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はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)  そのはち

そのはち 「千鶴さんの誘惑」

「……あんなちゃんいたぁい」
 はたかれた後頭部をさすりつつ、千鶴さんがいう。
「そんなことより、いんこーよいんこー。そんなにしてまで兄弟同然に育ったお隣りの男の子襲いたいのかこの逆れいぱぁ!」
「逆れいぱぁ、って、あんなちゃん、そんな下品な言葉使うなんて、おねぇさん悲しい……」
「ごまかすんじゃない!」
 そのとき、雅史くんが盛大にくしゃみをした。千鶴さんの眼鏡がきらりとひかり、さり気なくあんなちゃんの身体をかわし、雅史くんのほうににじり寄る。
「ほらほら。いつまでも濡れたままでいると身体に良くないから、着替えましょうね。ついでにお風呂にいって熱いシャワーでも……」
 雅史くんのTシャツの裾に手をかけ、そのまま脱がせようとする。
「ふ。あら、雅史くん、外見は細いのに、脱ぐとけっこうたくましいのね。腹筋とかちゃんと割れてるし、肩幅も広いし……」
 服を脱がせるついでに、雅史くんの上半身をなでたりさすったり。
「な、なんなんですか今日は。いつもの千鶴さんらしくありませんよ……」
「雅史くん、こうされるの嫌い?」
 そういいつつ、千鶴さんが指先で背筋を、つつつ、とたどると、びくん、と、何事かを感じた雅史くんの身体が椅子の上で軽く撥ねる。
「子どもだ子どもだと思っていたけど、身体はもう立派な大人ねぇ……」
 いつのまにか雅史くんの背後を取っていた千鶴さんが、雅史くんの耳に後ろから息を吹きかけるようにして、囁く。未経験の感覚に、雅史くんの身体が再度びくん、と撥ねる。
「ちょっ、ちょっと千鶴さん、やばいって」
「感じちゃった? び、ん、か、ん、なのねぇ」
 囁きつつ、千鶴さんが雅史くんの両肩をしっかりホールドして逃がさないようにしている。椅子の上に中腰になりながら、雅史くんは進退窮まっている。
「このまま、おねえさんともっと気持ち良いことしよっかぁ……」
 千鶴さんが、雅史くんの背後から、さらに、囁く。
「まぁくん、はい、服!」
 そのまま二人の世界に耽溺することを許さないのが、あんなちゃんである。千鶴さんの耳元で叫ぶようにしていうと、持ってきた千鶴さんのTシャツを、半裸の雅史くんの胸元に押しつける。表情が、かなり殺気立っていて、怖い。


[つづき]
迷った人のための、「はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)」の【目次】





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