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はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)  そのさんじゅうきゅう

そのさんじゅうきゅう 「ひどいよ千鶴さん」

 あんあちゃんは冷静な千鶴さんの声をたしかに聞いてはいたのだが、まともに思考をできない状態にあったので、千鶴さんの言葉の意味は理解していなかった。ただ、さっきまで奥まで届いていた雅史くんが、ほんの少し浅い位置で留まりつつ、相変わらずのリズムで往還していることだけは体感している。
 雅史くんは、千鶴さんに制止されるまでもなく、あんなちゃんの中に射精するつもりはなかった。初めてとは思えないほどの狂態をさらしているあんなちゃんとは違って、あそこは硬度を保ちながらも、いっこうに射精感は高まってこないのが、自分でも不思議だった。本日すでに三度の精を放っていたが、それだけが原因とも思われない。あんなちゃんにも千鶴さんにも、もちろん打ち明けたことはないのだが、雅史くんが以前、試しに自慰を連続でやってっみたときの最高記録は、一日に六回にものぼる。もっとも最後の方は、ほとんど水に近い、透明度の高い液体しか出なかったが。雅史くんは、あんなちゃんの感じた様子をみればみるほど、自分自身は冷静になっていった。
 ただ、自分の動きがこんなにもあんなちゃんを喜ばせている、という事実が、とても誇らしくて、かつ、嬉しかった。
 千鶴さんは、もちろん、妊娠の可能性からあんなちゃんの身を守る、という目的が第一番にあたわけだけど、それ以外にも、同じ初めて同士なのに、痛みよりも快楽の方をずっと多く感じているあんなちゃんの様子をみて、理不尽な思いを抱いていたことも、また、確かなのだ。自分のときは、あんなに痛かったのに。今でもじんじんしているのに。
 ……いくら個人差があるといっても、はじめっからこんなによがっちゃっていやらしいうらやましい。
 そこで、例のなんか根本的なところで間違っているような「勉強」で得た知識の中に、「男性の根本をきつく締め付けると、射精する管を圧迫して、射精を防ぐことができる」という一節があったことを思いだし、雅史くんの根本に指を回して渾身の力で締め付ける。雅史くんのは、精液が通る管と同様、普通の血管も締め付けられているわけで、そこに集中した血液は流入流出ともに厳しく制限された状態になったわけで、硬度は変わらないものの、どんどん赤黒く、不健康な色に変色しはじめた。
 そんな変化に気づいたのか気づいていないのか、千鶴さんはもう一方の手を雅史くんの腰に当て、半ば体重を預けるようにして、上下の動きを加速させる。
 侵入する深度こそ、千鶴さんが根本の回した指の幅の分、あんなちゃんの一体感も浅くなったわけだが、その分を埋め合わせるように、千鶴さんの助力分勢いと速度が、今まで以上に加わっている。
 あんなちゃんは、雅史くんと千鶴さんの共同作業によって、半ば強制的に、どんどん高みに運ばれていた。
 雅史くんの下になっているあんなちゃんは、少し前から奇声を発しつつ、両手で頭をかきむしる、雅史くんの首や肩や背中に手を回す、抱きつく、背をそらす、自分の口の周りを舐める、震える、などなど、めぐるましく、雅史くんに縫いつけられている部分以外の部分を動かしていたが、千鶴さんが参加したことにより、その動きの慌ただしさに一層拍車がかかり、かと思うと突然、ピンと背筋を張って、喉をのけぞらせ、
「ぁっーーーぁっーーーぁっーーーぁっーーーぁっーーーぁっーーー」
 としか表記できない、長く尾を引く掠れ声をあげながら、びくんびくんびくん、と、三、四度、全身を痙攣させて、静かになる。
 しばらく床の上でぴくぴく震えているばかりになった。
「いっちゃった?」
「みたいですねえ」
 他人事のような応答をする千鶴さんと雅史くん。
 雅史くんは、しばらく震えているばかりのあんなちゃんの様子を確認して、すぽん、と音をたてて、あんなちゃんの中から自分自身を引き抜く。ほぼ同時に、千鶴さんもそこの根本に添えていた指を離す。
 湯気と透明な液体にまみれているそこは、千鶴さんが指をはなすと、ぶるん、と鎌首をもたげ、なんだか前にみたときよりも、一回り大きく、逞しくなったように見えた。射精の痕跡は、雅史くんのほうにもあんなちゃんの方にも認められない。
「……おつかかれー……」
 このようなとき、どのような言葉をかけるのが適切であるの知らない千鶴さんは、とりあえず、そうねぎらって、ぺちぺちと雅史くんの肩を叩く。実際、雅史くんもかなりきつい肉体労働をした直後で、肩で息してるし。
 しばし無言のまま、三人それぞれ、余韻に浸ったり、休んだり、ただぼうっと見守っていたりして、数分がたった頃、
「んふっ」
 と、横になていたあんなちゃんが、ちょっとやばめの笑い声を上げはじめた。
「んふっ。んふっ。んふっ。んふっ。んふっ。んふっ。」
「大丈夫、あんなちゃん」
 と、四つん這いになって千鶴さんがあんなちゃんの顔をのぞき込もうとすると、あんなちゃんは、その千鶴さん首に素早く腕を回し、がっちりとホールドした。四つん這いになったところに、下からあんなちゃんに抱きつかれた千鶴さんは、ろくに身動きがとれないようになる。
「おーねーえーちゃーんー」
 千鶴さんの首にぶら下がるようにして抱きついたまま、あんなちゃんはとろけたような表情で、千鶴さんの耳元で囁く。
「っごい、さあいこー。とんだとんだとんじゃった」
 平坦な、抑揚のない口調でそういうと、あんなちゃんは、そのまま舌を千鶴さんの耳の中にいれる。ひゃん、という色っぽい声をあげる千鶴さんには構わず、あんなちゃんは、
「さいこーだから、これからまぁくんと二人で、おねぇさんを連れていってあげるねー。これから」
 と、続ける。
 四つん這いのまま拘束されている千鶴さんの背筋に、ぞわぞわぞわぞわ、と、悪寒が走る。


[つづき]
迷った人のための、「はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)」の【目次】




 

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