2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(367)

第六章 「血と技」(367)

 茅の弱々しい制止にもかかわらず、荒野はまず自分の亀頭で茅の襞をかき分けて少しだけ侵入し、次いで、一気に体重をかけて最後まで貫いた。
 茅の反応もいつもより激しいくらいだったが、荒野の方も、実のところ、茅の身体に対する、ひりつくような渇望を覚えている。一刻一秒一瞬でも早く、茅の中に侵入したい、という欲求は、荒野の中でかなり切実になっていた。
 こん、と、茅の中に侵入した荒野の先端が壁に突き当たるまで一気に貫くと、茅は、
「……んっ! ぐぅっ!」
 と、鼻にかかった悲鳴に近い声をあげる。その時の茅の表情的には、眉間に皺を寄せ、苦悶に近かったが……声は、かなり湿った印象を与える。
 それ以上に……。
 荒野は、左右から茅の腰を両手でがっちりと掴み、少し持ち上げ気味にした姿勢で、貫いた時と同様の急激な動きで、自身が茅の中から完全に出てしまうまで引き抜く。
 と、膣口まで後退した荒野の分身の動きに合わせ、ずちゃっ、と水音をさせて茅の体液が周囲に散らばる。具体的いうと、臍まで捲れあがったスカートに、何もつけていない茅の白い肌……その中心にある結合部周辺の体毛が、水滴を含んで鈍く光を反射させていた。
 ……茅のそこの反応を見る限り、どうみても、茅も荒野が為すことを歓迎している。第一、茅はさっき一度登りつめたばかりであり、故に、いつもよりも敏感になっているのだろう……と、荒野は、今までの経験から、そう推測し……また、一気に最後まで茅を貫いた。
「……あっ!」
 とも、
「……がっ!」
 ともつかない音を喉の奥から絞り出し、茅は自分の頭を抱えて全身を振るわせる。
 茅の首と耳、それに顔がすっかり朱に染まっていた。
 今度はすぐに抜くことはせず、最後のどん詰まりまで押し入れた上体で、茅の中に入った先端を適当に揺らすように、腰を動かしてみる。
 すると、荒野のその動きに合わせて、茅の喉から、
「……あぁ……ぁぁぁっ……ぁあぁっ……」
 という嗚咽ににも似た呟き声が漏れはじめる。
「……茅……」
 この時の茅は、荒野に腰を抱えられているため、肩と頭部とをベッドに置いて、その接地面だけで体重を支えている不安定な姿勢だった。
「激しく動くのと、こうしているのと……どっちがいい?」
 荒野は声に出してそう聞いて、すぐさま、一気に膣口まで分身を引き抜く。
「……ひゃうっ!」
 という声を口から漏れた後、茅は口を閉じていやいやをするように、首を左右に振った。
 羞恥心と快楽を求める欲求とが、茅の中で微妙に葛藤しているらしい。
「正直にいわないと、ここで止めちゃうよ……」
 荒野は、再度そう聞いて、すっかり濡れて滑りがよくなった茅の入り口付近を、亀裂の入り口に自分の先端押し当てて、ゆっくり上下に揺らす。
 襞の合間に亀頭が隠れるか隠れない、という位置を保ったまま、しばらくゆっくりと動かしていると、茅はすぐに根をあげた。。
 目をきつく閉じたまま、茅は、ようやく聞き取れるくらいの小声で、
「……激しく……。
 激しくして欲しいの……」
 と囁く。
 茅の腰を持ち直して、荒野は、茅への責めを再開した。
 根元まで一気に貫いては膣口まで引き戻す、という動きを、素早く何度も繰り返す。
 茅は荒野の肩と首に両腕を回し、「……うわぁぅ、うわぁぅ……」と聞こえる声をあげて、荒野の耳元に熱い息を吹きかけた。
 息だけではなく、今では、茅の身体全体が、熱い。少なくとも、荒野が触れている部分は……。
 茅のせっぱ詰まった様子にも頓着せず、荒野は、そのままの体制で単純なピストン運動を繰り返す。出し入れするだけのシンプルな動きだったが、いや、それだからこそか、茅はまた急速に昇りはじめたようだった。
 動きの速さや激しさに任せただけの稚拙な動きだったが、その分、荒々しくもある。今までの行為を思い返してみて、茅とする時は、荒野もかなり優しく扱っている……つもりなので、かえってこういう荒々しい動きは、新鮮なのかも知れない。
 茅は荒野にしがみつきながら、荒野が動くたびに、
「……あぁっ!」
 とか、
「……ひゃっ!」
 とかいう可愛い声をたてている。
 それに、明らかに、激しく動いている部分の潤滑油も、以前より潤沢に分泌されているようだった。茅の腰を半ば持ち上げている激しい運動に勤しんでいる荒野の位置からは見えないが、結合部からあふれ出た透明な液体は荒野と茅の局部を濡らすだけではあきたらず、鼠径部を経由して尾骨までを濡らし、その先で幾筋かに別れていた。荒野の運動から受ける刺激を感受するのに夢中な茅も、まだその部分が濡れていることには気づいていない。体温が全般に上昇していて気づきにくい、ということもあるし、そんな些末なことまで気にしている精神的な余裕も、現状では、ない。
 荒野の方はといえば、茅からより激しい反応を引き出すために、せっせと単調な運動に勤しんでいる。茅の反応が普段にも増して激しいものだったから、励み甲斐がある。
 というか、これだけはっきりと身悶えしてくれると、その反応を見るだけで満足してしまうようなところがあって、荒野自身の性感は、かえって醒めがちである。これも、短期間に何人かの女性とつき合ったための「慣れ」なのか、それとも他の要因なのか、荒野自身にも判然としなかった。
 しかし、硬直を失わないまま冷静でいられる、という状態は、茅を悦ばせるためには都合がいい……とも、いえる。
 最初のうち、荒野の首にしがみついていた茅は、次第に腕に力が入らなくなってきたのか、今ではベッドの上に両腕を投げ出し、荒野に突かれるままになっている。
 突かれるたびに、身体をうち震わせる。
 荒野を迎えている部分が、先ほどから複雑な収縮活動をしていた。荒野の侵入している部分全体を、ぎゅうっ、と締め付けてくる。膣穴の直径が、一気に短縮したような感触だった。同時に、細かい襞の部分も、もぞもぞと複雑な動き方をしている。
『……また……茅の終わりが、近いのかな……』
 そうした反応を観測した荒野は、ぼんやりとそんなことを思った。
 荒野の射精感はまだまだ高まっていなかったが、ここでもう一度茅に登りつめて貰っても、いいのかも知れない……。
 何しろ、茅とは、今日と明日とでとんでもない回数をこなす約束をしている。その度に射精するより、何度か茅に余分に逝って貰った方が、いいような気がした。



[つづき]
目次



Comments

Post your comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

このページのトップへ