなるのだ?
 とか思いながら、荒野はキッチンで昼食を調理中の茅と沙織の後ろ姿を眺めている。茅は毎度お馴染みのメイド服姿であり、沙織は荒野のエプロンを借りてそれを着用している。
 香也の方は、一度自宅に帰って昼食を済ませ、着替えてからこっちに来る、ということになっていた。その際、「気が散るから」という理由で、楓と孫子には同行をご遠慮願った。というか、沙織の希望を荒野が後押しする形で、無理に二人を納得させた。
 沙織がやろうとしていることは、いいことか悪いことかといったら、断然前者なわけであり、荒野としても断る理由がない。それ以前に、これといった理由もなく沙織や茅の頼み事を断れるタイプの果断さは、荒野にはなかった。
「これは、何事ですかな?」
 そんなことを考えていると、いきなり耳元で声がしたので、荒野は危うく驚愕の声を出しそうになった。慌てて振り返ると、佐久間源吉が真面目な顔をして立っている。
「……沙織がこちらにお邪魔する様子を確認しましたもので……」
 荒野にそうと気取られずに背後に忍び寄ることが出来る者は、そうそう多くはいない。涼治が頼りにするほどの術者であった源吉は、やはり相応の練達の士なのであった。
「何事か、って、そりゃあ……」
 おれの方が説明して貰いたい、といいたいところをぐっと我慢して、荒野は、淡々と「沙織が荒野と香也の勉強を見ることになった」といった意味のことを説明する。
 その声を聞いた沙織は振り返り、そこに突如出現していた源吉の姿を認めても、特に驚いた様子もみせず、
「あら。おじいさんも来たの?
 ご飯、一緒に食べていきます?」
 などと、平然とした態度で尋ねてきた。
「若の方さえ、よろしければ」
 断られるとは思っていないのか、源吉はというと、すっかり「孫を見る祖父」の顔になっていた。
「いいけど」
 荒野は、短く答えた。
「茅ちゃん、いい?」
 沙織は、今度は茅に確認する。
「いいの」
 ポットの中に温度計を差し込んでお湯の温度を確認していた茅は、振り向きもせず沙織の問いかけを肯定した。
「おかず、もう何品か、作るの」
 不意の来客が意外に多いこともあり、食材は常に余分に買っておく習慣があった。
「沙織の手料理ですか……」
 源吉はというと、すっかり相好を崩して勧められてもいないのに、テーブルの椅子を引いて腰掛けようとしていた。
 ま……平和だから、いいか……と、荒野は思った。

「……んー……」
 一時間ほどして、勉強道具を携えてマンションを訪れた香也は、見慣れない顔である義眼の老人の方に視線をやり、荒野に向かって、
「この人は?」
 と、短く尋ねる。
「沙織先輩のおじいさん。
 邪魔はしないで隅で見ているだけ、だそうだから、気にしないで。
 単なる……あー。見学者だから」
 気にするな、といっても無理かも知れないが……と心中で付け加えながら、荒野は、一応、そう答えておく。
 学校の成績が悪いから、女性関係が不安定だから……などという、ただでさえ決まりの悪い原因が重なって今回の仕儀とあいなった香也は、さらに見慣れない見学者にバックをとられて、傍目にもそれとわかるほど動揺し、落ち着かない様子だった。
「狩野君。
 こちらの加納君のいうとり、外野は気にしないで……」
 一方、沙織の方は、香也とは対照的に平静な精神状態を維持しており、しごく落ち着いた口調で話しはじめる。
「……一応、茅ちゃんから聞いてはいますけど、理解度の確認のため、これから二人に質問をしていきます。明日の試験の範囲内から問題を出すので、答えを口頭で、あるいは、紙に書いて提示してください……」
 事務的な口調で前置きをすると、茅がいれた紅茶のカップを手にしただけの沙織は、ソラで一年と二年の、複数の科目から、何問かの応用問題を交互にしゃべりだした。
 荒野は比較的冷静に回答することができた。答えられる問題にはテキパキと答え、少し考えてわからない問題には、すぐに「わかりません」と正直に答えた。理解度を測るための問題なら、気負わず素直に答えられる問題だけを答えればいい……と、荒野は判断したのだった。
 香也の方はといえば、不慣れな状況に焦りを感じているのか、ところどころつっかえたりしどろもどろなりながらも、それでも懸命に沙織の質問に答えようとする。香也が答えにつまると、すかさず沙織は、
「それでは、これは分かりますか?」
 と、よりハードルが低い問題をだし、香也がどこまで理解をしているのか、正確に計測しようとする。
 四十分ほどそうした質疑応答を続けると、最初のうち、ガチガチに緊張していた香也の態度も、幾分か和らいできた。
 あ。うまいな……と、荒野は思う。
 沙織による質疑応答は、荒野や香也の理解度を測る以外に、より多くの会話を交わすことで、相手の緊張をほぐす……という効果もあるのか、と、荒野は理解する。
 香也は、沙織の顔ぐらい走っていたかも知れないが、実質的には今回が初対面である、といってもいい。実際に対面して会話を交わす……というのは、初対面の相手をリラックスさせるには、いい手段だろう。
 香也にしてみれば、次々と繰り出される沙織の問題に答えるのが精一杯で、当初気にしていた源吉の存在など、途中から、念頭から去ったようだった。
 ましてや、沙織はティーカップを掌で包みこんでいるだけの、手ぶらだ。
 目前の相手が教科書もノートも持っていない、ともなれば、「勉強をしている/させられている」という意識もかなり希薄になってくる。沙織の記憶力がなければ出来ない芸当だったが……視覚から受ける印象、というのは、これで心理的には、かなり強い。

