第六章 「血と技」(241)
「……んっ……」
最初は茅からだ、と荒野が告げると、茅は、もどかしげな所作でスカートを捲りあげ、その端を口でくわえて固定し、素早く下着を膝下に降ろした。
その育ち故か、茅はもともと羞恥心を感じるところが標準よりも少ないようだったし、それに、シルヴィの薬が回っている今の状況では、一刻も早く荒野に自分の内部を触れて欲しい……という欲望が、何よりも先行するのだろう。
その証拠に、スカートの裾をくわえて生白い下腹部の肌を露出した茅は、顔から耳まで真っ赤にしながら、湿った期待のこもっためで、荒野を上目遣いに見上げている。
「……茅……」
荒野がそういいながら、指先で、茅の秘処に触れると……。
「……茅のここを……どうして欲しい?」
茅はくぐもった声をもらした。
「……んんっ!」
荒野は、指を、茅の割れ目にそって、上下にゆっくりと動かす。
とくに力を込めて押しているつもりはないのだが、自然に、割れ目の奥の方に、指が沈む。
茅は、言葉で答える代わりに、荒野の分身を指で掴み、その先端を、自分の股間にあてがった。
「……もう、挿れて欲しいの?」
荒野が尋ねると、茅は、目を伏せて頷く。
「いつもは、もっとゆっくり準備してから挿れるのにな……」
いいながら、荒野は、ゆっくりと茅の体を押して、テーブルの上に腰掛けさせた。そうしておいて、茅の片足を持ち上げ、足首を自分の肩に置く。
メイド服のスカートを大きく捲れあげられた茅は、下半身を露出したまま、大股開きの格好になった。
「……茅の恥ずかしいところが、丸見えだね……」
できるかぎり平静な声をだしたが、実のところ、荒野もかなり興奮している。
酒見姉妹は両脇から、シルヴィは荒野の背中に自分の乳房を押しつけるようにして、茅の茂みのあたりを注視している。もちろん、灯りはそのままだから、すでに準備が整っている茅と荒野の局部は誰の目からも隠されることなく、晒されている。
「……ここに、欲しいの?」
荒野は、茅の茂みを指先でかき分けながら、再度茅に尋ねた。
「……今すぐ、挿て欲しいの?」
茅は、かすかに頷き、荒野の首に片手を回し、もう一方の手で荒野の硬直をゆるく握りながら、腰を、荒野の方に近づける。
「このまま……いきなり、欲しいの?」
茅は、答える代わりに、荒野の腰に両足を回し、股間をすりつけるように、抱き寄せる。
……これ以上、じらすのもアレか……と、思った荒野は、茅が軽く掴んでいる分身に体重を乗せ、ゆっくりと先端を茅の中に沈めていった。
茅のそこは、すでに荒野を受け入れられる体制になっていたが、荒野を呑み込んでいくと、茅は、首をのけぞらせて、全身を振るわせる。荒野の分身を包み込んでいる茅の部分は、いつもとは違った感じに震えて、荒野を受け入れた。
故意にゆっくりとした動きで茅の中に進入していくと、茅は、もどかしげに荒野の首を抱こうとする。
しかし荒野は、茅の腕には従わず、体を離したまま、腰だけを茅におしつけた。当然、茅との結合部は、酒見姉妹やシルヴィからも、丸見えである。
「……茅と繋がっているところ……みんな、みてるよ……」
荒野の分身が根本まで茅の中に沈み込むと、荒野はあえてかすれた声に出して、指摘をした。
茅は、スカートを口にくわえたまま、いやいやをするように、首をゆっくりと振る。
「……本当……」
「あんなに大きいの、すっかり、呑み込んでいます……」
酒見姉妹が、結合部を注視しながら、熱い吐息を吐く。
「カヤ……」
シルヴィが、荒野の股間に手を入れて、茅のそけい部を指先でまさぐった。
「……やっぱり……。
いやらしい汁が、溢れている……」
シルヴィの言葉を確認しようと、酒見姉妹が、無遠慮に指先で、茅と荒野の結合部の周辺、ということは、つまり、茅の敏感な部分、でもあるわけだが、とにかくそのへんを、まさぐる。
「……わ。本当……」
