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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(243)

第六章 「血と技」(243)

 ……こいつら……雰囲気に酔っているんじゃねーの……。
 とか、思わないでもない荒野だったが、茅に急かされる形で、裸になってテーブルの上に横臥した双子に近づいていく。荒野の方は、度重なる刺激で、肉体的にはエレクトしたまま、精神的な不感症状態となっている。状況が異常すぎて、心理的に麻痺している、ともいう。
 姉崎のネットワークを利用する条件としてシルヴィの要求に応えたように、この姉妹を従属させるために、抱く……ということについては、荒野も異存はないのだか……。
「茅……。
 本当に、いいのか?」
 一応荒野は、自分の股間にとりついている茅に確認してみる。
「いいの」
 一度、荒野から口を離した茅は、頷いた。
「荒野の一番は、茅だから、いいの」
 まったく気にならない、といったら嘘になるのだろうが……茅は茅で、一線を引いた上での関係であるのなら、まだしも我慢できる、といったところ……なのだろうか?
 実際、楓以外の、自由に動かせる部下が欲しい……というのは事実であり、
 荒野と茅の関係の強度に自信があるから、許容できるのかもしれない。
『……今度の週末が……』
 思いやられるな、と、荒野は思った。
 どうせ茅に、後で、今日の「埋め合わせ」を要求されるに決まっているのだ。
「……それよりも、コウ。
 ツインズの方を早くなんとかしないと……」
 相変わらず、豊満な乳房を背中に押しつけながら、シルヴィも、荒野を双子たちの方に即す。
「コウがあんまりじらすもんだから、あの二人、自分ではじめちゃったわよ……」
 酒見姉妹は、あわれもない格好で股を開き、陰毛の薄い性器を荒野の目に晒しながら、自分の指で慰めはじめている。あばらが浮いているほど痩せていて、実際の年齢よりもずっと幼く見える姉妹が、他人の視線を気にせず……いや、むしろ、荒野に見せつけるようにして自分の性器をまさぐっている様子は、鬼気迫るものがあった。
「……薬ってヤツが、効き過ぎなんじゃないのか、これ……」
 荒野は、シルヴィに確認する。
「効き目に、個人差はあるけど……」
 シルヴィはゆっくりと二、三度、首を振った。
「毒でもないし、中毒性もないわ。
 この二人、virginなんでしょ?
 夢中になっているうちに終わらせちゃった方が、痛みを意識しなくて、かえって都合がいいかも知れない……」
 そんなもんか、と、荒野は思う。
 男性であり、今までに処女との経験がない荒野は、破瓜の痛みについては、想像しようにも、どうにも実感がない。
「……それに、この二人が、荒野にらぶらぶなのは、一目瞭然なの」
 茅が、最後の後押しをした。
「二人が、荒野の役に立つための口実を与えておけば、感謝されることはあっても、非難されることはないの」
 肝心の姉妹はというと、自分自身で慰めながら、喘ぎ声の合間に荒野の名を呼んでいる。そして、荒野が近づくと、我先にとしなだれかかってきた。
「で……」
 荒野は、すっかり発情している様子の二人に、尋ねる。
「どっちから、先にするんだ?」
 この時点で荒野は、気分的には、かなり醒めている。
 どうにも……自分自身が、女たちによって、駆け引きの道具にされている……と感じるのは、やはり良い気分ではない。
 荒野にしなだれかかってきた双子は、薬物の影響かそれとも雰囲気のせいか、すっかりその気になっていて、「自分の方を先に」といった意味のことを口々にいう。普通の状態でさえ見分けがつけにくい酒見姉妹は、全裸になったことで、荒野の目はどちらがどちらだか、完全に分からない状態になっている。そこで荒野は、二人のうち、一人を適当に選んでテーブルの上に押し倒し、その上に覆い被さって、秘処に自分の先端をあてがった。
 入り口付近で亀頭を何度かこすり合わせると、抵抗らしい抵抗もなく、襞の中に滑り込んでいく。そこがすでに十分に湿っていた、ということもあるし、入り口付近に関しては、たいした抵抗もなかった。ただ……そこもやはり体のサイズに比例しているのか、今までに荒野が経験した女性器と比較すると、格段に、狭いし、きつい。
「……んぐっ!」
 先端が入っただけで、荒野が組み敷いている酒見が、いかにも苦しそうな声をあげた。
「……痛いか?」
 荒野が、尋ねる。
 その酒見を気遣って……というより、このような不自然な性交を中止に出来るのなら、荒野にしてみればそれにこしたことはなく、ここで止める口実ならを提供してくれるのなら、大歓迎なのであった。
「……ま、まだ……んっ!
 ……がっ!」
 その酒見は、気丈にも平気な振りをしてみせたが、言葉の途中でほんの少し、奥に押し込むと、途端に喉を仰け反らせ、肺腑の奥から息を絞り出す。
「無理するな。かなり、きつそうだし……」
 荒野がその酒見から離れようとすると、その酒見は、下から手足を伸ばして荒野の胴体に巻き付け、しがみついてきた。
「……この、まま……」
 荒い息の下で、その酒見が、荒野の耳元に囁く。
「さいご……まで……。
 本当に……若様の……ものにして……ください……。
 本気でなくても……お情けでも、いいですから……」
「……そう、か……」
 荒野は、耳に口を寄せられた時、荒野の頬にその酒見の涙が付着したことに気づいた。
 痛みを堪えた涙、ではあるまい。
 荒野にしてみれば、妥協と打算の関係なのだが……この少女にとっては、そうではない……。
 ということを、荒野は理解した。
「……痛いとは思うけど、一気にいく」
 荒野は、その酒見の腰が逃げないように、がっしりと両手で、その酒見の腰を掴む。
 その上で、一気に最後まで、腰を下ろす。
 荒野に組み敷かれた酒見が、悲鳴に似た、甲高い声をあげた。




[つづき]
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