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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(245)

第六章 「血と技」(245)

『……なんで、こうなる……』
 荒野は、そう疑問に思う。
 今、荒野の上には、結合した状態でシルヴィが乗っかって、嬉しそうな嬌声をあげながら、体を上下に揺すっている。荒野からはブロンドのさらさら髪を揺さぶっているシルヴィの背中しか見えないが……シルヴィが「見本、見本……」といっていたので、酒見姉妹は、今、正面からその結合部を凝視している筈だった。
「……荒野……」
 茅が、恥ずかしそうな表情をしながら、それでも、荒野の顔の上にまたがってきた。
「……さっきは、荒野、最後までいかなかったから……」
 ……どうやら、荒野に口で奉仕して欲しい……ということ、らしい。
『……いいけど……』
 茅が恥ずかしがるので、茅が口で荒野のモノを咥えることはあっても、荒野が茅の性器に口をつけることは、ほとんどない。
 薬のせいか、雰囲気のせいなのかは知らないが……。
 荒野は、大人しく首を起こし、鼻先に突きつけられた茅の恥丘に、口をつけ、舌で陰毛をかき分けて、茅の中に硬くした舌を突っ込んだ。
 その途端、茅が背を反らして、
「……んんっ!」
 と、うめき声をあげる。
 構わず、荒野は首を左右に振りながら、舌で、茅の秘処を……その中を、なぶり続ける。それで荒野が快楽を得る、というわけではないのだが、自分の行為によって、茅が反応するのを見るのは、楽しい。
 時折、茅がビクン、ビクンと全身を震わせるのは、適当に動いているだけでも、鼻先が茅のクリトリスに触れてしまうためだろう。
「……茅様……」
 いつの間にか、酒見の一人が、荒野の顔を……ということは、茅の股間を、ということなのだが……覗き込んでいた。
 その酒見が接近する気配に気づかなかった、ということは、荒野も、自覚するよりは、茅のそこに愛撫を加える行為に夢中になっていた、ということなのだろう……。
「……気持ち、いいですか?」
「いいのっ!」
 茅が、荒野の顔の上で全身をがくがく震わせながら、叫ぶ。
「とても……いいのっ!」
 茅は、先ほど一度達している。その余韻もあって、感じやすくなっているのだろう……と、荒野は思った。
「……では……」
 茅に尋ねた酒見が、さらに顔を近づけてきた。
「お手伝い、させて貰います……」
「……はうぅっ!」
 その酒見の舌と、荒野の舌が、茅の敏感な箇所で触れあった。
 つまり、その酒見は、茅の陰茎の上部、荒野からみると鼻先あたりを、ぴちゃぴちゃ音を立てて舐めはじめる。
「……あぅ……あぅ……あぅ……」
 という、切れ切れの茅の喘ぎ声が、聞こえる。
 その酒見は、荒野と一緒に茅の局部を口で責めたてながら、茅の背を腕で支えているようだ。茅がのけぞったような重心の移動を、荒野は感じ取っていたが、茅はまだ後に倒れ込んでいない。
 その酒見が、荒野とともに茅への奉仕に加わったのと同時に、もう一人の酒見は、荒野の局部にとりついて、やはり口での奉仕を開始していた。荒野とシルヴィは結合していたままだったので、結合部を中心に舐め回している感触が、あった。シルヴィの声が、一層、大きくなる。荒野の下半身にとりついた酒見は、舌を使うだけではなく、シルヴィに何らかの愛撫を加えているのかも知れないが……実際の所は、荒野からは、確認ができない。
 いずれにせよ、酒見姉妹がプレイに参加してから、いくらもしないうちに、荒野の上に乗って頑張っていた茅とシルヴィは、前後してぐったりと動かなくなった。
 双子と荒野は、力が抜けた大小の女体を慌てて腕で支え、ベッドの脇に横たえる。二人はせわしく胸を上下させ、ぼんやりとした表情をしていた。
 茅とシルヴィの体が荒野の上からいなくなると、荒野が起き上がる前に、すかさず、酒見姉妹が荒野に体重を乗せて抱きついてくる。
「……お、おいっ……。
 お前ら……」
 荒野が弱々しく抗議する。
 今現在の状況が状況だから、いつものように毅然とした態度が取りにくい。
 酒見姉妹は、何も言わずに左右から荒野の口唇を求め、貪った。茅とシルヴィが前後不覚になっている今のうちに、ということもあるのだろう。
 いつの間にか、茅、シルヴィ、酒見姉妹……という順番で、荒野に対する優先権というか序列というか、ともかくそういう秩序、ないしは、力関係が明確になってしまっている。
 酒見姉妹と荒野の、三人分の口と舌とが、複雑に絡み合う。
 ……んふふっ……と含み笑いをしながら、双子は、二人分の手指で、シルヴィの愛液にまみれている荒野の分身をまさぐっている。
「……若様、の……」
「……まだ、こんなに……」
 確かに、荒野のそこは、まだ全然力を失っておらず、いきり立ったままだ。というか、今日はまだ、一度も射精していない。
「いや、状況が、異常だから……なんか、緊張しているのかな……」
 荒野は、何故か、いいわけがましい口ぶりになった。
「……いえ……」
「殿方は、タフな方がいいです……」
 双子は、そんなことをいいながら、さらに荒野の口をもとめ、手では、荒野の胸や腰のあたりを愛撫する。
 しばらくそうしてから、双子の一人が荒野の手を取って、
「……そろそろ、わたしの純血も……」
 とか、言いだす。
「……ええっと……その前に……」
 荒野は、こめかみを指で軽く掻きながら、確認する。
「名前、教えてくれるかな?
 さっきもいったけど、おれ、君たちの区別がつかない。
 今更、やるのがイヤだとはいわないけど……その、名前が分からない女の子とやるのは……正直、ちょっと、抵抗がある……」
 荒野がそういうと、双子は一度顔を見合わせて、含み笑いをした。
 そしてすぐに、
「……さきほど、お世話していただいたのが、わたし……。
 姉の、純です……」
「……そして、こらからお相手してお相手していただくわたしが、妹の、粋です……」
 交互に紹介され、荒野は頷く。
「……わかった。
 見分け方は、おいおい、覚えるとして……その、粋ちゃん……に、なるのか?
 上になるのがいい? 下になるのがいい?」
 荒野が真面目な顔でそう尋ねると、何故か双子は、さらに笑った。




[つづき]
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