「……お二人が今回の試験の範囲をどの程度理解しているのかは、だいたい、把握しました」
 一通りの質疑応答を終えた後、沙織は二人に向かってそう告げる。
「加納君の方は、理解している科目とそうでない科目との間に、かなり格差がありますね。
 こちらの狩野君の方は、細かいところまでは憶えきれていないようですが、基本的な重要事項は、かなり憶えているようです……」


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[つづき]
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彼女はくノ一! 第六話 (123)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(123)

「……ちょっ……。
 こ、香也様……。
 今日は……なんだか……すごっ……凄いですぅ……。
 あっ。
 また……」
 香也の下で、全身汗まみれになった楓が、ガクガクと震えはじめている。
 楓の上で蠢きながら楓を観察していた香也は、楓の股間に密着した自分の硬直が楓の秘裂の上部を通過する時に、楓の身体が小さくビクンと震えるのを確認した。
 ……そのあたりに、楓を気持ちくさせるポイントがあるらしい……と、香也は漠然と把握する。
「……こんなの、こんなの……」
 と譫言のようにいいながら、楓は下から香也にしがみついていた。
 そうしてしばらくすると、また、楓の全身が硬直した。少し硬直させてから、楓は、全身を震わせた後、がっくりと手足の力を抜く。
 香也の背や肩や腰に絡まっていた楓の手足も力を失い、そのまま香也の身体の上に重さを預ける。
「……もぅ……」
 しばらく、息を整えてから、楓は、照れ笑いを浮かべながら、拗ねた口調を形つくって香也にいった。
「香也様……狡いですぅ……」
 楓は、楓に奉仕をする暇を与えず、一方的に責め立てた事に、文句があるらしかった。
「……なんで……香也様の感触は……」
 こんなに気持ちがいいんでしょうね……と楓はいい、満ち足りた笑顔を浮かべて、もう一度、下から腕を回して香也の身体をぎゅっと抱き締める。
 そのままの姿勢で、楓は香也の身体に密着したまま、汗で濡れている香也の背中を優しく撫でさすっている。香也のといえば、滅多にしない激しい運動のせいですっかり息が上がっており、今でもぜはぜは肩で息をしていて、楓とまともに話せる状態ではない。
「……なんか……段々、よくなるんですよ?
 回数を重ねるごどに……こう、深いところから湧き出てくる感じで……」
 楓は、香也の背中を愛しそうに撫でさすりながら、そんなことを語っている。はっきりとはいっていないが、楓は「快楽」について話していた。
「……それより、香也様ぁ……。
 わたしはよかったですけど……香也様は……」
 楓の口調は、自然と媚を含んだものになっている。
「……香也様。
 この子、こんなにパンパンなのに……出さなくても大丈夫ですか?」
 そういって楓は、もぞもぞと腰を動かして、自身の局部と密着したままの香也分身を擦りあげた。
 香也のそこはすっかり怒張したままの状態にあったが、最初に楓の口の中に放っていたこともあって、不思議に硬直したままで、精がこみあげてくる感じは覚えていなかった。
 いまだ、酸素を体内に取り込むのに忙しい香也は、言葉で答える変わりに、ゆっくりと首を振る。
「じゃあ……今度は、わたしがサービスしますね……」
 そういって楓はもぞもぞと動き、香也の身体を布団の上に横たえ、その上に乗り掛かった。
「……あっ。
 駄目。
 ゴムを……」
 そのまま香也の分身を握り、自分の中に受け入れようとした楓を、香也が苦しい呼吸の下から、切れ切れに制止する。
「……真理さんが、いってましたもんね……」
 楓は、少し残念そうな表情を浮かべながらも、素直に香也の言葉に従って、一度香也の上から身をどけた。
 楓は基本的に真面目な性格をしており、「避妊をしっかりするなら」という真理が出した条件は、守るべきだと思っている。
「その……机の引き出しの中に、あるから……」
 香也が部屋の隅にある学習机を指さし、やはり切れ切れにいった。
「あ。
 はい……」
 楓は素直に香也が指さした机の引き出しを開き、中に入ったコンドームの箱をもどかしげに開けて、中からビニールに入った避妊具を取り出し、封を切った。
「……えっと……。
 こう……で、いいと思うのですけど……」
 そして、楓自身の体液で濡れて光っている香也の硬直を手にとって固定し、箱に入っていた「使用法」の紙を参照しながら、香也の先端から慣れない手つきで避妊具をかぶせはじめる。うまくかぶせられなかったり、中に空気が入ったりで、二枚ほど無駄にした後、三度目の正直で、三回目にようやくうまくかぶせることが出来た。今日はまだ一度しか射精しておらず、なおかつ、先ほどまで執拗に楓の身体に密着して蠢いていた香也の硬直は、不慣れな手つきで楓が避妊具をかぶせるための決して短くない短くはない時間も、硬さを維持していた。
「……これで……とっ……」
 楓は、香也の硬直を手にしたまま、中腰で香也の上にまたがり、避妊具をかぶせたばかりの香也のモノを、自分の中へと、ゆっくり、導いていく。
「……んっ。
 んっ。んっ……」
 座っている香也の上に跨り、目を閉じてゆっくりと腰を沈めていた楓は、自分の中に侵入してくる香也の感触に、吐息混じりの感歎の声を途切れ途切れに発している。
「……ふぁっ……あっ……」
 完全に香也の分身を飲み込むと、楓は、満足げな吐息を漏らした。
「……中が……いっぱい……。
 香也様ぁ……。
 いつもより、大きくなって……あふぁっ!」
 香也は、自分が埋没した楓の部分の上部をまさぐり、楓を一層反応させるポイントを指先で探った。
 楓が不意に声をあげた事で、楓自身の上部にある、こりこりした感触の、硬くなっている小さな突起を触れると、楓が反応する……ということを、香也は知った。
「……ふ、あっ……。
 あっ。あっ。あっ……」
 対面座位の格好で香也が楓の突起を指の腹で刺激し続けると、楓は、全身と香也自身を包んでいる部分を震わせる。
 特に、香也の分身を惜し包んでいる粘膜が、面白いように複雑な顫動を続けた。


