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はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)  そのにじゅうよん

そのにじゅうよん 「初めて同志の試行錯誤」

「もう。なんかこの、ものすっごく緩い、弛緩した顔を目のあたりにすると、わけもなくいぢめたくなりますね」
 抱き合って、しばらく寝そべったままお互いの口唇をむさぼってから、少し顔を離した千鶴さんが、目前の雅史くんの頬を両手でぷにぷにと弄ぶ。
「そんなに気持ちがいいんですかぁ? おねぇさんは、今でもすっごく痛いんでけどぉ」
「気持ちがいいというか、それ通り越して、今まで生きていてよかったっていうか。すっぽり隙間なく包まれていると、すっごく安心できるんです」
 ふにゃふにゃとふやけた顔を懸命にひきしめようとして、でも、完全には成功しきっていない、半端に気の抜けた笑顔の雅史くんは、千鶴さんの目尻についている涙を拭おうと手を伸ばしたところで、未だに千鶴さんが眼鏡をかけていることに気づいた。そっとはずしてベッドの枕元にあるサイドボードの上に置いてから、改めて、千鶴さんの涙を拭う。千鶴さんは、女性のほうだけがこんなに痛いなんて、不公平です、と呟いた後、
「動いたほうが、男の人は気持ちいいんですよね? これでもおねぇさん、勉強したんです。
 でも、もうちょっと待って、休ませてくださいね。その、まだ全然、痛いままなんですから」
「……動いた方が気持ちいいのは、男性だけではないと思いますが……」
 どのみち、裸のまま向き合ってしっかりと上に乗りかかられている雅史くんには、あまり、選択肢はないわけで……で、初めて女性を知った優越感というかもっと端的にいって、だんだん気が大きくなって調子に乗ってきた雅史くんは、目前の千鶴さんの顔のそこここにキスをしたり、首筋を嘗めたり、耳たぶを甘噛みしたり、と、首が自由になる範囲内で、ちょこちょこといたずらをしはじめた。最初のうちは、くすくす笑いながらくすぐったがっていた千鶴さんも、執拗にあちこちついばまれているうちに徐々に火がついてきて、吐息の中に、「はん」とか「あん」とかいう軽い嬌声が混ざりはじめる。
「もう! そんなこと、どこで覚えてきたんですか」
「勉強したんです」
 などといちゃつきながら、雅史くんはさらに調子に乗って手を腰に回したり、背筋にそってつつつと指を走らせたり、お尻を揉んだり、千鶴さんの身体との間に手を入れておっぱいをもんだり乳首を指先で摘んだり、と、常々想像の中でやっていたことを、遂一試しはじめる。恥ずかしそうにしながらも、執拗に行われる雅史くんの細々とした行為に、いちいち反応する千鶴さんの仕草が、とても愛おしく思えた。
「千鶴さん……初めてなのに……実は、感じやすいんですか?」
「……そ、そんな、意地悪なこと……うぅ」
 千鶴さんの声は、湿り気を帯はじめている。
「雅史くんこそ、男の人って、初めてだとすぐに出るものなんじゃないですか? 今日は大丈夫な日だから、いつでも出していいんですよ」
「……いや、出すださない、というのは、あー、初心者のうちはあまりコントロールしようと思ってもできないようが気が……それよりも、今、結構締めつけがきつくて、気持ちいいというよりは、痛いくらいなんですけど……」
 雅史くんのそこは、千鶴さんのものにもの凄い力でがっきりと咥え込まれている。少なくとも自分からは、動かす気にはなれない。
「ん」
 そう聞いて納得できたのか、それとも少し時間を置いて当所痛みが多少なりとも和らいだのか、千鶴さんはゆっくりと、自分の腰を浮かせはじめる。
「おねぇちゃんも痛いんですけど、今、ちょっとだけ動いてみますね」
 雅史くんものをがっちりととり込んだ千鶴さんのものが、上に浮き始める。にゅるり、と、まるで雅史くんを離すまいとしているかのように、肉ひだが絡みつく。
「あ」
 と、声を上げたのは、二人同時だった。
 声を上げると同時に、一度は浮かしはじめた腰を、千鶴さんは、すとん、と落とす。
「痛いけど」
「うん」
「やはり」
「動いたほうが」
 などと、切れ切れに囁きあった後、怖々と、といった感じで、不器用に、小刻みに、どちらともなく、律動し始める。
「あ。あまり激しく動かないでくださいね。おねぇさん、本当に痛いんですから」
 というリクエストを満足させるために、いろいろな姿勢をもぞもぞと試してみた結果、繋がったまま、座った雅史くんの上に千鶴さんが乗っかり、お互いに向き合うかたちの、いわゆる体面座位の体位がどうも具合がよさそうだ、と、いうことになった。この体位だと、少しの労力で千鶴さんの腰を揺らして接合部に刺激を与えることができるし、その振幅も、かなり細かい調整が効く。
「これだと、顔がちゃんとみれるから、雅史くんが近くに感じられます」
 と、千鶴さんはいい、
「両手が自由になるから、いろいろなところをさわれるな」
 と、雅史くんは思った。雅史くんは、素直にそのような想念を口に出すほどには、バカでも素直でもなかったが。
 で、千鶴さんのお尻に両手を添え、こわごわ、前後に動かしてみる。
「ん。もうちょっと早くても……」
 少しスピードを上げる。
「ああ。ちょっと、その、もう少し、優しく」
 千鶴さんが少しつらそうに眉間に皺を寄せたので、速度はそのままに、揺する幅を少し抑え気味にしてみる。
「ん。ん。ん。こ、これくらいなら、な、なんとか……ひゃっ!」
 腰を動かす手は緩めないまま、目をつぶっていた千鶴さんの胸に舌を這わすと、千鶴さんは「もう!」と声を上げたが、その表情は、なんだか「怒っている」というよりも、照れ隠しのように見えた。そのまま千鶴さんの胸に顔を埋め、少し力をいれ気味に、歯で乳首を噛んだり、舌先でころがしたり。もちろん、腰を動かす手は緩めずにそのまま。
「あ。あ。あ」
 千鶴さんの声も、段々と痛みを訴えるものから別のものへと変わってきているようだ。なんだか、雅史くんが手にあまり力をいれなくても、自分で腰動かしはじめているし。
 雅史くんが、右手をそっと千鶴さんの腰から外して、素早く千鶴さんの前のほうに割り込ませる。そして、親指を、千鶴さんのクリトリスの上に、そっと乗せる。
「うひゃぁっ!」
 と、千鶴さんの半身が、声を上げて、びくんと跳ね上がった。
 なにぶん、雅史くんのを咥えたまま、前後に腰を動かし続けているわけで、そんな状態でクリトリスに指を置かれると、親指が二人の身体に間で挟まれる都度に、衝撃をクリトリスに伝える形になる。
「痛いの、痛いの、でも、痛いのだけど、でも、でも。でも。あ。あ。あ。あ」
 そう叫び、雅史くんの肩に両手で抱きつきながらも、千鶴さんの腰の動きは止まらない。というか、かえって段々激しいものになっていく。


[つづき]
迷った人のための、「はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)」の【目次】







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