2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

彼女はくノ一! 第五話(307)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(307)

 風呂場から裸で逃げ出してきた後、香也は自分の部屋に逃げ込み、そこで服を着て、布団を敷き、証明を消して、その中に入った。
 まだ寝るのには早い時間だったが、プレハブに籠もって絵に集中できる気分では、ない。無性に、むしゃくしゃした。何だって自分は、ああいう場面ではっきりと拒絶することができないのか? あんなどさぐさまぎの関係、誰にとってもいい結果になるとは思えないのに……。
 そういって香也は、布団の中で股間に手を当てる。
 香也のそこは、朝に孫子の中に一度、先ほど、楓とノリの口にそれぞれ一度づつ放っているが、ガクの中に入った余韻で未だに勢いを保っており、半勃ちになっている。
 そこの感触を確かめると、香也は、自分でもコントロールしきれない、自分の若さと欲望とを、呪った。
 周囲の環境が激しく良くない、ということをはずしても、香也は、この年頃の少年にありがちなことに、自分の性的な欲求を持て余しがちである。
 そこを触り続けていると、そのまま自慰をはじめてしまいそうになるので、慌てて手を離して、硬く目をつむる。
 年齢が近い、異性の同居人が増えてからこっち、香也の自慰の回数は、めっきり減っている。彼女たちが処理してくれることを当てにして、ということではなく、自分でしている現場に踏み込まれ、気まずい思いをしたくなかったので、そういった事態を警戒して、自然と減ってしまった。
 そのおかげで一層、香也が誘惑に弱くなっている、という皮肉な側面もある。
 覚醒していると、どんどんネガティブなことを考えてしまいそうになるので、特に眠たくもなかったが、香也は目をつむり、必死に寝ようとした。

「……あの……いいですか……」
 いくらも経たないうちに、襖の向こうから、楓の声が聞こえた。
「い、今の……」
「……んー……。
 いいから……」
 香也は、布団を頭までひっかぶって答える。
「……気にして、ないし……」
 楓の性格と今し方の、風呂場での出来事を考え合わせれば、何をいいに来たのか、おおよその見当がつく。
「……いえ……その……。
 そういうことじゃなくって、せすね……いえ、あの……そういうことも含めて、なんですけど……」
 楓は、襖の向こうでなにやら説明しようとするのだが、いっこうに要領を得ない。
 気弱になった時、楓の口調は、妙に歯切れが悪く、回りくどくなる傾向があった。
「……こういうことですわっ!」
 いきなり、孫子の声がして、襖を開ける音がした。
 何事か、と香也が布団から首を出すと、パジャマ姿の楓と孫子、それにテン、ガク、ノリが勢ぞろいしている。
「相談の結果、この家の結束を固めるために、急遽、パジャマパーティーを執り行うことになりましたっ!
 会場は、この部屋ですっ!」
 孫子が合図すると、テン、ガク、ノリがわっと布団を運び込む。
 唐突な事態に、香也の理解力が追いつくより前に、ばたばたと香也の回りに布団が敷かれた。香也の部屋は八畳間で、ほんんど家具がない殺風景さと相俟って、かなり広く使える。壁から壁までぎっちりと布団を敷き詰めるような形になったが、なんとか人数分の布団を敷くことができた。
「話し合いの結果、香也様とも他のみなとも、もっと深いコミュニケーションが必要、ということで、意見が一致しました」
 上体を起こしただけで、ぽかん、と口を開けるだけで、ろくな反応もできない香也に、孫子が説明をする。
「思えば、こうして一緒に住んでいても、お互いのことを話し合う機会もあまりありませんでしたし……」
「……ねえ、おにーちゃん……」
 パジャマ姿のガクが、四つん這いになって香也に顔を近づける。
「さっき、無理矢理しちゃったこと……怒っている?」
 香也は、とりあえず無言で首を振る。
 自分の欲望を制御できなかった結果に対する自己嫌悪……などという感情を、ガクにうまく説明できるほど、香也は口が回る性質ではない。
「……よかったぁ……」
 ガクは、香也の複雑な胸中も知らずに、安堵の表情を浮かべた。
「おにーちゃんに……嫌われちゃったかと、思った……」
「ねーねー、おにーちゃん……」
 今度は、ノリが、ガクと同じ四つん這いになって、香也に顔を近づける。
「また……絵のこととか、教えてくれる?」
 香也は、これにも頷く。 
「……よあかったぁ……」
 ノリがそういって、香也も首に抱きついて、香也を押し倒した。
 それがきっかけとなって、周囲にいた少女たちが、「あーっ!」とか、「だめーっ!」とか叫びながら、我先にと香也に抱きついてくる。
「……ちょっ! ちょっ!
 そんなにされたら、また、さっきみたいにっ!」
 今度は、流石に香也も大声を上げて、手足をバタつかせて抵抗をする。
 もう……後になって、後悔するようなことは、したくなかった。
 抵抗の甲斐あってか、それとも、少女たちにも多少は反省するところがあったのか、風呂場での時とは違い、いったん盛り上がりかけた騒ぎは、今度はすぐに収束し、少女たちは、香也から少し離れて車座になる。
 香也は、はぁはぁと肩で息をしながら、少女たちを不審な表情で見渡す。
「……わたくしたちも、先ほど話し合った結果……このまま、中途半端なままでは、いろいろと混乱するばかりだという結論に達しました」
 正座をし、しゃんと正座をした孫子がそういうと、周囲の少女たちも、うんうんと頷いている。
「最初に確認しておきますが……香也様は、まだ……特定の女性と、深いおつき合いをするつもりは、ないのですよね?」
 香也は、頷く。
 特定の女性とつき合うつもりがない……というよりは、異性であれ同性であれ、誰かと深いつき合いをする……という事自体、自分にはまだ早すぎる、と、香也は感じている。
「ここにいる者たちは、わたくしも含めて、そんな香也様の気持ちを納得した上で、香也様と深い関係を結びたいと思ってます。
 その意志は、先ほど、確かに、確認いたしました……」
 孫子は、香也の目をまともに見据えて、そういいきった。
「しかし、香也様は、まだ特定の誰かとつき合う気はないとおっしゃいます。
 今日の例をみましても、現状をこのまま放置すれば、無用の混乱を招くのは、必定。
 そこで、わたくしたちは、話し合いの結果……香也様に、ここで一種の妥協案を、提案させていただきたいと思います……」




[つづき]
目次

有名ブログランキング

↓作品単位のランキングです。よろしければどうぞ。
newvel ranking  HONなび

アダルトアフィリエイト
エロアニメ
無修正アダルト動画 Smooth-movie.com
盗撮動画のデバガメ<br>

Comments

Post your comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

このページのトップへ