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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(140)

第六章 「血と技」(140)

 シルヴィは男物のコットン・シャツを着ていた。そして、胸元にぎゅっと首を抱え込まれている荒野は、その胸元から匂い立ってくるシルヴィの体臭を否応なくかいでいる。明らかに、茅や日本人の、淡泊な汗の匂いではない。
 そして、海外生活の長い荒野には、むしろ、そうした濃厚な匂いのであるほうが、「ヒト」を実感できる。それに、顔を埋めつくさんとしている弾力のある感触……。
「……ヴィ……。
 大きい……」
 くぐもった声で、荒野がいった。口も鼻も、シルヴィのバストが押しつけられているので、発音が不明瞭になる。
 荒野が話すと、「……ふっ、んっ……」とか、鼻から息を吐いて、シルヴィの体がぶるんと震えた。
「コウ……服、脱がせて……」
 熱のこもった声で、シルヴィが荒野を即す。
 その間にも、シルヴィは自分の膝頭で荒野の股間を撫でさすっている。荒野を刺激している、というよりは、荒野の感触を楽しんでいる風であった。
「……こんなに密着していたら、無理だよ……」
 依然として荒野の頭をしっかりと抱きかかえているシルヴィに、荒野はささやかな抵抗の声をあげる。すると、またシルヴィの体全体が震えた。
 あっ。
 これだけぴったりくっついていると、荒野の吐息が肌にあたるのか……と、今わらながらに荒野も気づく。
「……やって、そのまま……」
 シルヴィの声には震えが混じりはじめている。
「手が使えなかったら、口で……」
「……涎で、服がよごれるよ……」
 荒野が抗議すると、また、シルヴィの体が震える。
 間違いない。シルヴィは、もう感じはじめている……と、荒野は思った。
 一種の自己暗示、みたいなこともやっているのだろうか? と、荒野は推測する。
 こうして抱き合っているだけで、自然に性感が高まる……という例を、経験の浅い荒野は、想像も想定もできない。
 しかし、シルヴィが一向に腕の力を緩めようとしないので、しかたなく比較的隙間の空いているシルヴィのおなかのあたりに強引に手を潜りこませて、シルヴィのベルトをゆるめた。その際、シャツ越しにシルヴィの腹部をまさぐるような形になり、荒野はシルヴィの腹部がよく引き締まっていることを確認する。
『……胸は、こんなに大きいのに……』
 と、荒野は顔に押しつけられている物体と比較して、シルヴィの裸体を想像した。こうして押しつけられてみると否が応でも実感するが……シルヴィの胸は、大きい。荒野の頭部よりは流石に小さい筈だ……と、思うが……。油断していると、乳房に鼻と口を塞がれて、呼吸が困難になる。大きいだけでなく、押し戻すような張りのある弾力も、持っている。この分だと、ブラを外しても形が崩れることはないだろう……。
 引き締まった腹部と併せて想像すると……普段は、体の線が出にくいスーツ姿であることが多いが……ヴィは、着痩せして見えるタイプだな……と、荒野は思った。
 そんなことを考えながら、ようやくベルトを緩め終わる。
 するとシルヴィはすぐに器用に腰をゆすって、スラックスを落とした。
「抱いて……抱き寄せて、コウ……」
 シルヴィが、囁く。
「……嫌だといったら?」
「押し倒して、裸にひん剥いて、泣かす。一晩中、泣かす」
 即答、だった。
 仕方なく荒野は、シルヴィが荒野にそうしているように、腕をシルヴィの腰に廻し、しっかりと抱き寄せ、密着させる。
 ソファに座っている荒野の上に、膝立ちになっているシルヴィが正面から密着している、という形になった。
 相変わらずシルヴィの豊かなバストが荒野の顔をむぎゅっと覆っているので、呼吸が苦しい。
「……少しは動いてよ、コウ……」
 注文が多いなぁ……と思いながら、荒野は背中に廻した手を、背骨に沿って上下に動かし、シルヴィの背中から臀部にかけてをまさぐる。
 また、シルヴィが身じろぎした。
「……あっ……」
 手が下がりきった時、荒野は感触にある違和感を感じ、思わず声をあげる。
「紐みたいな……。
 ……随分……小さな、パンツ……」
 いわゆるTバッグというやつだったが、荒野は、その手の下着の名称や分類には……まるで詳しくなかった。
「これだと、下着の線が出にくいの……」
 シルヴィが、「姉」の口調になって説明する。
「別に……コウのために、これを履いていた訳では、ないんだから……」
 ……どうかな? と、荒野は思った。
 そんなこと、わざわざ、いう必要もないと思うけど……。
 荒野は、シルヴィのヒップの形を確かめるように、掌でそこを包み込み、なでてみる。弾むような弾力の臀部が、ほとんどむき出しになって手に吸い付くような肌の感触を伝えていた。
 バストと同じく、ヒップから腿にかけても、大きく張り出している形だな……と、その感触から荒野は想像した。
 これだけ見栄えのする体型なら、いつでもピンナップガールに転職できるのではないか、と。
「……ほらぁ……」
 シルヴィが拗ねたような声を出して、荒野の顔に押しつけている胸を揺さぶる。
「早く……脱がして……」
 そういいながらも腕に力を込めて、ぐいぐいと荒野の顔を自分の胸に押しつ続ける。
 他に方法がなかったので、荒野はシルヴィの胸の谷間に顔を埋め、まさぐり、口と歯で、一つ一つシルヴィの前ボタンを外していく。荒野は、この時初めて、時間をかけて慎重に行えば、口と歯でも服のボタンを外せるのだ、ということを自身に証明した。
 シルヴィはといえば、荒野が顔を動かすたびに、「んっ」とか「ふっ」とかいいながら、背を軽くのけぞらせている。
 上から順番にボタンを外していき、前の開いたシャツから、ブラに包まれたシルヴィのバストが完全に姿を現す頃には、シルヴィも腕の力を抜いたので、荒野も息をつくことが可能となった。下着に包まれていてさえも、シルヴィのバストは半ば開いたシャツを左右に押し広げている。
 シルヴィが腕の力を緩めたことで少し隙間が空いたので、荒野は下のボタンは手で外すことにした。口で外す時よりはよっぽど早く確実に外すことができたので、おかげで時間の節約になった。




[つづき]
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