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はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)  そのさんじゅうろく

そのさんじゅうろく 「千鶴さんはみていた」

(……すごい)
 なにしろ、他人の性行為ならびに結合部分を間近にみるのは、千鶴さんにとっても初めての経験である。
 最初は、ほとんど無毛のあんなちゃんの割れ目に浅く差し込んだ雅史くんの亀頭を、遠慮がちにくちゃくちゃと動かしているだけだったが、あんなちゃんがさほど苦痛を感じていないようだと確認すると、雅史くんは自分の手で上下に動かしていたものから手を離し、あんなちゃんの腰に手をあてて、前後に出し入れをしはじめた。最初のうちは、雅史くんの肉棒の三分の一にも満たないほどのごく浅い出し入れだったが、あんなちゃんは、ゆっくりと入れたり出したりされるたびに頬を薔薇色に染め、ひどく満足げな吐息を吐く。あんなちゃんの様子をみて、千鶴さんはちょっと複雑な心境になった。
 ……自分のときは、あんなに痛かったのに……。
 くっちゃ、くっちゃ、くちゃ、と、雅史くんは焦る様子もなく、淡々と腰を動かしている。その横顔からは性行中の男性にありがちな貪欲さや卑猥さはほとんど感じられなくて、むしろ、ミッションに携わる修道僧めいたストイックな印象さえ、受けた。自分自身の快楽よりもあんなちゃんのことを第一に優先して考えているのは、ジッと真剣なまなざしをあんなちゃんに据えている事からも、明らかなように思えた。千鶴さんは、弟のように思っていた雅史くんに対して、初めて精悍さを感じた。
 ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ、と、ようやく亀頭が埋没するかしないか、という抜きさしの浅さはそのままに、雅史くんの腰の動きだけが早くなっていく。
 雅史くんが、確認をするようにあんなちゃんに目線を合わせると、あんなちゃんは、確かに、こくん、と頷いた。
 雅史くんは抜きさしの深度を少し深め、あんなちゃんの表情が変わるところを見定めて、慎重に、ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ、と、速度を一定に保ったまま、動き続ける。そのうち、あんなちゃんの顔から苦痛の色が薄くなった頃を見定めて、また少し深くする、という行為を、何度か繰り返した。
 あんなちゃんの肌に、どんどん赤味が増していく。もともと、雅史くんが挿入をする前あたりから、首から上が朱に染まっていたが、その色が、今は、肩から胸にかけて、上半身のほとんどを占めるほどになっている。水着の後がくっきりと残るほど、見事に日焼けしている部分と、あんなちゃんの本来の地肌の、透き通るような真っ白さと、血色に染まった部分とが、スレンダーなあんなちゃん裸体の肌をいろどっている。あんなちゃんは、ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ、と、雅史くんが動く都度に、はぁ、んはぁ、と、熱い息を吐いている。
 やがて、あんなちゃんは、切れ切れに。、いった。
「もう、入れて。最後まで。奥まで。突いて」
 雅史くんの肩ごしにみるそんなあんなちゃんを、千鶴さんは、素直に、綺麗だ、と、思った。


[つづき]
迷った人のための、「はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)」の【目次】








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