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ぼくと彼女の、最後の前の晩 (9)

ぼくと彼女の、最後の前の晩 (9)

 結局、またもや先に果てたのは、彼女のほうだった。ぼくが果てる前に、彼女は両腕と両脚をぼくの体に絡ませて、
「……もう、だめ……本当に……」
 と、ぼくの動きを制止させる。
「……ひどいよ、こんなの……こんなに、乱暴なの……最後の……これで、最後なのに……」
 涙を流しながら、嗚咽の合間に、彼女はいった。
「……ごめん……本当に、ごめん……わたし、君を傷つけていた……でも、こんな終わり方は、いや……」
 泣きながら、彼女はぼくの胸にすがりついて、懇願する。
「わたし、君と別れる。明日、ほかの男の所にでていく。でも、君のこと、今でも嫌いじゃないの。嫌いになりたくないの。勝手なこといっているよね。わかっている。でも、君には優しくしてほしいの。優しいままの君でいて欲しいの……」
 後は、彼女が本格的に泣きじゃくりはじめたため、言葉にならない。
 ぼくは無言で、彼女が泣きやむまで、彼女の髪を撫で続ける。

「……本当に、君のこと好きなの。一番。今でも……」
 しばらくして、落ち着いたのか、ぽつりぽつりと、彼女は静かに語りはじめる。
「……でも、君は、わたしなんか、わたし以外の誰も、みようとはしない。君の側にいると、君がだれもみていないということが、すっごく良くわかるの。こうやって裸で抱き合って、くっついていても、君はここにはいないみたいで……」
 ……君の近くに、一緒でいると、たまらなく寂しくなって、かえってつらいんだよ……。
 といい、彼女はひっそりと、静かに笑う。

「ごめんね。最後の夜なのに。泣いたりして」
 彼女は自分で目尻の涙を拭った。
「泣かないで別れるつもりだったんだけどな。ふふ。現実は、そううまくはいきませんか」
 彼女は、下から腕を回し、ぼくの胸に自分の顔を埋める。
「……もうちょっと、このままで、いさせて。もう少ししたら、元に戻るから……」
 ぼくの胸に顔をくっつけながら、彼女は小さく呟く。
「……こんなに近くにいるのに、こんなに遠い……」
 それから、震える声で、
「……続けて。わたしを、滅茶苦茶にして……」
 と、続けた。
 ぼくは彼女の様子をうかがいながら、最初はゆっくりと、徐々に早く、動き始める。腰を両側から掴んで少し浮かせ気味にして、できるだけ深く侵入できるように、少し角度をつける。じゅ、じゅ、という水音が、じゅぱ、じゅぱ、じゅぱ、という破裂音を含みはじめる。「ん。ん。ん」と、彼女が鼻にかかった声をあげはじめる。ぼくは、速度はそこそこに抑え、代わりに、彼女の内部の襞、一つ一つを確かめるように、ぼくのものを彼女の膣壁にこすりつけるような変則的な動きをつける。
 上右、左下、上右、左下、上右、左下……。
 そして、彼女の最深部に刺さったとき、一番奥の部分をぼくの先端でさぐるように、数秒震わせて、素早く引き抜く。「ふはっ」彼女の吐息。完全に引き抜いて、入り口にかろうじて先端が触れている上体で数秒制止すると、彼女はそれまでなにかに耐えるような表情をして閉じていた目をあけて、懇願するような、媚びを含んだ目でぼくの目を見る。
「欲しい?」
「……ん……」
 彼女は微かな、消え入りそうな声で応える。その言葉が終わるか終わらないかのうちに一気に突き入れると、「ぁんぅんはぁ!」と喉から絞り出すような声をあげる。あとはもう小細工は必要としない。ゆっくりと内壁を擦るようにギリギリまで引き抜き、一気に最後まで貫く、というシンプルな反復作業に徹する。今までの経験からいっても、この方法が、一番彼女を反応させる。一突ごとに、目を閉じた彼女は、体全体を震わせて半開きにしたままの口から切なげな声を漏らす。
 五分ほどもそういうシンプルな反復作業を続けた頃だろうか。彼女が、
「……ちょっと、待って……」
 と、ぼくの胸を手のひらで押し返すような動作をして、とどめた。
「もう、いっぱいいっぱい……休ませて……」
 どうやらギブアップらしい。このあたりで、感じすぎた彼女がこれ以上いくことを拒むのも、だいたいいつもと同じ流れだった。
 ぼくは無言で彼女の中からぼく自身を引き抜き、彼女の粘液にぬれて湯気を立てているものを、荒い息をしている彼女の口元にもってくる。彼女は、濡れててらてらと光るそれを愛おしそうに眺め、ゆっくりと口に含み、根本の方を手でしごきながら、亀頭部を舌で刺激しはじめる。両手で包み込むようにしてぼくの硬直を支え、舌の先で鈴口をちろちろと舐める。
 その間、手持ち不沙汰なぼくは、彼女の股間に指をいれて、乱雑な動作で彼女の穴を攪拌する。「んはぁ!」と、ぼくのをくわえたままの彼女がうめく。
 かまわず、ぼくは人差し指と中指で中をかき回しながら、彼女の股間に顔を埋め、彼女の肉芽に舌をはわせ、歯をたてて、こりこりと甘噛みする。
「いやぁ!」
 彼女はぼくのものから口を離し、全身を震わせて、叫ぶ。

[つづき]
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