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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(381)

第六章 「血と技」(381)

 結局、茅、佐久間沙織のほかに、香也、楓、孫子の三名を加えた大人数での下校となった。テスト期間中は原則として課外活動が禁止されているので、学年や所属している部活にかかわらず、下校する時刻は一致しているわけで……当然といえば当然の成り行きなのかも知れない。
「……まあ、詳しく聞かなくとも、おおよその察しはついたけどな……」
 歩きつつ、「昨日のいきさつ」とやらを聞いた荒野は、少しげんなりとした様子でそう感想を漏らした。
「……しかし、まあ……お前らも、飽きないよな……」
 と付け加えたのは、楓と孫子に対する当てこすりでもある。
 茅にも釘を刺されたばかりだし、荒野自身もまた、他人の色恋沙汰に好んで介入するほど酔狂ではないのだが、学校の昇降口で、香也を中心として三人で揉み合っている……という状態は、いささか目立ち過ぎる。
 いや、そろそろ、「香也」という存在も、校内的には「そういう人」と見なされていても、おかしくはないのだが……。
 香也自身がいかに目立たない生徒だっても、香也に纏わり付いている楓とか孫子の個性が、なにしろ強すぎる。この二人に公然と纏わりつかれている限り、 香也自身の意志と個性にかかわらず、香也の知名度も高まっている……と、考えてもいいのかも知れなかった。
 楓たちと話しつつ、ちらりと確認をしてみれば、沙織は、
「ね。茅ちゃん。
この子たちって、やっぱりそういう関係なの?」
 などと小声で茅に確認をしていたりする。
 沙織ににしてみれば、内緒話し程度に声をひそめたつもりなのかもしれないが……人並より少々敏感な荒野の耳には、囁き程度の沙織の声も、はっきりと聞き取ることができた。
 沙織と香也、楓、孫子は、荒野が知る限り、はっきりと名乗りあったりしたことはない筈だったが、何かと校内の事情に詳しい沙織なら、誰に紹介されなくとも三人のことを知っていてもおかしくはない。
 いや。
 例の学習システム構築の際、事実上、茅の片腕として活躍中の楓となら、沙織と接点があってもおかしくはないのだが……他の二人、香也と孫子は、沙織と直に知り合う機会は、なかった筈だ。
「……そっかぁ。
いろいろ、複雑なのね……」
 茅の簡潔な説明を聞いた沙織が、なんだか妙に納得した表情でうんうんと頷いている。
 荒野は、「沙織さんも、やっぱ女だな……こういう色恋沙汰の話題にはくいつくのか……」などと、ひどく凡庸な感想を抱きつつ、何故だか知らないけど、とてもいやぁ~な予感を覚えた。
「……ちょっとそこの狩野君。狩野香也君……。
って、ちょっとややこしいわね?」
 沙織は、やおら香也に語りかけてから、ちらりと荒野の方に視線をやっていい直す。
「音だけは同姓同名」という事実を重々承知している荒野の方は、特に感慨はない。
「茅は、こっちの方を絵描きと呼んでいるの」
 茅が、したり顔で沙織に説明をした。
「ええと……それじゃあ、絵を描いている方の、狩野君。
 話しは、大体のところ、把握しました。
 君は、イロイロな女性に囲まれて、イロイロと困ったことになっている……ということで、間違いはないのですね?」
 しごく真面目な表情で沙織が問いただすと、香也はぶんぶんと風切り音をだす勢いで、首を縦に振った。
「特に昨日は、その、そちらの松島さんと仲良くし過ぎたので、そちらの才賀さんが神経過敏になっている」
 沙織がそう確認すると、「仲良くし過ぎた」というところで楓の肩がビクンと震え、「神経過敏」というところで、孫子が何かいいたげに身を乗り出そうとした。
 荒野は、孫子が何ごとかいう前に孫子の目前に手を広げて孫子を制し、最後まで沙織の話しを聞くよう、身振りで示す。
「松島さんと才賀さんとの間で、絵を描く方の狩野君の取り合いが起こっている、ということですね。それで、狩野君の方は、今のところ、どちらかを選ぶつもりはない……」
 沙織は、とうとうと先を続ける。
 間違った理解ではないのだが、十全な理解でもない。香也を取り合っているのはこの二人だけではないのだが……校内のこと以外は把握する術がない沙織にとっては、そういう認識になってしまうのであろう。
 茅にしてみても、この場でざっとかい摘まんで説明をしただけだから、すべての情報を沙織に与える必要性を感じなかったのだろう。
 第一……常識的に考えて、香也のような地味な生徒が、この二人以外の少女たちにかなり情熱的に慕われている……というのは、流石の沙織にしてみても、予想外だったろう。
「……それでは、話しは簡単です。
 三人の関係については、三人が自分の見識で解決する問題ですから口を挟むつもりはありませんが……この試験期間中に限り、こっちの狩野君の勉強は、わたしが見ることにいたしましょう。
 そうすれば、無用の摩擦は回避されるし、狩野君の精神衛生上にも問題が少ない筈です……」
 続いて沙織の口から放たれた言葉は、まさに晴天の霹靂だった。少なくとも、香也、楓、孫子の三人にとっては……。
「……幸い、わたしも受験を終えた身で、時間はむしろ余っています。それに、卒業までの短い時間でも、やや落ちこぼれ気味の生徒を一人でも救えると思えば、むしろやり甲斐があるというものです……」
 普段の、むしろおとなしい印象のある沙織が、自信に満ちあふれた口調で滔々と語り出すと、香也は、露骨にほっとした表情をしはじめる。
「……それに、松島さんも才賀さんも、同じ学生の身。こちらの狩野君のことにばかりかまけているより、試験期間中は自分の勉強に専念するべきです……」
 最初、瞠目していた楓は、沙織の言葉を聞くうちに、かなりおどおどした様子になり、しきりに周囲に視線を走らせていていた。
「……才賀さん。そんなに怖い顔をしないの。誰も、あなたの狩野君を取りはしないから。
 この子、わたしの好みではないし……それに、別に二人っきりでする、ともいっていないから……」
 今にも沙織に食ってかかりそうな形相していた孫子に向かって、沙織はにっこりとほほ笑んで見せた。
 その後、沙織はやおら、それまで見物を決め込んでいた荒野に向かって、矛先を変える。
「……茅ちゃんから聞いたわよ、こっちの、加納君……。
 試験勉強を理由に、茅ちゃんをないがしろにしたそうね……」
 笑顔でそういった沙織の目が、笑っていなかった。
「……今後、そういう口実が使えないように、加納君と狩野君、二人まとめて、この先輩がみっちりと面倒を見ますから……」
 ……なんだか、予想外の方向に話しが飛んでいっていないか……などと思いつつも、荒野は、笑顔の沙織に気圧されて抗弁できないのであった。


