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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(165)

第六章 「血と技」(165)

 茅の体を抱きかかえてベッドの上に乗せると、茅はそのまま荒野の首を抱き寄せる。長々と口づけしながら、荒野は、茅の上に体を投げ出す格好になった。
「……風呂であれだけいったんだから、今夜はもう十分じゃないか?」
 長い口づけの後、顔を離してから荒野がそういうと、茅は、
「……むぅ……」
 と、口を尖らせて、荒野の肩を抱き寄せる。
「まだ……全然……」
 下から荒野に抱きつきながら、茅は、荒野の耳元で囁いた。
「……足りないの……。
 荒野の……もっと欲しい……」
 先ほど、「茅は、自分自身の体全体を、荒野専用の媚薬に改良しているのかも知れない」という仮説を聞いたばかりだった。
 茅は、聡明だ。
 その言葉が、はたしてどれほど「茅の本心」を反映しているのか、証明しようがない……という事実にも、とっくに気づいているのだろう。
「茅」という個体は、荒野と共生することが、今後の生存について、有利に作用する、と判断した。だから、荒野が自分から離れられないように、茅の無意識が、「荒野の欲する女」として、茅の体を作り替えている……という、先ほどの「仮説」の論理に従えば、以下のような疑問も、当然、浮かびあがる筈だのだ。
 それなら……今、こうして、「荒野が欲しい」といっている茅は……どこまでが、茅自身から出た言葉なのだろうか……。
 そもそも……茅の内部で……「生物として、種を残す本能」と、「茅という個体」の意識は、果たして、明確に分離されているのだろうか?
 例えば……「荒野が欲しい」と感じる茅の欲望は……果たして、「茅の欲望」なのか、それとも、「茅の無意識が、そうすることが有利だと判断したから、茅の体を欲情させた」とみるべきなのか……。
『……いいや……』
 そんなことを考えはじめた荒野は、心中で、その思考をかき消す。
『今更、そんなことを考えても手遅れだし……』
 茅にとって、荒野が不可欠なパートナーであるように……荒野にとっても、もはや、茅という存在がない今後の人生、というのは、想像できない。
 今となっては……おれたちは……。
『運命共同体、だよなあ……』
 と、荒野は思う。
 仮に、茅が荒野にとっての麻薬だったとして……もう、おれ、中毒患者だもん……と、荒野は故意に、心中で軽薄な口調を形作った。
 そして、余計な思考を振り払い、荒野はバスローブの上から、茅の乳首をわしづかみにする。
 少し痛かったのか、茅が、
「……んっ!」
 と小さく呟いて、眉をひそめた。
「茅……さっき、いつもより乱暴にされてたのに、いつもより感じてたでしょ?」
 荒野は、わざと意地の悪い口のきき方をした。
「ひょっとして、茅……少し乱暴にされた方が、感じる?」
 そういって荒野は、バスローブの上から、両手で、茅の乳首を同時に抓み、指に少し力を入れてねじり上げる。
「……んんっ!」
 と、茅が、少し不快な表情を作って、唸った。
「そんな、こと……」
 茅はそういったが……でも、……茅の息が少し弾んできていることに、荒野は気づいた。
「……本当、かな?」
 荒野は、素早く茅のバスローブの合わせ目に手をいれ、茅がその手を払い除ける前に、茅の股間に指をおいた。
「そういう割には……さっき拭いたばかりなのに、ここ……随分、濡れているけど……」
 そういう荒野に何も答えず、茅は、ぷい、と顔を背けて、荒野から視線をそらす。
 荒野は、もう十分に湿っている茅の内部に、中指を入れた。風呂上がりだし、すぐに脱ぐことになると分かっていたから、下着はもともとつけていない。茅のそこは、たいした抵抗もなく、するりと荒野の指を迎え入れた。
「茅のここ……もう、こんなに準備できている……。
 茅……えっちだ……」
 茅の上に覆い被さり、茅の身動きを封じながら、茅の耳元で荒野はそう囁く。そして、そのまま茅の内部に入れた指を、くちゅくちゅと動かしはじめた。
「茅……意外と、乱暴にされるの好きなんだ……」
 最初のうち、茅は、顔を背けながら荒野の言葉を無視していたが、股間で動き回る荒野の指をすぐに無視できなくなり、すぐに「……あっ!」とか、「やっ!」とかいう小さな声を上げるようになる。それから、「駄目」とか「止めて」と、小さな声で抗議しながら、自分の上に覆いかぶさり、動こうとしない荒野の肩や背中を、ぽんぽんと軽く叩きはじめた。
「そんなこと、いっていると……本当に止めちゃうよ……」
 その抵抗も、荒野が耳元でそう囁くと、すぐに弱まる。
 茅はしばらくもぞもぞと体を震わせていたが、不意に荒野の首をに手をかけ、引き寄せようとする。しかし、荒野はその動きをいち早く察知し、上体を起こして茅の腕を逃れた。その間も、茅の中に入った指は絶え間なく動いていし、茅の両足が開いてきている。上体を起こして改めてみてみると、茅の目は潤んでいて、口を開閉させて「なにか」を耐える表情になっている。
 その茅の眼が、荒野に「なにか」を訴えていた。
「……何?
 どうしてほしいのか、ちゃんと口でいってみな……」
 荒野は、あえて茅を突き放し、指の動きをさらに加速させた。
 茅は、また、「あっ!」と小さく叫んで体を震わせ、それから、荒野を上目遣いに睨み、拗ねたような表情をして、
「……今夜の荒野……意地悪なの……」
 と、いった。
「意地悪なおれ、茅は嫌い?」
 荒野は、さらに意地悪なことを聞く。
 すると茅は、「……うぅー……」と、うなり声を上げた。
「……答えないのなら……もっと意地悪にやってやろう……」
 そういって、荒野はあっさりと茅の股間から、自分の指を抜いた。
 茅が、「あっ!」といって、反射的に身を起こし、一瞬前まで自分の中にあった荒野の手首を、掴む。
 荒野は、茅の肩に手を置き、茅が起き上がった方向に、さらに力を加える。
 茅の体は、ころん、と、あっけなかく、ベッドの上に転がった。
 荒野は、素早く茅の両手首を拘束し、背中に廻す。
 そして、茅の体をうつむけにして、軽く押さえつけた。
「今度は……このまま、やろうか?
 茅、本格的に後ろからされるの、確か、はじめてでしょ?」




[つづき]
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