第六章 「血と技」(246)
「……本当に、はじめてがこんな格好で……いいの?」
荒野はもう一度確認した。
「いいんです」
ベッドの上で四つん這いになり、荒野に向かって高々と尻を持ち上げた酒見粋は、頷く。
「姉の時のをみていると、かなり痛そうでしたから、逃げにくい体勢の方がいいし……それに、その……わたしたち、痩せっぽっちですから、若様にあまり見苦しい前を見せたくないんです……」
この場合、「見苦しい前」とは、あばらが浮いてほとんど隆起していない胸のことだとは理解できるのだが……今までのことを考えると、今更そんなことを気にしても……という気も、する。
「……わかった」
しかし、そこは荒野も学習してきているので、つまり、「女性の心理は下手にわかったつもりになってはいけない」と、今までの失敗を肥やしに了解しているので、荒野は素直に頷いて、酒見粋の尻の両脇を手で押さえ、分身の先端を粋の秘部に当てがう。
「……かなり痛いと思うけど……」
荒野が、もう一度、確認する。
「わたしが、押さえつけておきます」
姉の酒見純が、実際に四つん這いになった妹の上に乗りかかって、頷いた。
「若様……。
ご遠慮なさらず、どんなに泣き叫ぼうが、一気に貫いてください。この程度の苦痛に耐えきれないわれわれではありません……」
純が真面目くさった顔をしてそんなことをいうので、荒野は危うく吹き出しそうになり、合わせててそれを自制する。
「……わかった……」
できるだけ真剣な顔を取り繕って、もっともらしく頷き、荒野は改めて、自分に向かい、無防備に突き出された粋の臀部をみる。肛門と性器が荒野の目に晒されているのは、いいのだが……この双子は、全体に、肉が薄い。
……というより、腰から腿にかけて、女性らしい肉付きがほとんどなく、例えば股間の股下部など、腿に肉がついていないので、大きく空間が空いている。成熟した女性のそれ、というよりは、やせた子供の下腹部、にみえた。
『……こんなんで、泣き叫ばれたら……』
荒野でなくとも、げんなりする。
内心でそんなことを考えながらも、荒野は、ぐいと体重をかけて酒見粋への侵入を開始した。
「……がっ!」
案の定、悲鳴にもならない太い吐息をついて、酒見粋は荒野が押し込むものから逃げようとする。その背中に姉の酒見純が乗りかかって、必死に固定しようとする。
先ほど、酒見純の処女幕を破った時も、かなり荒野を押し戻すような肉の感触を覚えたものだが、この粋の内部は、それにもまして荒野を拒み、跳ね返そうとしているように思えた。
「……やっぱり、無理なんじゃないか?」
荒野は、いったん中に押し込むのを中断し、姉の純に意見を具申してみる。
「お前の時より、全然きついぞ。
さっきは、入り口までは苦労しなかったけど……」
今の粋のそこは、あまりにも強固に閉ざされているので、荒野のモノは、亀頭が隠れきるほどにも入っていない。実質、入り口に分身の先端をあてがっているだけだった。
「わ、わたしの時には、その……」
荒野にそういわれ、酒見純は頬を染めて、あわてて目をそらした。
「……少しは、濡れていましたから……」
そういわれて、……そうか……と、荒野は素直に納得する。
「……少しは、ほぐれてからの方がいいのか……。
途中で休憩いれちゃったのが、かえって悪かったかか……」
「……はっ……」
酒見純は、荒野の視線を避けるように顔を伏せる。
「……ほぐすとか濡らすとかいっても、おれも、あんまり経験豊富なわけではないし……」
「……さ、さきほどのを……」
酒見純の下にいる酒見粋が、震える声で、時折、どもりながら、いう。
「……姉様と抱き合って、その間に荒野様が出入りした時……その、あそこに、荒野様の硬いのがすれて、かなり……か、感じました……」
そういう酒見粋の耳は、真っ赤だった。この分だと、荒野の方から見えない顔も、一面真っ赤になっているのだろう。
「……確かに、あの時は、二人とも濡れてたな……」
荒野は真面目な顔をして頷く。
どうせやるのなら、全員ができるだけ快適な状態に持っていくのが好ましい、と、荒野は思っている。
「……じゃあ……そうだな。
二人で、向かい合って抱き合ってくれ。
さっきみたいに……ではなく、姉が下にになって、妹が上で……それで、姉は妹を下から押さえつける。しばらく二人の間で動いて、うまく暖機が終わったら、その後に本番、と……」
荒野の指示通りに、姉が下、妹が上になって、抱きあうと、荒野はさっそく二人の股間に自分の分身をあてがい、妹の臀部に両手をついて体重をかけながら、一気に二人の隙間に押し込んだ。
「……うっ!」
「ひゃぁっ!」
姉妹は、同時に声をあげる。
下になっている姉の純の声の方が、若干大きかった。
その後も、荒野が腰を引いたり突き出したりするごとに、姉妹は断続的に声をあげる。それに、荒野の分身がこすれている二人の陰毛も、いくらもしないうちに湿ってきていることからも、この行為が二人にかなりの快楽を与えていることは、確かなようだった。荒野も、二人の陰毛がすっかり濡れぼそり、すべりがよくなった頃あたりから、独特の感触に思わぬ愉悦を感じてしまっている。しかし、双子の方は香也以上に感じてしまっているようで、途中から大きくなりすぎた自分たちの歓声を気にしてか、どちらからともなく口唇を求め合い、がっしりと抱擁したままに口づけして声を押し殺している。
『……そろそろ、かな……』
そう判断した荒野は、一気に腰を引いて、二人の股間から分身を解放する。
二人は、ほぼ同時に不満そうに鼻をならし、恨めしそうな目つきで荒野の方を振り返った。
「……準備できたようだから、そろそろ本番、いくぞ……」
荒野は、二人の表情に気づかぬ風で、そう宣言する。
「……姉の純は、妹の体が逃げないよう、しっかりと肩を抱いているように……」
酒見純は、はっとした表情で、妹の肩を抱く腕に力を込め、無言のまま頷いた。
荒野が、すっかり準備の整った酒見粋の秘部に再度、先端を当てがい、ゆっくりと中に侵入を開始する。
「……がっ!
はっ! はぁあっ!」
入り口付近はそれなりに濡れてほぐれているものの、ほんの少しでも内部にいくと、やはり強固な抵抗にあった。
荒野の分身が、強固な抵抗にあう中、荒野はゆっくりと体重をかけて酒見粋の肉をめきめきと割っていく。途中、それまでとは異質な抵抗にあい、荒野の侵入が一度差し止められた。
これが……酒見粋の純潔……なのかな? と、姉の時よりは心理的な余裕がある荒野は、思う。
「……貰い受ける」
主語を省略して、荒野が短く呟くと、荒野に後頭部を見せている酒見粋が、微かに頷いたようにみえた。姉が、妹の肩を抱く腕に、さらに力を込める。
それを確認して、荒野は、その抵抗を打ち破るっべき、一気に腰を沈める。
「……っっっっー……っ!」
酒見粋の喉から、音にならない叫び声が漏れた時、荒野の分身は、根本まで酒見粋の中に埋没していた。
「……最後まで、入った……」
荒野は、低く呟く。
酒見粋は、姉の腕の中でがくがくと全身振るわせるだけで、何かをいう余裕はないようだった。
しばらくしそうして、酒見粋の痙攣的な動きが収まってから、荒野はそっと双子から身を離す。
姉と同じく、酒見粋も出血をしていた。
[
つづき]
【
目次】
有名ブログランキング↓作品単位のランキングです。よろしければどうぞ。
newvel ranking HONなび