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彼女はくノ一! 第六話(102)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(102)

 いつの間にか、荒野が新参者のイザベラやホン・ファに向けて、現象が学校に乱入してきた時の話しをしはじめていた。
 香也にしてみてもその場に居合わせていなかった出来事であり、荒野の話す内容にもそれなりに興味はあったのだが、その出来事があった時、さて自分は何をやっていたか……ということを思い返すと、荒野の話しに聞き入ることが心身的に可能な状態にはないのであった。
 ……特に、下半身が。
 既にパンパンに膨れ上がっていた香也のその部分は、楓と孫子が競うようにして股間のジッパーを押し下げ、開いたことで、ピョコンと外に飛び出た。
 その勢いを予期していなかった楓が、「きゃっ」と声を上げそうになるが、危ういところで自分の口を掌で覆い、そっと周囲を伺う。
 幸い、みんな荒野の話しやテレビに夢中であり、楓の挙動に異常を感じ、こちらに振り返った者はいなかった。
 香也は背を丸めていたし、楓と孫子が事あるごとに香也にひっつくのは今となってはごく普通の光景だった。だから、居間に居合わせた人々は、一体となって固まっている三人の様子を特に訝しがることもなく、ごく普通の光景として認識しているらしい。

 しかし、炬燵布団の下では、香也のナニを巡って熾烈な戦いがはじまっていた。
 先程、楓と孫子は同時に香也の股間に手を延ばしていた。当然、二人の手は、そこで触れ合う。すなわち、楓と孫子は、この時点でお互いに、二人して香也を身体に刺激を加えていたことに気づいた、というわけで……香也にとっては迷惑この上ないことに、二人は、競うようにして、香也が感じそうな部位を手で探りはじめる。
 香也の方は、二人に挟まれて肩を密着しているのと、現在の時点で既に股間を全開にして、炬燵の中で自分の分身を露出させている状態であり、即座に立ち上がって逃げるさえ容易に出来ない。
 さらに加えて、現在では、素早く現状を把握した楓が孫子の手の動きに打ち勝って、しっかりと香也の分身を握り締めている。
 日常の場では、どちらかといえば控えめな楓は、有事の際には驚くほど大胆な決断を下し、果敢に行動に動かす側面もあった。楓にとって……香也の(下半身も含む)を巡る争奪戦は、十分に「有事」と呼ぶのに値した。楓の心境としては、香也と「二人きりでない環境下において」性的な雰囲気に流れる、または流れそうになる、というのは、「臨戦態勢に移行する」のとほぼ同義であり、当面の対抗者が孫子であれば、なおのこそ遅れをとる訳にはいかなかった。
 とっさに香也自身を握りしめた楓は、熱さと硬さに戸惑ったのもつかの間、すぐに「今、自分が成すべきこと」を意識し、そっと香也の肩に頭を寄せ、分身の輪郭を両手の指先で確かめるように、まさぐる。
 楓は忙しく思考を回転させ、今、この場で香也に必要なのは何なのか……を、賢明に想像しようとした。
 考えるまでもない。
 今、香也が本当に必要としているのは……楓の手の中ですっかりいきりたっている香也の分身の硬直を解きほぐし、香也に行動の自由を与えることだった。
 問題なのは……。
 楓は、さりげない動作で周辺を見渡す。
 問題なのは、今現在、この居間には、香也と楓以外にも、大勢の人間がいる、ということだ。

 香也は男性だし、香也のいきりたった男性を小さくするためには、一度、欲望を発散させる必要がある。楓のあまり豊富とはいえない知識と経験によっても……いくら、炬燵に香也の下半身が隠れているとはいえ、これだけの人数が居合わせる中で香也がこのまま欲望を解放したら、少なからずそうと気づく人物も出るのではないか……といったことを心配する程度の理性は、残っていた。
 薬物の影響に流された過去の事例とは違い、今回の楓は、比較的冷静である。
 楓は、ちらりと横目で香也を挟んで反対側の肩に頭を寄せている、孫子の様子を伺う。
 楓に機先を制された形の孫子は、香也の肩に頭を預けながら、何故か、うっすらと頬を染めていた。

 孫子は、間一髪のきわどい差で、香也の分身を楓の手に奪われた形となった。
 やはり、とっさの際の動きに関しては、孫子よりも楓の方が素早い……と、認めざるを得ない。
 しかし、そこで全てを諦めるほど、孫子は殊勝な性格をしていなかった。炬燵布団の下で香也手首を探り、握り締めて、自分の大腿の上に導く。
 香也の掌が孫子の腿の肉の上に置かれると、香也が、微かかに身震いをした。痩せて見えるようで、孫子のその部分は、確かに香也の掌を押し返す弾力を持っている。
 孫子は、微かに腰を持ち上げて、下半身が炬燵布団に隠れているのをいいことに、履いていたスカートを大きく捲りあげて香也が触り易いようにした。この日、孫子が履いていたスカートは裾が膝前後に届く程度であり、加えて、比較的タイトなものだったので、この場で香也に自由に自分の下腹部を触らせるのには、捲り上げるのが一番手っ取り早い……と、孫子は判断した。
 孫子は、的確な判断力とその判断を即座に実行させる果断さを持ち合わせており、なおかつ、香也の温もりを欲している気持ちもあった。
「……ねぇ……」
 孫子は、香也の手を取って自分の股間に導きながら、頭を香也の肩に寄せて、香也の耳にだけ入る小声で、そう囁いた。
「……好きに触って……ください……」
 小さな声だったが、ねっとりと媚態を含んでいた。

『……あっ……』
 ひとしきり、香也の輪郭を確かめるように指を這わせた楓は、心中で感嘆した。
『……大きい……。
 それに……』
 こんな形をしているんだ……と、楓は思った。
 今まで、幾度か関係を持っている訳だから、香也のソコの形状について、楓が知らない筈がない。しかし、行為の最中はいつだって無我夢中で、心理的に余裕がなかったのも確かな事であり……これほど冷静に、ゆっくりと香也のそこをまさぐるのは、楓にしてもほとんど初めてのことだった。
 楓は、自分の指の中でビクビクと脈うっている香也を感じながら、次第に、静かな興奮を覚えはじめていた。
 



[つづき]
目次

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HONなび


Comments

再開おめでとうございます。
お忙しいかと思いますががんばってください。

  • 2007/10/01(Mon) 10:29 
  • URL 
  • #-
  • [edit]

再開おめでとうございます、心からお待ちしておりました。
決して無理をなさらずに、がんばってください。

  • 2007/10/01(Mon) 15:22 
  • URL 
  • おいっさ #s0SuvGcs
  • [edit]

毎日、過去Logを読み返していました。
が、本日最新更新を確認しうれしく思います。
これからも続投楽しみにしています。
無理はなされず、気ままな形でよいですから
これからも、くの一ちゃんとスナイパーちゃんの
活躍をたのしみにします。

  • 2007/10/02(Tue) 00:01 
  • URL 
  • #-
  • [edit]

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