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第二話 ライバルはゴスロリ・スナイパー!?(0)
「あのさぁ」
不意に背後から聞こえた声に、当然、才賀孫子は振り返って対処しようとした。
が、どうしたことか、体は孫子の意志に逆らい、ピクリとも動かない。
孫子は、眼下の狩野家に標準をつけた姿勢のままで、凍り付いていた。
「ここ、加納所有のマンションなんだよね。当然、それなりのセキュリティがあるって、少しでも考えなかった? あと、今、君、全然動けないでしょ? それ、背中から針打ったためだから。同じスナイパーでも、君がデューク東郷だったら、もう少し背後に気が配っていたと思うけどね。それでなくても狙撃するときは神経を集中させるんだから、事前にもう少し入念に下準備しないと。それから、ここ、日本。その改造ライフル、明白に銃刀法違反だから、おまわりさんに見つからないうちにおれが没収しとくね」
加納荒野は、瞼一つ動かせない孫子の手から、ひょいとライフルをもぎ取った。
「うわ! 改造かと思ったら、これ、カスタム・メイドじゃん! すっげぇな、こりゃ。造りが凝っていて、高性能。その分、メンテナンスに手間がかかりすぎる気がするけど……条件がよくて腕がいい人なら、二キロ以上先の的にでも当てれるじゃないのか、これ?」
『……わたしなら三キロ以上先でも当てられるのですわ……』
フリーズしたままの孫子は、心中で呟いた。こうして完全に荒野に制圧されている身であれば、はっきりいって負け惜しみ以外のなにものでもない。
遠慮なしにライフルの弾倉から弾丸を抜き、あちこちを弄っていた荒野は、狙撃をする姿勢のまま固まっている孫子の隣で、子供のような歓声をあげている。
「……なるほどねー。
コストパフォーマンス無視して性能追求一直線、って設計思想かぁ……。メンテナンスも面倒くさそうだし、実用的ではないけど、面白い銃だね。
これだけの代物だと、使う人間もかなり絞られるなぁ……。
今の日本で、ここまで凝ったライフルの使い手っていうと……ひょっとして、才賀?」
身動きできないまま、孫子のこめかみに、たらり、と一筋の冷や汗が流れる。
「まあいいや。後で才賀のじっちゃんに直接確認してみよう。
一応、おれも加納の直系だからさ、才賀のじっちゃんとは顔見知りなんだわ」
そういって初めて、孫子の視界の中に、気配を感じる隙もなく孫子を拘束した男……いや、少年が、姿を現した。
「おれ、加納荒野。
おれの名前を知らなくても、こういう特殊なライフルもっているくらいなら、加納の名前くらいは聞いたことがあるでしょ? 君自身にも、もちろんそれなりに興味はあるわけだけど、その前に、君が狙撃しようとしていた人の家に一緒にあやまりにいこうね」
プラチナ・ブロンドの少年は、才賀孫子の目をまともにのぞき込んで、笑顔を作った。しかし、その目は、笑っていなかった。
加納荒野と名乗った少年は、無造作に才賀孫子の襟首に手を伸ばし、軽々と持ち上げて、相変わらず自分の意志では動けない才賀孫子の体を片手で軽々と持ち上げ、肩に担いだ。
そして、普段は閉鎖されているマンションの屋上から階下に降る階段のほうへと、歩いていく。
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つづき]
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