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今は亡き友の妻 (13)

今は亡き友の妻 (13)

 響子はおれのものを口に含んで前後させたが、口に含んで動かしているだけ、という感じで、力の加減を知らないのか、恐る恐る、といった感じで、緩く閉じた口唇だけで刺激を受けても、少しも気持ちよくない。響子は、舌や歯を使うことも知らないようだったし、動き自体が不器用でぎこちなく、全然洗練されたものではなかった。年中仕事仕事で飛び回っていた良樹しか男を知らない、というのは、たぶん、本当のことだろう。
 それでも、響子のような女が自分から咥えてくれている、という事実だけは、おれにとっては充分に刺激的であったわけだが……。
「響子ちゃん、本当にヘタねぇ」
 しかし、冨美子は横合いから口を出す。
「そんなんじゃ、ちっとも気持ちよくならないわよ。良樹で練習しなかったの?」
 ぷはぁ、という感じで、響子はいったんおれのものから口を放す。
「……良樹さん、あんまりこういうの好きじゃなかったから……」
 そして、ビデオのレンズ越しに上目使いにおれの目をのぞき込み、
「先輩、これじゃあ気持ちよくないですか?」
 と、首を傾げてみせる。
 一瞬、液晶モニタ越しに観た、その響子の挙動にくらくらっと来たが、おれは精一杯平静を装いつつ、
「あー。もっと強く噛んでもいいよ。強すぎると痛いけど、適度な刺激はかえっていい」
「強弱をつけたり、竿とか鈴口とか、部分的に責めるのもありだな」
 とか、適当にご託を並べてみる。
 すると、
「……こう……ふぉうですか?」
 と、響子は、言われた通りのそのままのことをそのまま試しておれの反応を伺う。その素直さに感じ入ったのか、冨美子も、
「もっと舌を使って」
「たまには玉とかを口に含んでみるのもいいかも?」
 とか口を挟みはじめ、どうした加減か、おれたち夫婦で響子に「実践フェラチオ講座」をやっているような案配になった。

 ……っつうか、マジで、なんでこういうノリになる??

 そんなこんなで、それから二十~三十分くらい、おれたち夫婦になんだかんだいわれながら、響子はおれのナニを練習台にして頑張っていたのだが、そのうちに段々と疲れが溜まってきたらしく、
「ふわぁ」
 と、ついにおれのイチモツから口をはなし、どさり、と、自分の身体を後ろに倒し、ソファのクッションに体重を預け、いった。
「すいません。わたし、口が疲れました」
「イヤイヤイヤ。ご苦労さん。でも、最後のほうは結構いい線いってたよ。うん」
「あとは練習あるのみ、ね。しっかし、響子ちゃん、本当に経験なさそうねぇ。良樹、本当にほったらかしにしていたんだ……」
「……あの人……」
 横になりながら、響子はいった。
「あまり帰ってこなかったし、帰ってきても疲れてて、すぐ寝ちゃう事が多かったし……」
 ……やばい……少し涙声になってきている。
 こんな場面で湿っぽくなるのはイヤだぞおれ、と、思い、冨美子のほうをチラリと観ると、ちょうど目があって、微かに頷いた冨美子は、ソファの上に仰向けに横になっている響子にしなだれかかるように寄り添い、耳元に囁くように、
「その割には、感じやすいじゃない。響子ちゃん」
 といいつつ、響子の乳首のほうに手を伸ばした。
 冨美子の指先が少し触れただけで、響子の身体が、びくん、と、震える。なるほど、感じやすい。
「良樹にあまり相手にされなかった響子ちゃんの身体が、こんなに開発されているのは何故かなぁー」
 とかいいつつ、冨美子は乳首だけにとどまらず、もっといろいろなところを触りはじめる。響子はといえば、おれが後ろ手にネクタイで両手首を縛めたまま仰向けに寝そべっているわけで、その状態ではろくな抵抗もできるはずもなく、なすがまま、弄られるがままで、細い声を上げたり身体を震わせたりしている。
 ……ひょっとして……。
「自分でやってた、とか?」
 冨美子の一方的な愛撫をビデオに収めながら、おれは容易に思いつく可能性を指摘すると、
「もう! デリカシーのない野郎はこれだから。女の子に面と向かってそういうこと言わない!」
 と、冨美子が即座に反応する。その年齢で「女の子」は少し図々しいんじゃないか?
「でも、響子ちゃん、自分自身でやってたんでしょう?」
 さらに問いつめるし。しかも責める手を休ませてないし。
 当の響子は、見ていて可哀想になるくらい全身を朱に染めて、「あうぅぅぅ」、とか可愛い声を上げて返答を避けている。まあ、実際に休む間もなく続けられる冨美子の愛撫に、感じまくっている、というのもあるだろうが。なにせ同性同士だから、感じるポイントわきまえているわけだし。
 ……後で、いま収録しているこのビデオをダビングして持ち帰って、今後の夫婦生活の参考にしようかな、とか、半ば本気で思いながら、ふと思いついて、
「あれ、良樹のことだからさ、『ボクのいない間、どうしても寂しいときは、これつかって』とかいって、道具渡してたりして……」
 と、ぽつりといったら、
「ありうる!」
 大声で賛同し、それどころかガバリと身を起こして、
「優しくて、用意周到で、気配りもそれなりにするけど、時折その方向性をとんでもない方に勘違いさせる良樹の性格! そう考えると、絶対にあるはず!」
 冨美子は叫んで、「ちょっと後退。証拠、探してくる」と、怒濤の勢いで去っていった。

 おれが覗き込んでいるビデオカメラの液晶の中で響子は、ソファの上で真っ赤になってほぼ全裸の身体を一生懸命小さくしようと、もぞもぞ藻掻いていた。
 ……どうやら、かなり、恥ずかしがっているらしい。

 図星、なのか?


[つづき]
目次






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