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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(166)

第六章 「血と技」(166)

 茅の返事を待たず、荒野は茅の背中から、一気に侵入した。根本まで一気に突き入れた後、亀頭で円を描くように、茅の内部で分身を揺さぶり、それから、一気に引き抜く。
 茅は、荒野の動きにいちいち反応し、「……かぁはぁっ!」とか、「ひゃっ!」とかいう声をあげて、両手でベッドのシーツを掴む。特に、最後に素早く引き抜いた時の声が、大きかった。
 ……挿れる時よりも、引き抜く時の方が、感じるのかな……と、荒野は思い、再び茅の中にすっかり分身を沈めて、耳元で囁いて確認をする。
「……茅。
 引く時の方が、いいの?」
 当然のことながら、経験豊富とはいいがたい荒野は、女性の性感についての知識など、もっているわけでもない。
 だから、素直に尋ねたわけだが……茅は、ベッドのシーツを握りしめて、いやいやをするように黙って首を振るだけで、明瞭な返答はしなかった。
 そこで、試しにもう一度、そのままの体制で腰だけを一気に引き抜いてみると、茅は「……ぁうぁあぁぁ……」と小さく叫んで、背中を硬直させ、小刻みに震えだした。
「……そうか。
 茅は、挿れる時よりも抜く時の方が、感じるのか……」
 荒野は冷静な口調でそういい、ゆっくり根本まで挿入してからいきなり引き抜く、という動作を、淡々と繰り返した。一度射精した後、ということもあって、荒野自身は比較的冷静でいられたが、茅の方はそういうわけにも行かないようで、荒野が中を往復するたびに声を上げ、激しく身悶えをする。茅があまり激しく動くものだから、荒野は途中から茅の両手を背中に回して、手首をしっかりと押さえつけたまま、行為を続行しなければならなかった。
 荒野は、何の工夫もなく茅の中を行き来しているだけなのだが、茅の感じ方は異常にも思えるほど激しかった。
 以前より、茅が敏感になっている……というのは、先ほどだけの一時的な現象ではなく、明確に恒常的な変化のようだ……と、荒野は、そう思う。
 両手を背中で押さえつけられた後も、茅は、荒野が腰を動かす動くたびに、あーあーと締まりのない声をあげ、開きっぱなしにしている口から涎を垂らし、体を跳ね上げようとする。
 しかし、背後から荒野がしっかりと押さえつけているので、他に体の動かしようがなく、茅は、お尻を左右に振りながら、徐々に高く持ち上げていった。荒野もそれに合わせて膝をたて、高い位置で茅の性器をぱんぱんと音を立てて突きまくる。最初のうち、冷静だった荒野も、茅の狂態に引きずられるようにして、静かな熱狂に巻き込まれていった。
 茅の中の貫く荒野の分身は、かつて経験したことがないほどに硬くなっている。茅の中を犯すたびに内壁と擦れる部分が、荒野に甘美な感触をもたらす。茅の荒野を包んでいる部分は、しっとりと濡れて出入りする荒野に絡みついてくる。きつい、とか、締まる、というわけではなく……隙間なく、絶え間なく動き続ける荒野にぴったりと隙間なく張りついて離れず、時折、適度な収縮をしたり、抜き時に絡みついてくるような感触をもたらし、ヒクヒクと蠢いて複雑な顫動を行っていた。
 茅の体全体が、荒野に奉仕するために、改良され続けている……というさっきの話しが、そのまま信じられるような気持ちよさ、だった。
 二人は、そのまま、お互いの体を夢中で貪りあった。二人とも無言で、せわしない二人分の呼吸音と茅の愉悦に満ちた鳴き声が、室内に響く。荒野が挿出入をしやすいよう、高々と臀部を掲げる、という屈辱的な格好で固まった茅は、本来なら白い肌を、全身、朱に染めて、断続的に喜びの声を上げ続けた。そうしている時、明らかに茅は眼の焦点があっておらず、快楽に浸りきって一時的に理性を失っていることが見て取れたが、荒野は頬どころか顔全体を真っ赤にしてそうした痴呆めいた表情を浮かべる茅も、とても愛しく感じた。
