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彼女はくノ一! 第六話 (154)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(154)

「それで、今日はどうでした?」
 夕食の席で、楓が香也に尋ねてきた。
「……んー……」
 香也は少し考えてから、返事をする。
「昨日と、あんまり変わらなかった……」
 あくまで、「香也にとっては」違いはなかった、ということだったが……。
「……はぁー……」
 基本的に素直な性格の楓は、すぐに納得して頷く。
「そうですかぁー……。
 でも、佐久間先輩がついていれば、安心ですねー……」
 悩みがない二人であった。
『……この子たちは……』
 そのすぐそばで、孫子は一人難しい顔をしている。
 香也はともかく……楓までもが、こうも、まるっきり、これっぽっちも、先のことを想像も警戒もしていないのか……ということを、孫子は最近いらだちを感じはじめていた。
 何事につけ、将来を見通して、周到に準備を行い、対策を練る……という計画性を自らに課している孫子にとって、楓のような無防備さを目の当たりにするのは、あまり快いことではない。孫子には珍しく、楓の「戦力としての優秀さ」を認めているからこそ、なおさらいらだちが募る。なんで自分の力を自覚し、それをより効果的に使おうとしないのか……。
 楓なら、孫子のような計算や準備を必要とせず、たいていの局面は自力で切り抜けてしまう……ということがわかっているから、なおさら腹立たしい……。
 孫子自身は、客観的にみて、計略や銃器の力を借りて、ようやく「並の術者」と互角にやりあえる程度の「戦力」でしかない。一方の楓はというと、荒神との接触以来、潜在的な素質を短時間のうちに開花させ、今では一族の中でも第一線の者たちと並ぶの戦闘能力を獲得しつつあり……その差は、開くばかり……という焦りもあった。
 もっと根本的な部分で、香也が「一番自然に接している」のが楓であり、しかも、そのことを楓も香也もあまり意識していない……ことに、孫子は一番いらだちを感じている。
『まったく、この子は……』
 自分が、どれほど恵まれているのか、自覚もせず、自覚しようともせず……。
 謙遜しているのではく、自分が強者であることを絶対的に自覚していない強者……というのも、実際にすぐそばにいると、これでなかなか、腹立たしい。
 さらに、困ったことに……孫子は、楓個人の性格は、決して嫌いではないのであった。
 素直で、なんの計算も打算もなく、自分の感情を隠そうともしない……ようするに、孫子とはまるで正反対の性格、といえたが……だからこそ、孫子は、そうした自分にはないまっすぐさを、好ましいものと思っていた。
 香也とのことを考慮しても、孫子からみた楓とは、立ち位置的には、いくら憎んでも飽き足らない相手……であっても、おかしくはない。
 しかし、実際の楓は……孫子の目か見ても、どこにも憎める要素がない……あまりにも、善良な存在であり……。
 そのギャップは、結局孫子の内面へと跳ね返ってフラストレーションとなってのしかかってくる。
 確かに、この頃の孫子が楓に感じていたのは、卑近な慣用句を使用するのなら、嫉妬ということになろう。しかし、その嫉妬の内実はというと……幾筋もの要素が複雑に絡み合っていて、ときほぐすのも容易でない。
 さらに救いのないことには……自らを軍師をもって認じている孫子は、明晰な思考能力を持ち、かつ、自分の身辺周辺の事物を分析する性癖もあり……つまり、自分の内面に澱んでいるどろどろとしたものが何に起因するのか、しっかりと見据え、明確に意識化していたことだった。
 あくまで無自覚な楓と、あくまで自覚的な孫子……という両者の性格の差が……それ以上の格差を、うみつつあった。
 誰が悪い……ということも、なかったのだが……。

「……それでは香也様。
 お風呂からあがったら、もう少し復習しましょうか……」
 孫子の葛藤に気づく様子もなく、楓は香也に向かって、無邪気に笑いかけている。
 楓はそのまま立ち上がり、食べ終えた食器を片づけに入った。すでに食事を終えていた孫子も、楓に倣って後片づけに入る。
 テン、ガク、ノリの三人は、お互いに目配せをしあうと、そっと立ち上がって自分たちの食器を台所へと持っていった。食器洗いには人数が多すぎるくらいだったので、そのまま三人連れだって、自分たちに与えられた部屋へとと向かう。
 そして、部屋に入るなり、三人で額を寄せあうようにして、こそこそと話し合いを開始した。
「……見た?」
 と、ノリ。
「見た見た。 
 やっぱり変だったよね。
 孫子おねーちゃん……」
 これは、テン。
「だからいったでしょ?
 この間も、お風呂で大変だったんだから。
 孫子おねーちゃん、取り押さえてるの……」
 これは、ガク。
「やっぱあれかな?
 楓おねーちゃんが、最近、なにかと勢いづいているから……」
「あまり認めたくないけど、おにーちゃんともいい感じだし……」
「孫子おねーちゃん、昨日もかなり焦っておにーちゃんに迫っていたし……」
 三人はおのおの勝手にいいたい放題にしゃべりはじめる。
「……佐久間の術を使いこなせれば、人の心も読めるそうだけど……」
 しばらくわいわいしゃべりあった後、おもむろにテンが顔をあげ、太いため息をついた。
「……心なんか読めなくても、これだけ煩わしいのに……」
 テンの言葉に、ノリとガクの二人がうんうんと大きく頷く。
「プログラムみたいに、理屈では割り切れないからねー……」
「……変数が複雑すぎて、予測がつきません……」
 複雑な人間関係、というのも、この三人にとっては、ここ最近になってはじめて遭遇する代物であり……そうした未知の問題に関しては、三人でよく話し合って対策をとることになっている。
「おそらく、孫子おねーちゃんも頭ではわかっていると思うんだ。もともと、冷静な人だし……」
「わかっちゃうから、かえって感情的には納得できない……ってことも、あるんじゃないかな?」
「ボクたちだって、納得しているかしていないか、っていったら、ぜんぜん納得できてないけど……」
「まだまだおにーちゃんの気持ちが確定したわけではないし……」
 三人は早口で思いついたことを何でも挙げはじめる。三人の話し合いは、いわゆるブレーンストーミング的なものになりがちだった。


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