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彼女はくノ一! 第四話 (40)

第四話 夢と希望の、新学期(40)

 香也は眼を白黒させながら、とりあえず、楓のいうことをおとなしくきいている。
 事態の推移に、理解力が追いつけないでいる……らしい。
「いいですか? わたしは、気にしません。
 このまま静かに、一緒にお風呂に入りましょう……」
 ねっとりとした声で、楓は香也の耳元に囁いた。

 楓は楓で、ここ最近、焦る気持ちが強くなりつつあった。
 才賀孫子……の、存在。
 最初のうち、むしろ香也を嫌っていたように見受けらた彼女は、年を越す当たりから露骨に香也との距離を縮めにかかっている。しかも、効率的に外堀を埋めて、香也に逃げられないように細工した上で……である。
 この辺、なんの戦略もなく猪突盲信気味に迫りがちな楓との性格の差がでるところでもあるわけが……ともかく、楓にしても、座して「果報は寝て待て」とばかりにどっしりと構えてばかりも、いられなくなっている……。

 そんか楓の思惑は知らず、香也は、首を振って抵抗し、脱衣所の方に逃げようとする。
 楓は、香也を羽交い締めにして、と脱衣所へと続く戸を閉めようとした。
 戸さえ閉めてしまえば、脱衣所には香也の服が残される。脱衣所に香也の服が残されている状態になれば、この家の他の住人は、風呂場の中に入り込めなくなる。
 香也の声も封じた現在……しばらくは、二人っきりの密室、になる筈だった。
 しかも……二人とも全裸。

 楓にとっては、またとない好機といえた。

 しかし、楓の目論見通りには、事は運ばなかった。
 楓が閉めかけた戸を、一見華奢にみえる細長い指が、阻む。
「……な、に、を、し、て、い、る、の、か、し、らぁ……」
 台詞を一音節ごとに区切って、楓が閉めようとした戸を無理にこじ開けて入ってきたのは……才賀孫子、だった。
 楓よりもむしろ、香也のほうが、孫子の形相と気迫に引き気味になっている。

「……ふぅん……そう……そういうこと……」
 脱衣所と風呂場の中の二人の様子を冷静に観察した孫子は、事態の本質を即座に理解したようだった。
 楓が睨み付けているのにも関わらず、孫子は余裕のある表情で裸の楓と香也を眺めている。
 香也の喉元に刺さったままの針をしげしげと見つめ、どうやら香也は、騒ぎたくとも騒げないらしい……と見当をつけた孫子は、楓ににんまりと笑いかけ、自分の服のボタンを外しはじめた。
「いいですわね、裸のおつきあい……。
 でも……わたくしだけ仲間外れ、というのはなしにしてほしいですわ……」
 孫子は、負けん気が強かった。
 以前にも、この同じ風呂場で、羽生譲が、今の楓と同じように香也に迫っていたのを目撃してもいる。
 楓や羽生譲がやっているのに……なんで、自分が同じ事をやってはいけないのだろう?
 一端、脱衣所のほうに向かいかけた孫子は、半裸のまま風呂場にいる楓と香也のほうに振り返り、ドスをきかせていった。
「でないと……大声を、あげますわよ」

 ……なんでこうなるんだろう……と、香也は思っていた。
 香也の両脇には、全裸の楓と孫子が取り付いていている。三人で湯船に入っているため、お湯が湯船から盛大にあふれ出た。楓と孫子は、お互いの動きを気にしながら、自分の胸を香也の腕に擦りつけるようにして抱きかかえている。
 喉の針は、すでに抜いて貰っている。こうして三人で仲良く湯船に浸かっている今では……下手に騒ぎ立てても、誰も香也の潔白を信用しないだろう。実際、香也のあそこは、お湯の中で「これ以上ない」というくらいに勃起している。
 全裸の美少女二人を左右に侍らせた健全な年頃の男の子としては、当然至極な反応だった。
 それでも香也は、真っ正面を向いて、左右にも下のほうにも、極力視線を向けないように努力していた。
 下を見れば、同年配の少女のあられもない裸体が、目に入る。
 左右をみれば孫子や楓の横顔が間近にある。
 どちらの方をみても、香也にとっては……どうにも居心地が悪いのであった。
 香也の顔に、みっしりと汗が浮かんでいるのも、決して、風呂の水温のせいばかりではなかった。
 香也の意志によって現在の状況があるのなら、香也とて、現在のような状況は、歓迎すべき所だったろう……。
 しかし、現実には……。
「ちょっと、あなた。くっつきすぎではなくて?」
「えー。これくらい、スキンシップのうちですぅ」
「そう……。では、わたくしも……」
「……うっ。じ、じゃあ……こういうところ、なんかも……ぴと」
 なんだかんだいいながら、楓と孫子は、競うようにして香也の体をまさぐったり首筋や耳に息を吹きかけたりしている。
 競うように……と、いうよりも、どうみても、完全に、対抗意識を剥き出しにして……香也の体を愛撫しはじめる。男性経験のない孫子は、楓の動きを後追いで真似しているような感じだが、その楓にしてからが、経験豊富、というわけではない。
 要するに香也は……楓と孫子の性的な好奇心を満足させるための、玩具と化していた。
 もちろん、両脇から全裸ですり寄られれば、悪い気はしない……どころか、やーわらかい感触とか、ほのかに鼻腔をくすぐる甘い香りとか、なんともいえない気分にはなってくるわけだが……だからといって、完全に理性を失ってどちらかに襲いかかったりすれば、残った方から容赦ない攻撃が来るのは必須であり……一方的に弄くられて内圧は高まっていくが、それを発散させる場があらかじめ塞がれている、という状況であった。
 一見天国、実態は地獄。
 ……それでいて……もともと対抗意識が強い楓と孫子は、香也を挟んでにらみ合い、どちらかが太股に手を這わせれば片方も従う。耳たぶを甘噛みすればもう一方も真似をする。両脇から首筋を舐め廻されたり、太股に両足を絡ませたて恥丘や陰毛を擦りつけられたり……と、二人の行為はどんどんエスカレートしていくのであった。

「あっ」
「あっ」
 香也の両脇から、同時声がして、二人の動きが止まったのは……二人がほぼ同時に、香也が鼻血を出しはじめたことに気づいたからだ。
 二人は慌てて香也の体を両脇から抱えて湯船から出し、洗い場の上に横たえた。

[つづき]
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