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今は亡き友の妻 (9)

今は亡き友の妻 (9)

 壁際の大型液晶に、衣服をほとんどはぎ取られ、あられもない恰好をした響子が映っていた。響子は剥き出しになった乳房を隠そうとはせず、むしろ胸を張って誇示するかのように背筋を伸ばし、両膝を揃えておれの膝の上に座っている。その張りのある肌とボディラインとは、成熟した、そして、加齢によりこれから少しづつ衰えていくはずのぎりぎりの時点の、あやうさを伴った緊張を孕んで、響子という女性の「現在の」美しさを主張している。
 おれは、背中から廻した掌で、その、ほどよい大きさの乳房を下から持ち上げるように包み込み、じっとりとした肌触りと重さを愉しんだ。意外に着やせするタチなのか、下から掌で包み込んんでもその膨らみの半分も包めない。それほどの大きさの双丘が、重力に逆らってピンとその尖端を上に向けている。見事なフォルムだった。乳首は色が薄く、乳輪も小さく、そこには、そろそろ三十に手が届こうかという響子の年齢を感じさせる要因はなかった。服を脱いでも、やはり響子は、実際の年齢よりもずっと若く見える。
 おれは、おれ自身が背後から手を回し、たっぷりとした胸の膨らみの感触を愉しんでいる映像を、少し離れた場所にある液晶の中の映像でリアルタイムに観ながら、行為に没頭している。大型液晶テレビは、おれと響子が座っている場所からはちょうど正面に位置していて、そこに自分たちの姿が映っているという感覚は、なかなか不思議な感じがした。おれはその映像を観ながら、自分の手や指の位置を調整し、力を込めすぎないように細心の注意を払いながら、響子の身体の表面を、そっとまさぐり続ける。
「こうして自分の裸を映像で観るのは初めてですか?」
「初めてです」
「愛撫される様子をビデオに撮られるのは初めてですか?」
「初めてです」
「良樹以外の男性に肌を触れさせたのは初めてですか?」
「初めてです」
 響子は、たぶん緊張で、多少強ばった表情をしていたものの、それでも比較的冷静に現在の屈辱的な境遇を受け入れているように見えた。頬に赤みが差してはいるものの、それ以外の感情を外に出すまい、と、努めているようにみえる。
 だが、その表面上の冷静さも、おれの言葉が響子の触れられたくない部分にまで浸食していくまでのことだった。
「良樹が不在の間に、自分で自分を慰めたことがありますが?」
「……答えたくありません!」
 響子の言葉が激したのと同時に、おれは爪をたて、少し力を入れて響子の乳首をつまみ上げた。「ひっ!」と、響子が小さく息を吸い込む音がした。
「こうして、良樹以外の男に乱暴に扱われることを想像したことはありませんか?」
「答えたくありません!」
「貴女は、この家に良樹が泊まったのはたった九十七日、といいました。そのうち、良樹が貴女を抱いたのは、何日ですか?」
「答えたくありません!」
「半分ですか? 三分の二? それとも、三分の一以下?」
「答えたくありません!」
「ひょっとして、響子さんは、生前から良樹との性行為に不満をお持ちだったのではないですか?」
「答えたくありません!」
「これからわたしは貴女を抱くわけですが、荒々しく抱かれるのと優しく抱かれるのとどちらが良いですか?」
「答えたく……あ。や。いえ。できれば、やさしく……ひぃっ!」
 後半の悲鳴は、おれが予告なく響子の下着に手を突っ込み、響子自身の感触を指先で確かめたために起こったものだ。
 そこは、じっとりと湿りはじめていた。
「響子さんのあそこが湿りはじめていますねぇ」
 響子は、深呼吸をして気を静めようとしているが、おれの言葉には応えない。
「さっきはあんなに乾いていたのに、今は湿っています。なにかいやらしいことを想像したんですか?
 それとも、響子さんは、あの程度の軽いお触りでこんなに濡れるほど、感じやすいんですか?」
 おれは響子の裂け目に浅く指の先を突き立て、わざとくちゅくちゅと音がたつように、そこを掻き回す。
「最後に良樹をここで感じたのは、どれくらい前ですか?」
 言いながらおれが指をさらに深い部分につっこむと、じゅん、と音をたてて、響子の中から液体がしみ出してきた。
「響子さんのここは、おれの愛撫を歓迎しているようです。ほら、こんなに濡れてきた」
 おれは、液晶画面にアップになった響子の股間部分を示しながら、強固の耳の後ろから囁きかける。
「ほら、響子さんの下着の色、もう、ごまかしようがないくらいに、湿った色に変わってきています」
 ふん、と響子の荒く息をついた。
 その吐息は、響子が自分の興奮を悟られまいとしているようにも、取れた。


[つづく]
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  • 2005/11/12(Sat) 22:55 
  •  
  • #
  • [edit]

修正完了ですよ、ぼむさん

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