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彼女はくノ一! 第六話 (122)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(122)

「ふぁ……。
 あっ。あっ。あっ……」
 香也が楓の内部に入れた指を動かすと、その度に楓は小さなうめき声を漏らした。感じている、というより、自分の内部で起こっている変化に戸惑っている、というようにも見える反応だった。
 どちらかというと香也は、「して貰う」ことが多いので、自分から積極的に相手を愛撫したり……という経験には乏しい。故に、こうして香也にいいようにされるのは、楓にとっても新鮮な経験となっている。
 また、香也にしろ楓にしろ、短期間のうちにかなり濃厚な経験を経ているので、性感はそれなりに開発されている。
 ……と、いうより、濃厚な経験を経ている割りには、二人とも妙に不器用なところがあり、普通なら経験している筈のことをしていなかったり、本来なら慣れている筈の刺激に慣れていなかったりする。
 ようするに、経験こそそれなりに積んできているものの、異常なシュチュエーションが多かったので、意外に「普通の行為」というのに、二人とも慣れていないのだった。成長パラメータがいびつである、ともいえる。

『……こんな風になっているのか……』
 楓の内部に指を侵入させながら、香也は、そんなことを思っている。自分の分身を何度となく差し込んだことはある箇所ではあったが、指でじっくりと探るのは、あまり経験がない。
 楓の内部はしっとりと濡れていて、香也の指を包み込みつつ、内壁が適度な弾力で緒しかえしてくる。漠然と想像していたよりも、かなり複雑な形状をしている……と、香也は思った。分身を入れている時は、圧力を受けていることくらいしか感じられないが……指を入れてみると、その内壁は、かなり複雑に曲がり、くねっていることがわかる。
 内壁の形状を確認するように指を這わせると、その度に楓が吐息をついたり首を振るわせたり……と、いちいち反応するのも面白かった。
「……やっ……。
 ダメ……。
 ……こんな……して貰うばかりだと……」
 大仰な嬌声こそ発していないが、楓の息は確実に荒くなっており、早くなった呼吸の合間合間に、そんな呟きを漏らしている。
 楓の反応をみて、香也は……静かに、楓の快楽の喫水が上がってきている……ということを感じていた。
 楓は楓で、一方的に香也に「される」ことに、何か、忸怩たるものを感じているらしかった。楓は……いや、実のところ、楓だけはないのだが……香也のことを、なんか、「世話を焼く対象」として見ているようなところがある。
 確かに……楓や孫子、それに、テン、ガク、ノリの三人組など、香也を取り巻く少女たちは、香也自身などとは比較するのも馬鹿らしくなるくらいの能力や容姿を備えている。しかし、だからといって……。
『……一方的に、なにかされるだけ、っていうのも……』
 香也にしてみれば、その関係の非対称性が、気にくわない部分もある。
 かといって、香也が彼女たちのために出来ることなど、たかがしているのだが……。
 香也は無言のまま、楓の中に入れた指の挿送を速くした。
 んっ。んっ。んっ。
 と、楓が香也の指の動きに合わせて軽く身をよじり、鼻息を荒くする。
 お返しをするつもりなのか、楓が、香也の下腹部へと腕を伸ばしてきたが、香也は腰を引いて楓の手を避けた。
 代わりに、指での挿送を続けながら楓の上に完全に覆い被さり、強引に口を塞ぐ。
 楓の口唇に舌を割り込ませる瞬間、「ふぁ」という楓の吐息が、香也の頬にかかった。かまわず、香也は楓の口の中に舌を割り込ませ、そのまま、楓の柔らかくて熱い舌を、自分の舌でまさぐる。頬にかかる楓の鼻息が、熱い。楓の口の中で舌を、楓の秘裂の中で指を、同時に動かしていく。密着している楓の身体が、すぐに、信じられないくらいに熱を持っていった。
 楓の体温の上昇に合わせるようにして指での挿送の速度を上げていくと、すぐに楓は全身をガクガクと震わせるようになり、それでも止めずに挿送を繰り返すと、楓は全身を硬直させ、しばらく、動かなくなった。
 楓の中から指を抜くと、香也の手指は楓の分泌した体液でぐっしょりと濡れている。楓の股間と陰毛も、同様に濡れていた。
 楓は、香也の下で、口を少し開いて、ゆっくりと胸郭を上下させている。香也は、楓の上に覆い被さりながらも、腕で自分の体重を支え、楓に負担がかからないように、しかし、正面から楓の身体に密着するような体勢を維持していた。楓の豊かな乳房が、香也と楓の胸の間で少し押しつぶされている。
 香也が自分の分身を楓の濡れた陰毛の上にあてがうと、楓は「ふっ」と息を抜いて、香也の肩と首に、両腕を回した。だらん、と香也の上に置く感じで、楓の両腕には力が入っていない。一方、香也の股間にあてがった香也の分身は、これ以上はないというくらいにいきり立って硬直していた。楓を責めている、という自身の行為と、楓の反応に、香也が反応した形だった。
