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はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)  そのにじゅうろく

そのにじゅうろく 「いんたーみっしょん」

「んふ。んふふふふふ」
「……なんですか。変な笑い方して……」
「いや。とうとうやっちゃたなぁ、とか思うと、結構感慨深いものがありまして」
「……わかりますけど、その笑い方、やめてください……」
 ぐったりとベッドに寝そべった汗まみれの二人がそんな会話をはじめたのは、五分から十分ほど、ベッドの上で死んだようにぐったりとのびてからである。
「さて、これからお夕飯の支度もあるし、シーツも洗いたいし、ぼちぼち起きましょうかねぇ」
 雅史くんが「千鶴さんはタフだなぁ」と思うのは、このような時だ。いや、外見上の印象とは違って、幼少時から合気道を嗜み、物心ついた頃からは、学業のほかに実際上、二つの家庭の火事のほとんどを切り盛りしてきた千鶴さんが、同年齢の同性の平均値よりは遙かに強靱な精神と肉体を保有しているのは、当然といえば当然なのですが。
「はい。雅史くんも、おっきして」
 などと、幼児にでも話しかける時のようにいわれると、苦笑いこそ浮かぶものの、文句をいう気にもなれない。のろのろとベッドから起きあがり、シーツをはぎとったり散らばった衣服をまとめたりしている千鶴さんをぼーっと暖かく見守っていると、このままシャワー浴びましょうね、二人で、といわれ、確かにかなり汗はかいているし、二人とも全裸のままだし、で、逆らう理由もない。洗濯物を抱えた千鶴さんを先導するように、内開きの扉を開けると、あられもない格好をしたあんなちゃんが、ころん、という感じで、前のめりに室内に転がり込んできた。
「え?」
「あ?」
「ん?」
 ……このとき、三人が三人とも、数秒間フリーズしていたという。


[つづき]
迷った人のための、「はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)」の【目次】







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