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髪長姫は最後に笑う。第五章(30)

第五章 「友と敵」(30)

 荒野が奥まで入り込んだ部分は、すでに必要以上に濡れて硬直を迎え入れていた。茅が内部に侵入したモノを自分の内壁に擦りつけるように腰を蠢かすとそれだけでとどめなく奥の方から液体が滲みでてくる。
 荒野と繋がっている確かな証拠を感じ、茅は、我知らず熱い吐息を荒野の頬にぶつける。茅の口と荒野の口も相変わらずぴたりと重なったままで、荒野の上に乗った茅は、腰部と口内の二カ所で荒野と繋がったまま、荒野を責め立てる。荒野を責め立てながら、冷静に茅と荒野の身体活動の推移を観測している茅も、同時に存在している。
 どんな時にも、茅の知性は休まない。五感全てを使って茅の体験をする詳細な部分まで観測、記憶し、以前に同様の体験があるのなら異動を図り、より効率的な方法を模索する。
 茅は、自分が以前よりも乱れやすくなっているのを観測した。反対に、荒野のほうは以前よりも余裕がでてきているのも観測した。
 茅が必死になって責め立てているのにも関わらず、どうもより多く感じているのは、茅のほうらしい。
 それが悔しくて、茅はさらに工夫を凝らして、荒野の上で踊る。が、そうすることで、より多くの快楽を受けるのは、動いた茅の方、なのだった。

 しばらくして、汗まみれになった茅は、荒野の上でぐったりと動かなくなった。
「……どうしたんだ? 茅? 今日は随分……」
 熱心じゃないか……とまでは、荒野も口にしなかった。茅にだって性欲が、したくなる時はあるのだろうが……それを素直に本人の前で口にするのは、あまり懸命な態度とはいえないように、荒野は感じた。
「……むぅ……」
 茅は、荒野の胸に突っ伏したまま、拗ねたような呻き声をあげる。
「……荒野……あまり、感じてない」
 茅は、荒野と茅の体臭、体温、発汗量、呼吸……などの変化を観測し、以前の経験時の記憶と比較する。どのような観点からみても、一方的に動いた茅が、一方的に感じて、そしていってしまった……ということだ。茅の中に刺さったまま、荒野は硬度を保っている。
「……そんなこと、ないって……」
 荒野は苦笑いした。
 荒野とて、経験豊富というわけではない。今回の行為に関していえば、こっちが盛り上がる前に茅がヒートアップしてし先に果ててしまった……と感じていた。
「……少し休んだら、今度は、おれが動くから……」
 茅の髪を撫でながら、荒野はやさしくそういうと、茅はますます不機嫌になった。

 それ以上口先で茅を慰撫するのは無理だ、と判断した荒野は、繋がったまま少し茅を休ませて、息が整った頃を見計らって、半身を起こし、茅の体を抱きしめて上体を密着させた状態で、下からゆっくりと突き上げる。
「……くぅ……うはぁ……うぅ……うぅっ……」
 荒野が動きはじめるとすぐに茅の息が乱れはじめた。茅は腕を荒野の肩に回しすがりつきながらも、甘い吐息を漏らすまいと下唇に力を込めている。
 調子がでてきた荒野は、腰だけではなく、茅のヒップに両手を添え、腕の力で茅の体を持ち上げて、上下にがくがくと大きく揺さぶる。
 荒野自身を軸にして、何度か上下運動を行っているうちに、茅は堪えきれなくなったのか、「はぁあっ!」とは「うはぁあっ!」とか、うめき声を上げはじめる。
 じゅぶじゅぶじゅぶ、と、茅の中心から水音が聞こえはじめる。
 荒野は、茅を揺さぶりながら茅の表情を観察した。頬は上気し、半眼になった眼は濡れたような光を放っている。一言でいうと、恍惚とした表情だった。
「茅……気持ち、いい?」
 荒野はそんな茅に尋ねた。
「……いい……」
 茅が、か細い声で、なんとか答える。
「茅は……おれとこういうことするの、好き?」
「……」
 今度はなにも答えず、茅は、悔しそうな顔をして、荒野の口唇を自分の口唇でふさごうとする。
 背を反らしてそれを回避した荒野は、「……まともに答えるの、恥ずかしいのかな……」と思った。
 はにかんだような表情をして顔を伏せている茅を、可愛く思った。そして、さらに腕に力を込めて、がくがくと、わざと乱暴に茅の体を揺さぶる。
 荒野が入っている部分から、なま暖かい、夥しい液体が漏れてきて、荒野たちの股間を濡らす。
「聞こえる? 茅……。
 凄い音、している……」
 茅は恥ずかしそうに顔を伏せたままだったが、荒野の顔は愉悦に輝いていた。
 茅をコントロールしている、という支配欲が満ち足り、また、ぬるぬるに濡れながらもぎちぎちと荒野自身を締め付けられた部分の摩擦からくる快感が、荒野に愉悦を与えている。
 荒野は繋がったままゆっくりと茅の体をベッドの上に押し倒し、茅の両股を両手で抱えるようにして自分の動きの自由度を確保し、その体制で、存分に送出し始めた。
 茅がのけぞり、喉の奥から、
「がはぁ!」
 と空気を絞り出す。苦痛の表情では、ない。
「あ。あ。あ」
 上になった荒野が存分に送出し始めると、その動きに合わせて茅は身を震わせて息を吐いた。体全体が、小刻みに揺れている。
「いい? 茅、気持ち、いい?」
 先ほどと同じ問いを、荒野は、またした。
「いい! いい!」
 茅は、下から荒野にしがみつきながら、大声をだしていた。
「いいの! 気持ちいいの!」
 茅は、両腕と両足を使って、荒野の体にしがみつく。
「もっと! もっと!」
 荒野は茅の口唇を奪って、さらに夢中になって茅の内を貪った。
 荒野の動きがひときわ乱雑になると、荒野に口をふさがれていてさえ、茅の喉からでてくるくぐもった呻きを止めることはできなくなった。
 荒野自身もまた、自分の下で身もだえしている茅を見て、急速に上り詰めているのを感じた。
 茅と繋がっている部分が、熱を持ち始めている……ように、感じた。
「……来て! 荒野! 中に!」
 荒野の終着が近いと感じたのか、茅が、無理に荒野の口を避けて、耳元で、叫んだ。
「荒野の! 欲しい! 欲しいの! このまま!」
 目もくらむばかりの快楽に半ば頭が白くなっていた荒野は、茅の主導で始まった今日は、なんにも避妊の準備をしないまま繋がってしまった、ということに思い当たりながらも、このまま茅の中に放つ誘惑に逆らえなかった……。

 荒野は、灼熱の塊を茅の中に解放した。出している間中、茅の体はビクンビクンと跳ね上がり、荒野は、荒い息を吐きながら、どこか虚ろな気分で茅のことを見下ろしている……。

[つづき]
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