 香也の両脚を開いてその間に自分の腰を割り込ませる形で、香也はその硬直した分身を楓の濡れた部分に押しつける。楓の秘裂に沿って、ゆっくりと上下に動かすと、香也の動きに合わせて、楓が「ふぅんっ。ふぅんっ。ふぅんっ。」と、吐息を漏らしはじめた。だらんと香也の肩に廻された楓の両腕に、すぐに力が込められ、香也と楓の顔がさらに近くなる。
「ふぅんっ。ふぅんっ。ふぅんっ。」と、吐息を漏らしながら、楓は、目を閉じて下から香也にすがりつく。
「……ず、狡いです……今日は。
 わ、わたしばかり……んんっ。こんな。
 はぁ。
 やっ。やっ。やっ。
 もう。また。
 もう、二回もいってるのに。んふっ。あはぁっ!」
 挿入しているわけではなく、表面に押しつけて前後している形だったが、直前に二度ほど軽く達しているせいもあってか敏感になっているらしく、楓は、充分に刺激を得ているようだった。
 その証拠に、気のせいではなく、香也の分身が擦れている部分の水気が増し、摩擦がスムースになっている。また、香也の分身があたっている部分が少しめくれて、陰毛の中にあるぬめり気のある襞が直接当たるようにもなっている。
 今や、楓の全身が熱くなっているのだが、香也の分身が当たっているソコは、他の部分にも増して熱を持っているように思えた。
「……楓ちゃんの……」
 香也は、楓の上で動くのを止めずに、ひどく率直なものいいをした。
「すごく、熱くなっている……」
 楓は、口で答えるかわりに両腕と両脚を香也の身体に巻き付けて抱きつき、自分の口で香也の口を塞いだ。


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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(380)

第六章 「血と技」(380)

 それなりに緊張感に包まれた中、無事に一時限目の試験を終え、休み時間に入ると、何故か茅が荒野の教室を訪れてきた。
「どうした?」
 廊下から自分に呼びかける声に振り向き、そこに茅の姿を認めた荒野は、少なからず驚き、慌てて廊下にまで出て茅に声をかける。
 荒野以外の生徒たちも、試験中に訪問してきた下級生の姿を物珍し気にみている。荒野自身もそうだが、今では茅もかなり、「校内での有名人」ということになっている。茅とは学年が違う、ということもあり、普段、学校にいる時に行き来して会う、といいうこともほとんどなかったので、それなりに注目を浴びるのも不思議ではない。
「二年の試験問題を、見せて欲しいの」
 突然の来訪を訝しむ荒野に、茅はそう説明する。
「すぐに、模範解答を製作してサーバにアップするから……」
 荒野が反応するのよりも早く、それとなく様子を伺っていた周囲の野次馬連中から「おおっ」と小さなざわめきが起こる。
 そういうことか……と納得しながら、荒野は慌てて自分の席にとって返し、今し方机の中につっこんだばかりの問題用紙をとって廊下に戻る。
 荒野から問題用紙を受け取った茅は、ポケットから赤のフェルトペンを取りだし、廊下の壁面に用紙を押さえつけ、その場で問題用紙を一瞥すると、そのまま直接、答えを書き込んでいく。大雑把な走り書きに近い乱雑な動きだったが……。
「……あってるよ……」
「あっ。
 そこ、そうだったのかっ!」
 いつの間にか、茅や荒野を取り囲んでいた連中が、茅が書き込んでいた「正解」を見ながら、ざわめきはじめる。
 つい今し方、自分たちが一時限をかけて答えを埋めた問題を、下級生がさらさらと片手間に解いている現場に居合わせた荒野の同級生たちは、この状況の不自然さに驚くよりも、茅が示した解答と自分の解答とをつつき合わせることの方に、より熱意を持っているようだった。
 ものの三分も関わらず上級生の試験をその場で解いてみせた茅は、出来上がった「模範解答」を荒野に両手で掲げさせ、携帯電話に付属しているカメラで撮影、そのままメールで学校のサーバに転送する。
「茅ちゃん。
 これ、三年生の分ね……」
 茅が持参した一年の分の「模範解答画像」も同様にメールで転送していると、いつの間にか佐久間佐織も来ていて、茅に朱の入った一枚の紙を手渡す。これで、茅の分の一年、荒野の分の二年、沙織の分の三年……つまり、全学年分の試験問題と模範解答が揃ったことになる。
 沙織は、荒野への挨拶もそこそこに、すぐに自分の教室へと帰っていく。何しろ、休み時間は短い。ゆっくりと世間話しをするような余裕もないのだった。
 一方の茅はといえば、沙織が持参した三年生の試験問題もすぐさま写メール転送し、
「次の休み時間も来るから」
 と荒野に告げ、佐久間佐織と同様、足早に廊下を去っていった。
 時間の余裕がない、という条件は、一年生の茅も変わりなかった。