「茅様の、お汁……荒野様が刺さっているところから、どんどん溢れてきています……」
ことばと触覚により刺激を受け、茅は、すでに真っ赤になっていた顔を、さらに朱に染めた。むき出しになった茅の真っ白い腹部や大腿部にも、血の色がさしはじめる。
「……動くよ、茅……」
ひとこと断ってから、荒野は挿出しはじめる。
動かないままでも、荒野を包み込んだ茅の粘膜は、もぞもぞと蠢いて、誘うように荒野を刺激する。
あるいは茅以上に、荒野も辛抱が効かなくなりつつあった。
だから、荒野は、普段とは違い、最初から大きく腰を動かす。
そもそも、いつもなら挿入前に、かなり念入りに「準備」するのだが、今回は茅も荒野も、異常な状況に気が急いていて、それ以上に、極度に興奮しきっている。
二人とも、精神的な安寧よりも、より動物的な刺激を欲していた。
荒野は、本能に従って、茅の片足を高々を掲げ、結合部をよく見える状態にしながら、陰毛同士を打ちつけるように、大きく腰を動かした。
茅は最初のうち、エプロンをくわえて声を出すのをこらえていたが、すぐに、全身を震えわせて、歓喜の声を上げるようになる。
荒野が腰をひくごとに、茅の中からとどめなく透明な液体が噴出し、テーブルの上を濡らした。
極度に興奮していたためか、茅は、すぐに極まりきったようで、荒野の体とテーブルの間でばたばたと忙しなく手と首をふりながら、「やぁっ! 駄目っ! だめだめ駄目っ! いっちゃうっ! いっちゃうのっ!」とひとしきり叫んだ後、いきなりがっくりと全身の力を抜いて、ぐったりと静かになった。
荒野が動き出してから、五分も経過していない。
「……カヤ……」
シルヴィが、荒野の背中を抱きしめながら、呟く。
「もう……一人で、フィニッシュ?
コウ、まだまだなのにね……」
シルヴィは、荒野の腰に両手を当て、ゆっくりと後ろに引く。
「……ら、らめぇ……まだ、離れたく……」
茅が呂律の回らない、小さな声で抗議したが、茅の愛液にぬれた荒野の分身は、茅の中から完全に姿を現す。
「……わぁ……」
「荒野様、の……逞しくて、湯気をあげてますぅ……」
酒見姉妹は、視線を荒野の分身に釘付けにしながら、感嘆の声をあげる。
「コウのコック……」
すかさず、シルヴィが声をかける。
「次は、誰が食べる?
わたしが食べてもいいけど……」
シルヴィの挑発に乗って、酒見姉妹は、茅と同じようにスカートを大きく捲りあげ、躊躇いもなく下着を脱ぎ捨てた。痩せ型で小柄な酒見姉妹は、露出した下半身をみても、とても年齢相応にはみえない。肉付きが薄いし、陰毛など、茅より薄いくらいで、申し訳程度に生えたくさむら越しに、ピンクいろの秘裂が透けてみるほどだった。
「……若様……」
「どうか、お情けを……」
姉妹は、上気した顔で、荒野にそう訴える。
二人とも、未だ男性を経験していなかったが、そうねだることにためらいはなかった。シルヴィの薬の効果による強制的な高揚、という効果も後押しをしていたわけだが、荒野以外の男性を相手にすることには、心理的な抵抗が強い。
二人の性行は同性愛的、というよりは、たぶんに自己性愛的な成分が強く、男性の経験はないものの、戯れまじりに二人で絡みあうことは珍しくはなかった。そうした行為は、この双子にとってはなんらアブノーマルな意味合いはなく、むしろ、通常の自慰行為の延長線上にある、ごく自然な行為であった。つまり、この姉妹は、外見上の類似だけではなく、精神的にも、お互いをあまり区別していない、特異な精神構造を有していた。
そのため、二人は処女でありながら、他者により愛撫される感覚を学習すみであり、性感もそれなりに開発されている。
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つづき]
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