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髪長姫は最後に笑う。第四章(12)

第四章 「叔父と義姉」(12)

 茅は寝そべっている荒野の上に馬乗りになった。正面を向き合っているため、茅の股間がちょうど荒野のそれと擦りあうように、重なる。茅の茂みと湿りが、荒野の硬直、竿の部分に触れる感覚があった。
「んっ」
 茅も感じているのか、そんな鼻息を漏らす。
 荒野の位置からだと、形のいい乳房の合間に、茅の切なそうに眉間に皺を寄せた表情が、はっきりと見ることができた。
 茅も感じているが、荒野もすでに十分に高まっている。
 下から腕を伸ばして茅の乳房に触れようとすると、茅にやんわりと払いのけられた。
「……駄目……茅が、やるの……」
 茅は前後に腰を揺すりながら、背を丸めて、荒野の口と顎、それに首筋などに舌をはわせはじめる。なま暖かい茅の舌が、荒野の皮膚を刺激する。結構くすぐったかったりもするが、濡れた感触がなんかいやらしいことをされている、という思いを増幅しているような感じもあり……。
『……茅が、自分からここまで……』
 現実に感じていることよりも、今のシュチュエーション対して感じるところのほうが多かった。
 茅も確実に感じているようで、股間の湿り気は時間を経るごとに多くなっているのが、感触でわかる。擦りあう箇所は、最初、陰毛同士がこすれるざらざらした感触だったが、今では、茅の秘処から分泌された液体がいい潤滑油となって、かなり滑らかになった。茅は頬を上気させ、「はっ」とか「ふぅ」とか、時折鼻息以外に、太い息をつくようになっている。
 こうして快楽を貪る茅をみていると、普段のあどけなさが嘘のように思えたが……どちらも、同じ茅なのだ……と、荒野は思う。
 昨夜、荒野を求めてやまなかった茅の様子を、二人は暗黙の了解として「スイッチが入った」状態と称している。しかしあの状態は、普段、茅が羞恥などの理由から抑制している欲望が解放された状態なので、より現実に即した表現をするならば、「たがが外れた」状態と呼んだ方が、いい。
 茅に限らず、人間なら誰しもそうしたどろどろした欲望はある筈だ。しかし、本人の意思によらず、それを無理に引き出された昨夜の状態は自然ではないし、それ以前に、なにも身構えていなかった茅は、軽いパニックに陥った。
「……茅、大丈夫?」
「んんっ! 今日は、平気みたい……」
 この数日間で、荒野との距離が短縮した、という安心感も、多分にあるのだろう。
 こうした行為に対する慣れ、もそれなりにあるのだろうが、茅は、昨夜までよりも、よっぽどリラックスして、素直に、自分の快楽を追求しているように思えた。
『……抑制が弱くなれば、反動も弱くなるのか……』
 茅が、荒野との行為に対して罪悪感を感じる度合いが減ったから、昨夜のような急激な変化が訪れていないのだろう、と、荒野は判断する。
「……茅、動いていい?」
「駄目! 今日は、茅がやる……」
 今では、茅は、動きはじめた頃よりは、ずっと激しく動いている。
 挿入しているわけではないのに、荒野の硬直に、茅の濡れた襞が絡みついてくる。茅が腰を動かす度に、荒野の亀頭に茅の濡れた内部が、触れる。
 茅は、荒野の上で、長い髪を跳ね上げるようにして、動き続けた。
 たぶん、今の茅は、刺激から受ける快感に没入して、荒野のことを意識の外に置いている……。
『……一種の自慰、だな……』
 今の自分は、そのための道具だ……と、荒野は心中でそっと苦笑した。ないがしろにされていることに対する怒りは、意外に湧いてこない。
 むしろ、汗を飛ばし、夢中になって荒野の上で踊る茅は、見上げているだけでも美しい……とか、荒野は思っていた。暢気……というよりは、外見と内面、知識の量や機知と精神面……様々な面において、茅がアンバランスな存在である……という認識を強くしただけだ。成熟した体とは裏腹に、ついこの前まで人里離れた山中にいたくらいだから、人生経験にも極端に乏しいし……性的な知識はあるが、ついこの間まで、そうした感覚に無頓着だったくらいで……たぶん、自慰の経験さえ、ないだろう。荒野と関係を持つまで、性感を実感する機会もなかったはずだ。
 免疫がない分、夢中になるのも、むしろ当然だ、と、荒野は思った。
 荒野は、そんなことにも、茅という存在の特殊性と危うさを、認める。
 ……こうなったら、茅がいくところまでいって、我を取り戻すまで待つよりほかないだろう……。
 荒野は、髪を振り乱して没頭する茅の様子を見守りながら、茅が静かになるのを気長に待つことにした。体力が尽きるか、絶頂をむかえるかすれば、茅の動きも自然に止まるはずだった……。

 荒野の読み通り……茅はひときわ大きな声で「んふっ!」と叫んだかと思うと、くて、と全身の力を抜いて荒野の上に倒れ込んだ。
 荒野の上に倒れ込み、汗まみれになって胸郭を大きく上下させている茅の髪の毛を、荒野は優しく手で撫でつける。
「茅……いった?」
「……ん……」
 茅は、まだ、汗に濡れた肩を大きく上下させている。
「……たぶん……頭が白くなって、なにも考えられなくなって……荒野とする時と同じようで、違うような……」
「……自分でこういうこと、したことある?」
「……オナニー、のこと? そういうのがあるのは知ってたけど……する必要性は、感じなかった……」
「……そうか」
「……こういう気持ちの良さ、知ったの……荒野としてから……荒野と長い間離れてたら……自分だけで、するかも知れない……」
「……おれ、茅のたがを外しちゃったみたいだな……」
 常人の半分強の時間で急速に体を成長させ、自分の異常についてもあまり自覚していなかった茅は、体の成熟に比較して、さまざまな部分を欠落したまま、ここまで来てしまった。荒野との行為がいい刺激となり、茅の体がその落差を急速に埋めようと、内部で蠢きはじめている……と、そういうことなのではないか?
「……茅……おれたち、勘違いしていたかも知れない……」
「……え?」
「茅は……こっちの方面に関しては、なんの暗示も方向付けも、なされていないのかも、知れない……」
「……え? じゃあ……」
 茅が、荒野の言わんとするところを理解しはじめ、目をまん丸に見開く。
「うん。ひょっとすると……今まで茅が無意識に封印してた欲望……おれが解放して……ただ単に、一時的に抑えが効かなくなっただけなのかも……」
「……いやぁ!」
 真っ赤になって荒野から顔を反らし、ベッドからも逃げようとする茅の体を、荒野は後ろから羽交い締めにして押さえつけた。
「……いや、逃げなくていいから。産まれてからずっと押さえつけてきたのが噴出すれば、あんなもんだって! それに、おれ、えっちモードの茅も好き! それに、……」
 荒野は、すっかり硬くなっている自分のものを、背後から茅のお尻に押しつける。
「……おれのほうも、そろそろどうにか発散させないと、どうしようもような状態になっているんだけど……」

[つづき]
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