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今は亡き友の妻 (14)

今は亡き友の妻 (14)

 このようなとき、素に戻るととても気恥ずかしいというのはよく分かる。しかし、手足を丸めて(いや、正確にいうと手は後ろでネクタイ縛りされたまんま、なのだが)、可能な限り縮こまってソファの上でおれに背中を向けて、全身で恥ずがっていることを表現している響子は、なんというかどうにも子供っぽくて可愛らしく、こういうシュチュエーションでなければ頭のひとつも撫でてやりたい気持ちにさせられた。
 かわりにおれは持っていたビデオカメラを再び三脚に据え直し、出しっぱなしになっていた半勃ちになったモチモノもスラックスの中に収納して、煙草に火をつけて一服することにした。紫煙を吸い込みながら、ビデオカメラの液晶ファインダーを見ると、背を丸めた響子の身体がちょこんとソファに乗っかっていて、あまりエロチックとはいえないものの、これはこれで絵になる構図だよな、とか、漠然と思う。
 そんな休憩時間をしばし満喫していると、
「はーい! あったあったありました。夫婦の寝室のベッドの下、という非常にベタで分かりやすい場所に!」
 とか喚きながら、どたどたと騒がしく冨美子が居間に駆け込んでくる。その冨美子の声が聞こえた途端、丸まったままの響子の背中に、震えが走った。
「夫婦のお宝、ゲットだぜ!」
 冨美子の掌には、ピンク・ローター、おれのの一・五倍はあるのではないかと思われる黒光りする巨大なヴァイブレーター、チューブ入りのナニか(媚薬? ローション?)などのアダルトグッズがてんこ盛りになっていて……。
 内心、
 ──おいおい。良樹ちゃんよ、お宅らいったいどういう夫婦生活送ってたんだよ……。
 とか、思わないでもなかったり。
「すごいね。響子ちゃん。こんなのわたしでも入らないよ。これ入れてるの?」
 固まっているおれと響子には構わず、冨美子は持っていたグッズ類をざらざらとテーブルの上に持ち上げ、その中でもひときわ大きい、黒塗りの巨大なヴァイブレーターを取り出し、弄びながら、感心したように声を上げた。
「あ。スイッチ入った。わ! 凄い振動」
 興味津々、といった感じで、きゃいきゃい騒いでいる。
「さて、せっかく持ってきたんだから、使ってみましょうかね」
 わざと、おれはのんびりとした口調を作って、グッズの山の中から適当にローターを取り出し、コードが伸びている楕円形のそれを握りながら、もう一方の手でスイッチを入れてみた。
 む。たしかに、凄い振動。
 ぶぶぶぶぶ、と、鈍い音を立てて振動する物体のコードを持ってそれを垂らし、相変わらず背を丸めておれたちの視線を避けている響子のうなじに辺りに降ろしていく。耳の後ろあたりにその物体が当たると、響子の身体は、大仰なほど、震えた。
「やっぱり響子ちゃん、敏感」
 一方、冨美子は、遠慮する性格でもタマでもないとばかりに、手に持っていた巨大黒ヴァイブを、響子の背筋にあてて、後ろから、ふーっ、と、わざとらしく、響子の耳に息を吹きかけた。
 おれたちが二人がかりで振動グッズを使い、響子の敏感そうな部分のそこここを責め立てていくと、やがて我慢しきれなくなったのか、響子は身を起こし、
「もう! いい加減、やめて……」
 と、叫びかけたが、その言葉は、途中で容赦なく塞がれた。
 ……冨美子が身を起こした響子の胸に飛び込み、強引に、自分の口唇で、響子の口唇を、塞いだのだ……。わが妻ながら、頭が痛い。
 なんでおれはこんなのと籍をいれたのだろう?
 冨美子は響子の口内を自分の舌で犯しながら、持っていたヴァイブレーターを使うことも忘れず、それを響子の乳首とか腹とかもっと下の部分とかに押し当て続ける。目で合図して、おれにもそうしろと、即す。
 響子の抵抗はすぐに弱まり、ほとんど冨美子のなすがままになってきたこともあって、おれは持っていたローター響子の肌に押し当てて、冨美子に協力することにした。
 冨美子が響子を犯していたのは、実際には多分、一分もしないくらいの短い時間だったと思うのだが、そばで見ていたおれにはかなり濃密に感じられたもんだ。いや、自分の嫁さんが旧知の同性の知人を襲う現場に居合わせた男も、かなりレアだと思うし。とにかく、その、一分にも満たない時間に、冨美子は持っていた巨大黒ヴァイブを、響子の股間に押し当てていた。
 そこまでくれば、もはや響子にも抵抗するだけの心理的余裕は残されていないわけで、というか、もう、冨美子が口唇を放して身を起こしても、響子は、何ともいえない切なそうな表情をして、いやいやをするように首を横にふることくらいしかできなかった。たぶん、強制的に送られてくる性的な刺激を耐えるのに、精一杯だったんだと思う。
「はいはい。もっとひっついて」
 響子から少し距離をとった冨美子は、ピンクローターを響子の乳首に押し当てていたおれの肩をどやしつけるようにして、響子の方に押し出す。
「これからは、あんたとあんたの肉棒が必要になるんだから、ちゃんと働きなさいよ」
 などと、身も蓋もない言い方をする。冨美子に押されて姿勢を崩したおれは、ソファの背もたれに手をついて、響子の上に覆い被さるような恰好になっている。
 しばらくは誰もなにもいわず、無言の室内に、ぶぶぶぶぶ、びゅいんびゅいんびゅいん、というアダルトグッズの作動音だけが、響く。

 もうだめぇ、と、いいながら、響子が、おれの首に自分の腕を巻き付けて、おれの口唇を塞いだのは、それからしばらくしてからだった。


[つづき]
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ばなー

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