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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(416)

第六章 「血と技」(416)

「……お前なぁ……」
 荒野は、怒鳴りつけてやりたい衝動をどうにか堪えて、イザベラに問いかけた。
「おれが、はいそうですかと、他人のプライバシーをほいほいとお前にしゃべると思っているのか?」
 だとすれば、ずいぶんと甘く見られたものだ……とも、思う。
 基本的に一族の者は、情報セキュリティなどに関して、一般人よりもよっぽど保守的な倫理間を持っている。新参者のイザベラに少し水を向けられたくらいで、軽々と狩野家でのあれこれを話すとも思えない。
 いや。
 裏ではまず確実に、さぞかし盛大に推測混じりの情報を交換していることと思うが……何かと目立つ存在であるイザベラは、来日してから日が浅いこともあり、「身内」扱いされていない可能性が高かった。
「いんや」
 イザベラは、あっさりと首を振る。
「でも一応、聞いてみただけじゃ。
 実のところ、かなりのところ、実態を掴んでおるしの」
「実態、って……」
 荒野は、重ねて聞き返す。
「……誰から教えて貰ったんだ、お前……」
「聞いたんじゃなか。
 見たんじゃ」
「……見たって、何を?」
「アレを」
「……アレ?」
 荒野が、軽く首を捻る。
「アレっていえば、アレしかなか」
 イザベラが、狩野家の方向を指さしながら、焦れたような口調で答える。
「やっとるところを見たんじゃ。
 その、最強の弟子と、そっちの家の息子とが」
 その時のイザベラの頬は、うっすらと染まっていた。
「……おま……」
 荒野は、数秒、絶句した。
「……わざわざ、覗いたのか?
 そりゃあ……あまりにも、趣味が悪すぎねーか?」
「……好きで覗いたわけではなか……」
 イザベラは、顔を背けた。
「日曜、わしらがおるのに勝手に声あげて盛っておったから、ジュリエッタが見にいこういうて……」
「ちょっと待て」
 荒野は、すかさずイザベラの話しを遮る。
「……するとなにか?
 お前だけではなく……ジュリエッタさんも、その場にいたのか?」
「おったおった」
 イザベラは、ぶんぶんと首を縦に振る。
「ただ単におったというより、ジュリエッタが主犯でわしが重犯じゃ。
 ジュリエッタが誘うから、わしも仕方がなく、じゃな……」
「主犯従犯、という言葉を使っているってことは……」
 荒野は、目を細めてイザベラを見据えた。
「……悪いことをした、って意識はあるわけだな……」
「ま、まあ……。
 その辺のことは、ちょっとこっちに置いておいて……」
 イザベラは、実際にテーブルに置いた架空の荷物を脇にどける動作をしてみせる。
「……ジュリエッタのことじゃ。
 あれは、またっく罪の意識を感じておらんようすじゃったの。
 見ている最中も、二人とも仲いいねー、とかいいながら、にこにこしておった……」
「……あっ!」
 荒野はあることに思いあたって、少し大きな声をあげる。
「……そっか。
 日曜に、楓とジュリエッタさんがやりあったのって……そういうわけか……」
 最近、自分の目の届かないところでいろいろな事件が起きているな……と、荒野は改めて認識した。
 今のところ、それでもうまくいっているわけだが……正直、何かの拍子に取り返しのつかないことでも起こりそうな気もして、不安にならないこともない。
「そうじゃ、そうじゃ」
 荒野の独白に、イザベラも頷いて見せた。
「最強の弟子に見つかって、ジュリエッタと睨み合いになったところに、最強のおっさんが出てきてな……」
「……荒神まで絡んでいたのか!」
 荒野の知らないことばかり、ぼろぼろ聞かされている形であり……ここのところ、試験勉強ばかりにかまけて、少し緩んでいたかな……と、荒野はその場で軽く反省をした。
「……知らんかったのか?」
 今度はイザベラの方が、珍獣を見る目つきで荒野を顔をじろじろと眺めた。
「……ああ。
 この間、ジュリエッタさんが静流さんとやりあった時、シルヴィから日曜日にそういうことがあった、って軽く聞かされただけだ……」
 しぶしぶ、といった感じで、荒野は認める。
「……おんし……」
 イザベラが、不意に真剣な面もちになる。
「……この土地の、頭ではなかったんか?」
「外からはそう見える、ということは知っている」
 荒野は、軽く頷く。
「だけど、おれとしては、この土地の一族を束ねるつもりはない。
 ただ、今の均衡状態を崩そうとするやつがいたら、容赦なくたたき潰すけどな……」
「……ほっ。
 吠えるわ」
 イザベラが、何故か、にやける。
「でも、おんしなら軽く出来そうな気がしてくるから、から不思議なもんじゃの」
「出来る……とは断言できないけど、全力は、尽くす」
 荒野もまた、笑顔になってイザベラに顔を向けた。
「例えばお前がこの土地の和を乱すようなことをしでかしたら、その時は即刻、断固としてしかるべき処置を行う」
 荒野の目は、笑っていなかった。
「……おー、こわ……」
 といって、イザベラは大げさな動作で肩を竦めて見せた。
「ま、今のところ、そうするつもりもないんで、お互い、変な気を使う必要がないの」
「本当に、そうだといいんだががな……」
 荒野は笑みを浮かべたまま、イザベラにいった。
「今のところ、お前の目的だけがはっきりしていないんだ。
 ただでさえ微妙な状況なのに、おれがお前を警戒していたとしても不思議なことではないだろう?」
「……はっきりした目的がないと、いかんのか?」
 イザベラは、覿面に、いかにも不機嫌そうな顔になる。
「わしは……ただ単に、どこでもいいから逃げ出したかっただけじゃ。
 ここが面白いことになっとる、聞いて……で、実際に来てみたら、予想以上に面白いことになっておって……」
「今では、おそらくそれがお前の本音だろうとは、思っている」
 荒野は、慎重に言葉を選びながら、説明した。
「お前がどこまで理解しているのかわからないけど……今のここの状況って、かなり微妙なバランスの上に成り立っているんだ。
 そして、おれは、今の平和を出来るだけ長く保っておきたいと考えている。
 だから、少しでも疑わしいものがあれば、懐疑的な目で見ることを回避しない」
 イザベラは、「そりゃ、立派な心がけじゃの」といって、また肩を竦めてみせた。


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[つづく]
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