 そんなやりとりが休み時間のたびに繰り返され、その日、予定されていた試験をすべて消化する頃になると、
「……やっぱり、加納の妹は、ただ者ではない……」
 という認識が、荒野のクラスメイトの中で自然に共有されていた。
 その認識は、さほど時間をおかず、もっと広い範囲で共有されてしまうのだろうな……と、荒野は漠然と予想したが……そもそも、今までだって茅の異能を隠そうとはしていなかったわけで……今更のように、注意したり警戒したりしても遅いか、という気持ちもある。
 茅が自分の能力を、善用しかしていない……というアピールを欠かさないせいか、今のところ、当初予想していた「一般人の拒否反応」は出ていない。
 いや。
 今の時点では、ただ呆気にとられている段階であり……今後、茅の存在に周囲が慣れはじめると、本格的な排斥が起こりはじめる可能性は、まだまだ充分に残されているのだが……。
 それでも……。
『……希望は、あるよな……』
 荒野は、現状をそのように判断している。
 これは半ば、自分自身に言い聞かせているわけだが……。

 学内の期末試験、二教科分と、偏差値を割り出すための業者テスト二教科分を終えると、その日の予定はすべて終了だった。
 荒野から二年生の問題用紙を貰うために教室にやってきた茅は、当然のことながら、上着を着て鞄を持ち、つまり完璧に帰り支度をしている。試験期間中は部活をはじめとした課外活動は一切禁止されている。
 そのため、茅にしても、いつものように下校時刻ぎりぎりまで居残ることは出来ず、自然と、「一緒に帰ろう」ということになった。
「なんなら、一緒にどうです?」
 荒野は、今までの休み時間と同様、三年生の試験問題を渡しに来ていた佐久間佐織に、そう声をかける。沙織も、茅と同じように、帰り支度をしていた。
「いろいろとお世話になってますし、よかったら軽くメシくらいご馳走しますけど。うちで……」
 なんだかんだで、主に茅経由で、沙織にいろいろと負担をかけているようだった。沙織は、さして苦にしている様子もないのだが……だからといって、礼をしなくてもいい、ということもないだろう。
 ちょうど昼食の時間でもあることだし、茅と一緒に、三人で連れ立って歩いていけば、外聞的にもあまり問題がない……と、荒野は考える。
 沙織は、確認するようにちらりと茅に視線をやると、茅は、
「二人分を用意するのも、三人分を用意するのも、変わらないの」
 と頷く。
「そう。
 じゃあ、せっかくだし、寄らせて貰おうかな?」
 沙織は、自然な微笑みを浮かべてそう答えた。

「……なにをやっているんだ、おま……」
 荒野は、昇降口で静かに揉み合っていた三人に、そう声をかける。
 実のところ、「お前ら」と声に出しかけてあわてて飲み込み、
「……君たち……」
 と、慌てて訂正する。
 困惑顔の狩野香也の左右に松島楓と才賀孫子がとりついて、静かに火花を散らしているようだった。
 なんか……聞かなくとも、だいたいの事情は容易に察せられる光景であり、面子でもあった。


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彼女はくノ一! 第六話 (121)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(121)

