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はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)  そのよんじゅうよん

そのよんじゅうよん 「戦い済んで日が暮れて」

 どこかで蝉が、喧しいほどに鳴いていた。

 千鶴さんが目覚めた時、浴室の中はきれいな夕陽の色に染まっていた。窓の隙間から見える空は、すでに日が暮れかけている。
 千鶴さんは半身を起こし、傍らに寄り添って寝息をたてている幼いカップルに目線を移す。こうしてみると、雅史くんの肩幅は、けっこう大きい。そんな「少年」から「男性」の体に移行しつつある時期の、しなやかな雅史くんの体に、ほっそりとした手足の、しかし、ところどころ女性らしい丸みを帯びつつあるあんなちゃんの体が、ぴったりとはりついていた。
 二人をみていた千鶴さんは、しばらくして、なにか思い出したかのようにせわしない仕草で、飛沫が二人の体にかからないように細心の注意をしながら、手早くシャワーを浴びる。とくに、雅史くんにいっぱい放出された中の部分を、二人に背を向けて入念に洗い、そそくさと浴室を後にする。
 二人が目覚めたら、またそれなりに一騒動起きそうな気もするが、その収拾は当事者たちに任せることにしよう。
 これから夕食の支度をしなければならないし、薬局にも寄らねばならない。


[つづき]
迷った人のための、「はい(♀)×ろぅ(♂)×ろぅ(♀)」の【目次】





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