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第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(144)
夕食が終わり、テン、ガク、ノリの三人は何か用事が残っているとかいうことで再び外出し、孫子は香也の勉強をみることになった。つまり、昼間、その先輩とやらが香也にどのような指導をしたから確認したかったので、そうするようにし向けた、ということだが。孫子にしてみればその「佐久間先輩」とは未知の人物であり、信用していない、というわけでもなかったが、それなりに興味はあった。
今日一日は、香也の世話は孫子がする……ということになっていたので、特に不審に思う者はいなかった。当然、真理を手伝っての食器洗いは、残った楓がすることになるが、こちらも、「手が空いている者が家事を手伝う」というこの家の不文律があるため、特に不思議なことでもない。
香也にしてみれば、昼間、沙織が口頭で行った「進行状況確認」作業を、今度は孫子からやられている感じになるわけだが……その煩雑さを嫌うこともなく、ごく自然に、孫子の出す出題に答えていく。何より、復習のための反復作業には、香也はかなり慣れてきていた。
「……弱点が、かなり補強されていますわね……」
小一時間ほど経過して、昼間、香也が沙織に教えられた内容を、記憶にある限り書き出しおわると、孫子は、そう認めるしかなかった。
「……んー……」
香也は、そう付け足す。
「基本は、かなり出来ているから……っていわれて……。
危ないところの補強とか、配点の大きい応用問題の解き方とか……やった……」
その「先輩」がどいう人かは知らないが、孫子の目から見ても、かなり的確な指導だった、と認めないわけにはいかない内容だった。
実質半日で、かなり効果的効率的に、香也の点数を上げようとしている。そして、実際に、香也の中に知識が叩き込まれている。
試験前の、短時間の学習内容としては、かなり上出来の部類……だと、孫子でも断言ができた。
孫子はそのように納得した後、さらに一時間前後、香也と一緒に試験前の学習を行い、その間に真理、羽生、楓が前後して、あるいは一緒に入浴する。女性が多いこの家では、いつの間にか体が空いてみる者は、夕食後いつでもすぐに風呂に入る……という習慣が出来ており、この日は、先に羽生が入り、その後で真理と楓が一緒に風呂にいく……という感じになった。
しばらくして、テン、ガク、ノリから「帰宅が遅れる」というメールが入り、孫子は、だいたいは一番最後に入浴する香也に「先に入ってください」と進言し、その日の勉強を切り上げることになった。撮影の都合とかなんとかで、三人の帰宅が深夜になることも、この頃には珍しくなくなっていた。夜間に外出するときは複数名で行動していることと、この三人に限って、安全面での心配はないので、深夜の外出についても、誰も咎めることはなかった。
何だかんだで一日みっしりと机に向かっていた香也は、それなりに疲労も感じていたので、
「……んー……」
と、生返事を返して勉強道具を片づけ、居間を後にする。孫子も、その後に続くように、自室に下がる。
香也はそのまま着替えの準備をして風呂に向かい、手早く服を脱いでざっと体にお湯をかけ、湯船につかった。
寒さが最高潮に達する時期でもあり、ほどよい温度の湯に全身をひたした香也は、寒さで収縮していた筋肉や血管が、緩んでほぐれる感覚。
香也は「……ふー……」と長い息をついた。この家の風呂場はかなり広めで、湯船で長々と手足を伸ばせる。
全身が、弛緩していく……とか、思っていたところに、ガラリと脱衣所の戸を開けて、全裸になった孫子が入ってきて、驚いた香也は、思わず頭を湯の中に沈めてしまった。
「……なっ……なっ……」
慌てて起きあがった香也は、狼狽して口ごもる。
「お静かに」
ぴっ、と香也の肩を押さえた孫子が、凛とした声を出す。
「お背中を、流しにきただけですわ。
もっとも、ここでプレハブの続きをしたとしても、わたくしとしては、いっこうにかまいませんのですけれども……」
孫子は自分の胸の膨らみを香也の背中に押しつけるようにして香也の両肩に手を添え、
「ほら。よく暖まりませんと……」
なとといいながら、香也の肩をお湯の中にゆっくりと押しさげる。
香也が、騒がない……ということを確認した後、孫子は手早くかかり湯をすませ、香也の隣に滑り込むようにして、湯船の中にはいった。
いい加減、暖まっていた香也の肌は、すでにピンク色に染まっていたのだが、孫子は横合いから体を密着させるとさらに血色がよくなる。
香也も男性である以上、香也の腕に押しつけられている孫子の胸の膨らみを意識しないわけには、いかない。楓ほど大きくはないが、乳首が上を向いていて、いい形をしている……などと考え始めたことを自覚し、香也は慌てて思わず下がっていた視線を上の方に修正する。
「なんで、そこで天井を見ますの?」
孫子は、完全に香也の肩にもたれ掛かる姿勢になって、香也の耳元で、息を吹きかけるように囁いた。
今さらながらに、「状況に流されまい」と理性を総動員している香也は、
「……んー……」
とうなるだけで、明瞭な返答はしない。
「わたくしの体は、見るほどの価値もありませんか?」
などといいつつ、孫子はさらにぐいぐいと自分の体を香也の体に押しつけていく。
「それは……楓ほど、大きくはないので、見栄えはしないかも知れませんけど……」
「……ちょ、ちょっと、離れて……」
香也は、慌てて立ち上がって、孫子から離れようとする。
「……あら?」
孫子は、冷静に指摘した。
「もう元気になっていますのね?」
孫子が湯に入ったままで香也が立ち上がると……孫子の目の前に、香也のいきり立ったものが丸見えになってしまうのだった。
香也は、立ち上がった時と同様の素早さで、ざっとお湯の中に身を沈める。
「お互い、今さら、恥ずかしがる仲でもないでしょう……」
孫子は、あくまで冷静な態度を崩さなかった。
「ですけれども……男性のそこって、元気ですのね。
プレハブのあれではものたりませんでした?」
と、香也に笑いかける。
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