「え?
 は、はい……ひゃんっ!」
楓の答えを待たずに、香也は楓の胸に顔を埋めた。むしゃぶりついて胸の谷間に顔を埋めた状態で、香也は、首を左右に振って楓の感触を楽しむ。押し返してくるようあ弾力が適度にありつつ、むにゅっと柔らかい。香也が経験して来た女性の中では、楓が一番豊かなバストの持ち主であり、それをこうして自由にできるということは、比較的おとなしい香也にしてみても、征服欲じみた感情を満足させる快楽を感じてしまうのだった。
「ちょっ。んっ。もう少し、優しく」
楓は、口では香也を抑制するようなことを言っているのだが、呼吸が弾みはじめている。口でなんと言おうとも、両腕と両足を香也の首や胴体に巻き付けているところからも、楓が香也の行動を歓迎していることは、明白である。
楓の胸の柔らかさをひとしきり堪能した香也は、今度は少し顔を離して、楓の乳首に軽く歯をたてた。
「んんっ!」
さして力をいれて噛んだ訳ではないのだが、それでも、楓はすぐに反応して軽く首をのけ反らせ、数瞬、身体を硬直させる。
「……はぁ……はぁ……」
軽い硬直の後、香也の首や胴体に巻きついていた楓の腕や脚から、不意に力が抜けた。
『……あっ……』
少し焦点が合っていない目をして、照れたような表情をした楓がぼんやりと自分の顔を見上げて来たので、香也は、どうやら楓が、軽く達してしまったらしい……ということに、ようやく思い至った。
『まだ……たいしたことしていないのに……』
短期間に濃厚な経験を積んで来た香也ではあったが、たいていはかなり特殊な状況下のことでもあり、じっくりと女性の反応を観察するような余裕は、これまでに、あまり持てなかった。さらにうと、「誰かにしてもらう」という受動的な経験がほとんどであり、香也の方から積極的に責める、ということも、これまでにあまりしてきていない。
メンタルな要因で感度があがることもある、という知識も、香也は持っていなかった。
直下から濡れた瞳で楓に見上げられた香也は、そのまま顔を下げて楓の口唇をふさぐ。
少し脱力していた楓の四肢が素早く反応し、香也の身体を、背中や腰をまさぐりはじめた。口の中で舌同志を絡ませつつ、楓はもどかしげにまだ残っていた香也の衣服を手探りで剥がしにかかる。香也も腕を動かして脱がせやすいようにする、などと、楓の動きに協力しつつ、楓の衣服を手探りで剥とった。不器用な手つきでまとわりついていた邪魔なブラを外し、もどかしげに楓のベルトを外し、両脇からジーンズの腰に手をかけて、下着ごとずり降ろす。楓も香也の意図を察していて、軽く腰を浮かせて香也の動きに協力した。
周囲に衣服を脱ぎ散らかして全裸同志になった二人は、すぐにぶつかり合うようにして、この日何度目かの抱擁を行った。できるだけ隙間を作るまい、とでもしているかのように、身体をぴったりと密着させ、手足で軽く汗をかきはじめたお互いの皮膚の表面を撫でさすりあう。
「……あっ……」
楓の表面に手を這わせていた香也は、楓の股間に指が到達した時、軽く声をあげてしまった。
その部分の楓の体毛に、予想外に濡れていることに気づいたのだ。
「……やっ」
楓は、香也が何か口にする前に、股間にある香也の手指を太ももで挟むようにして、香也の動きを封じようとした。
おそらく、そこが反応している、という香也に事実を知られたことに対する照れ隠しで反射的にそうしてしまったのだろうが、楓のその行動により、結果として香也は楓の股間から手を離せなくなってしまう。
しかたがなく、香也はそのまま楓の股間に密着したままの手指を、むずむずと不器用に動かした。
「……んっ……んっ……」
特に力を入れている訳ではないのだが、適当に動かしているだけで、楓の口から声が漏れはじめる。
……こうすると、こうなるのか……と、香也は、なんだか冷静な気分になって楓の反応を至近距離から観察していた。
「する」というより「される」ことの方が多く、なおかつ、あまりゆっくりと相手の反応を伺えるほど余裕のある環境で行為をする機会にも恵まれない香也にしてみれば、こうしてと相手のの変化をじっくりと観察するのも新鮮な経験だった。
香也は楓の顔に視線を固定し、表情の変化をしっかりと観察しながら、楓の陰毛をかき分けるようにして恥丘を指先でさぐる。陰毛が湿っている部分を重点的に責めていくと、楓の息が乱れがちになることには、すぐに気がついた。
楓の反応する方に、する方に……と、指を這わせていくと、自然、香也の指は、楓の中心部、湿り気の供給源へと向かっていくことになる。
香也が楓の秘裂に沿うようにして指を上下するようになるまで、さほど時間を必要とはしなかった。また、そこまでくると、何かの拍子に香也の指が楓の内部にまで潜り込みむのも、必然的ともいえた。
楓はすぐに香也の行為を受け入れ、しばらく、目を閉じて陰毛をかき分けて自分の中心部を上下に往復する香也の指の感触を楽しんでいた。一度軽く達した直後で体中が敏感になっていたし、それでなくとも楓は、香也に触れられると、自分でも怖くなるくらいに反応してしまう……という自覚がある。
下手に抵抗したり、あるいは逆に素直に「感じている」という事実を表に出したりしたら、香也に変に思われるのではないか……。嫌われる、とまでいかなくとも、はしたない娘だと香也に思われ、軽蔑されるのではないか……という恐れもあり、楓は自分の反応を意志の力で抑制し、必死に「感じてはいない」振りをし続けていた。
実際には、不定期に起こる楓の身体の痙攣や、あるいは、眉間にかるく刻まれる皺や口周辺に現れる緊張の度合いなどを観察することによって、香也は、楓がきゅっと目を閉じていても、かなり正確に楓の反応を把握していたのだが……。
むにゅ、と、力の加減を失敗したのか、香也の指が楓の秘裂の中に潜り込むと、楓は、「んひゃっ!」と奇声を発して身体をビクビクと震わせ、それまでとは比較にならないほど大きく反応した。
楓のソコはすでに隠しようもなく反応しており、適度に濡れているばかりではなく、周囲の筋肉も適度に弛緩して香也を受け入れる準備を完了していた。
上下に動かしていた香也の指が、指の中腹からずっぽりと楓の襞の中に埋没してしまうと、香也のしばらく身体を震わせている楓をきょとんとして見ていたのだが、すぐに楓の反応を、「感じているもの」だと看破し、楓の中にのめりこんだままの指を、抜かずにそのまま中で折り曲げた。
内部に侵入した香也の指が、抜かれないまま形をかえると、楓の喉から「むひゅうっ」としか形容のしようがない声が漏れた。



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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(379)

第六章 「血と技」(380)