 そうこうするうちに、荒野の射精感も、再度、高まってくる。
 その頃には、荒野も茅も、全身、汗だくになっていた。
 荒野は、そのまま茅の中にぶちまけたい衝動に駆られながらも、結局は、ギリギリ残っていた理性で射精寸前に茅の中から抜き放ち、熱い体液を茅の背中に放つ。
 真っ赤に染まった茅の背中に荒野の精液が飛び散ると、むっとする異臭がして、茅が、がっくりと全身の力を抜いて、ベッドの上に倒れ込む。
 そのすぐ後に、荒野も、茅の横に倒れ込んだ。
 しばらく、二人は何もいう気もする気も起きず、そのままぐったりとして喘いでいるばかりだったが、やがて茅が腕の力だけでずりずりと荒野の方に這っていき、荒野の口唇を奪った。
 長々と口をつけて、舌を絡ませて、唾液を交換する。
 そうしながら、息を整えた後、茅は、少し微笑んでこういった。
「……荒野の匂い、いっぱい……」
 確かに……荒野が射精した匂いが、その部屋に充満している。
「……ああ……」
 荒野も、ベッドの上に横になりながら、ゆっくりと頷いた。
「……シーツも……交換しなくちゃな……」
 物憂げに、そんな所帯じみた発想をする。
「……その前に……」
 茅は、半身を起こして、寝そべっている荒野の下半身にとりついた。
「荒野を、きれいにするの……」
 茅が仰向けに寝そべっている荒野の股間に顔を近づけるのをみて、茅の意図を察知した荒野は、
「そこ……まだ、拭いてない……汚いよ、茅……」
 と、声をかける。
「荒野のなら、汚くないの……」
 茅はそう答え、半ば力を失った荒野の分身をつまみ上げる。
「荒野のこれ……まだ、硬い……」
 そういうと、力を失い、だらんとはしているものの、まだ硬さを残している荒野の分身を咥え、ぴちゃぴちゃと音を立てて舐めはじめる。
 茅は、竿の部分をきれいに舐めとると、陰毛や周囲に飛び散った精液を見つけては、丁寧に舐め取っていく。
 一通り、茅が舌で荒野の体を清め終わると、荒野自身は、再び力を取り戻していた。
「……んふっ……」
 再び起立した荒野のそれを軽く手で弄びながら、茅が、淫蕩な笑みを浮かべる。
「荒野の……また、元気になってきた……」
 その時の茅の表情には、明らかに期待が籠もっていた。
「また、続けてやるのなら……」
 少し休んで体力が回復してきた荒野も、上体を起こす。
「……何か飲み食いして、一休みしてからの方がいいな……。
 それと、もう勢いで、というのはなし。次からは、ゴムをつける……」
 もともと今夜は、茅にお預けを押しつけたのと、シルヴィと関係をもったこととで、回数をこなす予定だった。荒野としても、茅との行為から、今までにない快楽を引き出しているから、茅は大丈夫というのなら、体力が続く限り交わるの悪くはない……と、思っている。
 ただし、こんなことで無理をして、体に負担をかけるつもりはないし……それに、他のことを顧みられなくなるほど、完全に、茅の体にのめり込むつもりもなかった。
 要は……メリハリ、というか……やってもいい時と、やらない時……その区別を、きっちりと計画し、できるだけその計画に沿って関係を持てば……そうそう、無分別に溺れることはないだろう……と、荒野は思う。




[つづき]
目次

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Comments

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  • 2006/12/23(Sat) 14:27 
  • URL 
  • 欲棒 #-
  • [edit]

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  • 2006/12/23(Sat) 18:14 
  • URL 
  • 浦寧子 #-
  • [edit]

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