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彼女はくノ一! 第五話 (70)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(70)

「……当面は、ここに書いてある、不法投棄ゴミの問題に重点を置く、ということで、放送部の人たちが集めたデータを、学校のサイトにアップしたいという事なんですけど……」
 楓は放送部謹製の企画書、その該当箇所を指さしながら、その場にいた放送部員たちに、たった今美術室で話してきた内容を説明する。
「……放送部の人たちの、調査報告を、集めた端からアップし続ける、ということになりそうです……」
 コピー用紙を見ながら楓の説明を聞いていたパソコン部員たちは、お互いに顔を見合わせた。
「これ……これ、本当に放送部の企画?」
「……なんか地味……っていうか、あの連中のアイデアにしては、真面目すぎ!」
「部活、というより、授業でやりそうな内容だな……」
 ようするに、今までの「放送部の実績」と比較すると、内容的に乖離しすぎている……という意見が。多かった。
 本論もできず、愛想笑いがひきつり気味になる楓。
「あの……松島さん……」
 不信感を隠そうとしないパソコン部員を代表する形で、堺雅史が、いいにくそうに、楓に問いただす。
「本当に、これ……裏、とかないの?
 何か知っていることがあれば、今のうち、いってくれたほうが、ぼくたちも協力しやすいんだけど……」
 堺の言葉に「うんうん」と頷くパソコン部員たち。
「協力しやすい……というより、あれ、またなんか企んでいるんなら、早いうちから詳しい事情を話して欲しいよな……。
 どうせアレだろ? 最後にはお祭り騒ぎになるんだろ?」
 という意見が、やたらと多かった。
 楓は、
「……あは。あはははは……」
 と、ひとしきり乾いた笑いを放った後、楓は、観念して「商店街への客寄せ」の部分までを含めた構想の大部分を放送部員たちに説明するはめになった。
 荒野や楓側の動機については説明できないので、この場では「玉木さんの要望に答える形で、そうした協力を行うことになった」と説明する。
「……なるほど……この真面目さは、そこまで持っていくためのカモフラージュか……」
「放送部……いや、玉木たちが考えそうなことだよな、そういう派手なの……」
「駅前……閑散としているからな……そのくらいして、ちょうどいいか……」
「年末のアレが異常だったんだよ……アレをもう一度、っていうのは、お店やっている所には、割と切実かも……」
「……年末のアレ……楓ちゃん、また、ああいうのやるの?」
 斉藤遙という女生徒が、楓に問いかける。パソコン部では女生徒は完全に少数派であり、また、同じ一年ということもあって、部活中、楓とはよく話す間柄だった。
「……そのうち、やることにはなると思いますが……」
 楓は、考え考え、答える。
 まだしっかりと確認されたわけではないが、話しの流れからいっても……今後、楓も「年末のアレ、みたいなもの」にかり出される可能性は、かなり大きかった。
「二年の才賀さんが……バレンタインの前後を狙って、なにかやるそうです……うちの同居人の子たちと……」
「……あー……あの子たち……」
 堺雅史が声をあげる。
 狩野家に出入りする機会が多い堺は、ガク、ノリ、テンの三人のことも見知っていた。
「二年の加納先輩……そこの茅ちゃんのおじいさんの関係で、ぼくらよりも少し小さいくらいの女の子たちが三人、今、あそこの家に住んでいるんだ……」
 と、他の放送部員たちに簡単に説明する。
「なにぃ! あの家、また女の子増えたのか! 楓ちゃんと才賀さんが住んでいるだけでも許し難いのに!」
「美人か!? 可愛いのか!? やっぱりまた美人なのか! 才賀さんと一緒にイベントに出るくらいだから見劣りしない子たちなんだな!」
「……くっそー、あの糸目め! 一人だけいい思いをしやがって……」
 堺の説明を受け、いきなり騒ぎはじめる堺以外の男子部員たち。
「……ああいうバカどもは、とりあえず置いておいて……」
 斉藤遙は、体の前で見えない荷物を持ち上げ、脇に置き直すような動作を、パントマイムで行う。
「それだけ大がかりなことやるとなると、楓ちゃん、またプログラム、この場でぱーっと書き上げちゃうつもりでしょ?
 そっちを手伝えるほど、わたしたち、スキルはないけど……でも、簡単なhtmlのコードぐらい、書けるのいっぱいいるから……当面の、さっき話していた放送部の不法投棄ゴミのレポート、ぐらいは手伝えるから……。
 ほら、男子、無駄に騒いでないで、協力する気があるのはこっちに集合!
 これから放送部の所に出向いていって、打ち合わせしてくるよ!」
 と、片手をあげる。
 それまで騒いでいたパソコン部員たちの半分以上が、斉藤遙の呼びかけに応じてぞろぞろ集まり、実習室から出て行った。

 残ったのは、協力する気がないものと、それに、それなりにプログラムの知識があり、楓の仕事をいくらかでも手伝うつもりになっている部員たちだった。
「楓ちゃん……それで、とりあえず、今度はどういうプログラム、必要なの?」
 そう声をかけてきた堺雅史は、後者だ。
 楓ほど徹底的に知識を詰め込んでいるわけではないが、堺にしても、この年齢のアマチュアとしてはかなり高度な知識と経験を持っている。
「……データを共有出来る、スケジュール管理ソフトなの……」
 楓、ではなく、茅が、堺に答えた。
 続いて茅は用意して欲しいソフトの条件をかなり詳しく述べはじめる。
 携帯のメールで作業予約、予約の変更が可能なこと。
 携帯電話の画面でも、予約状況の確認が可能なこと。
 誰でも仕事の依頼をできるフォームの設置。
「……以上は、トータルで必要となるもの……」
 不法投棄ゴミを片付ける、などの、いっぺんに大人数の人手が必要になる仕事では、こうした情報の管理が必須だった。
 それとは別に、仕事の種類に応じて、個別に必要になるものがある、と、茅はさらに続ける。
「……一人暮らしのお年寄りに定期的に訪問するためには……」
 訪問を希望する人と、その仕事が可能でボランティア希望者の都合をうまくすりあわせるためのスケジュール管理やオペレーションのためのシステム……特に、住所によるマッチングシステムは、あったほうがいい……。
「……ちょ、ちょっと待って……」
 まだまだ細かい内容をしゃべりそうな勢いの茅を、堺はとりあえず、とどめた。
「それだけ大がかりになると……メモとって、ちゃんとした仕様書から起こさないと、後々絶対困る……」
 そういって、自分の鞄の中からレポート用紙と筆記用具を取り出した。
 いくら楓が優秀なスクリプトライターであり、囲碁勝負の件でのように、既製のフリースクリプトに手を加えるにしても……それだけ大規模なシステムともなると、使用に耐えるだけの形にするまでにも、保守や管理をするのにも、多人数の手が、必要になる……そうなると、仕様書やマニュアルの整備は、不可欠だった。
「それに……それだけ大きなプログラムを、二十四時間稼働させることが条件になると……学校が管理するサーバじゃあ、ちょっと不安だよ……。
 個人情報を預かるわけだから、セキュリティの面からいっても……どっかから、もっとしっかりとしたサーバ、確保する必要があると思う……」
「そのあたりは、徳川にも頼むつもりなの……」
 茅も、堺の言葉に頷く。
「茅、浅黄と友達だから……ちゃんと頼めば聞き届けてくれると思うの……」

[つづく]
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