 期末試験初日の教室は、やはり、普段とは違う緊張感に包まれていた。いつもはあまり勉強や試験などに真面目に取り組んでいるようには見えない連中までもが、一応はノートや教科書を開いて真面目な顔をしている。クラスの三分の一くらいが、玉木ほどは酷くはないが、一目で寝不足と分かる血色の悪い顔をしている。
 現実的に考えても、試験の直前だけそんなことをしても、たいして知識は頭には入らないのではないか……と、荒野にしても思うわけだが、それでも、教室内に充満しているピリピリとした緊張感までは否定できない。
「なあ、いつもこんな感じなのか? 試験前って?」
 とりあえず、荒野は近くにいた飯島舞花に話しかけてみる。
 樋口明日樹は玉木ほどで極端ではないにしろ、緊張と疲労の色がはた目にそうとすぐわかるほどに色濃く、なんとなく話しかけづらい雰囲気を漂わせているし、才賀孫子はというと、色々な意味で例外的な存在であり、「日本の平均的な学生」としての参考意見には、なりがたい気がする。
「……だいたいは、こんなもんだと思うけど……」
 飯島舞花は、軽く首を振って教室内をぐるりと見回した後、荒野にそう答えた。
「今までは、もう少し、なんていうか、ポーズだけとか急場しのぎな感じのが、多かった気がするけど……今回は、流石に切羽詰まった感じのが……」
 ようは、「生徒たちの様子が、今までに比べると、心持ち真剣味が増して来ている」ということらしい。
「……まあ、実際問題として、今回の試験の結果くらいから、本格的に志望校の絞り込みがはじまる訳だから、緊張するのもわかるけど……」
 実は細かいところまで気が回る、という側面も持ち合わせている舞花は、日本の事情にまだまだ疎いところがある荒野に向けて、そう付け加えることも忘れない。
「ああ。受験、ね……」
 荒野は、軽く頷く。
「……そうか……。
 今ごろの成績から、もう志望校が決まっちゃうのか……」
「いや、決まっちゃう、ってわけでもない……と、思うけど……」
 舞花は苦笑いを浮かべつつ、補足説明をする。
「……これから先、全国的に同じ学年の人たちが一斉に、一生懸命勉強していくわけだし、そうなると、偏差値の方も上、げづらくなっていく。ほら、偏差値って、相対評価だから……。
 だから、三年になる前に、少しでもって焦りが出てくるんじゃないかな?」
「……その理屈でいうと、もっと前……それこそ、一年の頃から、計画的に学習して必要な知識を詰め込んでいくのが、一番合理的な方法なんじゃないかな……」
 舞花の説明に頷きながらも、荒野はぽつりと思ったことを素直に口にした。
 受験に必要とされる情報の「量」は限定されているわけで、三年ほどの猶予期間があれば、多少、量的に膨大でではあっても、計画的に頭の中にたたき込むことは、荒野の基準からしてみれば、さほど無理な仕事だとも思えなかった。
「それ、正論は正論だと思うし、実際、よその進学校とか塾ではそういうのを当たり前にやっているのかもしれないけど……」
 舞花は、苦笑いを浮かべながらゆっくりと首を左右に振る。
「あいにくとここは、進学校でなんでもない、片田舎ののんびりとした学校なんだ……。
 そういう、しっかりした目的意識をもった人は、いないとはいないけど、ごく少数だと思う……」
 そんなものか、と、荒野は納得することにした。
 どんな国にいっても、教育や収入についての地域格差というのは存在する。荒野はまだ日本での「そうした感覚」について、あまり鋭敏ではなかったが……「貧しい」とはいえないものの、これといった産業もなく、お世辞にも景気がいいとはいえない……というこのあたりの実態を考えてみれば、現状で子どもたちの境遇もそれなりに想像がつくというものだ。
「……あと、ね……」
 舞花が、荒野の耳元に口を寄せて、小声で囁く。
「時期的ってもの以外に、茅ちゃんがはじめたアレ、案外、起爆剤になっているらしい。
 それまでになかった競争心を煽っているっていうか……」
 荒野は軽く背をそらして、舞花の顔をまじまじと見つめる。
「そう……なのか?」
「そう」
 舞花は、結構まじめな顔をして頷いてみせた。
「だって、ほら……あんまり受験とか勉強とかに興味ない人も、あんだけ真剣になっているし……」
 舞花はそうっいって、教室内をぐるりと腕で示して荒野の視線を誘導する。
 舞花のいう、「茅ちゃんがはじめたアレ」とは、茅が中心になって学校のサーバに構築した学習システムのことだった。その機能の一部である、携帯を利用した英単語記憶ゲームのスコアを競うことが、一部でちょっとしたブームになっていることは、荒野も何度か目の当たりにして実感してはいたが……。
「だって、あれ……はじめてから、まだ、いくらもたっていないだろ?」
「でも、開発途中からデータをどんどん公開しているし、資料整理とかの作業を手伝っている生徒も、以外に多い」
 戸惑ったような声を出す荒野に、舞花は指摘した。
「今では、学年とかクラスの垣根を越えて、かなりの生徒がなんらかの形で協力しているし……」
 実は、茅が構築したシステムの小テストの点数を、クラス対抗とかクラブ対抗、あるいは、個人対個人で競い合うような風潮も、出はじめている……と、舞花は教えてくれた。
「この辺は、あれ、真面目な学校の勉強というよりも、本当にゲーム感覚なんだけどね……」
「そう……だったの、か……」
 荒野はうめき声交じりに嘆息した。
 校内での茅の影響力は、今では、荒野が想像していた以上に膨れ上がっているらしい。
 三学期開始と同時に転入して来て、ごく短い期間でこの有り様である……ということを考慮すると……。
『……このまま放置して……』
 何年か、茅にやりたい放題にさせておくと……結果として、茅は、一般人社会に対して、とんでもない影響を与えてしまうのではないか……。
 漠然と、荒野はそんなことを考えはじめる。
 例えば、事態がこのまま推移して、後何年かして、この学校の卒業生が、社会に出てそれなりの地位についたとしたら……その時まで、茅が、周囲への影響力を増大し続けたとしたら……。
 荒野は軽い目眩と、それに、背筋が震えるような感覚を同時に感じた。
 それが、戦慄によるものなのか、期待によるものなのか、荒野自身にも判然とはしなかったが。


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