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彼女はくノ一! 第五話(330)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(330)

 その時の明日樹は自分のことだけで精一杯で外部の物音に意識を振り向ける余裕などなかったけだが、明日樹が三人組により無理矢理絶頂に導かれたのと前後して、かねてより楓と交わっていた香也も、この日、一度目の射精を行った。

 その時、香也は「出ちゃうっ! でちゃうっ!」と告げて、自分の上で蠢いている楓に、その場から退くように即したが、楓は、結合から得られる快楽を貪るのに夢中だったのか、それとも、あえて聞く耳を持つつもりがなかったのか、その前までと同じく、夢中になって腰を上下に振り続ける。香也の負担が少ない、ということと、楓が香也を呑み込んでいる、という実感が得られるので、楓は、騎乗位を好んだ。楓は、普段の日常生活で控えめな分、こういう時には主導権を取りたがる傾向がある。
 そして、楓は、後の始末を深く考えずに、香也をより身近に感じたいから、というしごく単純な理由で、香也の放出したものを、膣の中で受け止めることを好む。この日も、生理などの曖昧なデータから「たぶん、大丈夫だろう」程度の曖昧な推測に基づいて、香也が射精する瞬間も抜こうとはせず、あえて受け止めた。けっこうやばいパターンなのだが、どこか世間慣れしていないところがある楓は、その手のことをあまり真剣に考えていない節がある。
 香也が自分の中で解きはなった時、楓はぶるっと身震いしたが、同時に、少し物足りなさも感じた。このときばかりではなく、楓は、香也との交わりが終わる時、いつも物足りない気分に襲われる。性的な充足感は十分に感じていると思うのだが、同時に、一刻でも長く香也と繋がっていたい、という気持ちもあり、特にこのところ、二人きりでじっくり……という機会が極端に減っており、そのため、余韻に浸る余裕もなく、終わるとすぐに「誰か」に体を引き剥がさせるのが、不満といえば不満だった。
「……終わったようですわね……」
 この時も、案の定、楓は、二人の挙動からめざとく、香也が一度終わったことを見抜いた孫子に、即座に引き剥がされた。抵抗してやろうか、と思わないでもないのだが、情事のすぐ後で、香也の目の前で孫子と醜い争いを繰り広げるのもなんなので、このような時、たいてい、楓は孫子のいうことを聞いて、素直に香也の体を空けるようにしている。楓が香也の上から立ち上がると、香也と繋がっていた部分から、香也と楓の体液が入り混ざった、どろりと粘度の高い液体が溢れ出てくる。楓は立ち上がり、香也から身を離すと、孫子がいつものように香也の局部を口と舌で清めはじめる。
 楓の後にする時、香也のその部分をまず口で清める、というのが、今では孫子の習慣のようになっている。他人のそうした体液を口にすることに、孫子は特に抵抗がないようだ。日常生活の場で控えめな楓が、情交の場では大胆になるのとは対照的に、普段、自信に満ちあふれている孫子が、裸になって香也の前にでると、別人のように従順になる。口での奉仕はもちろんのこと、行為そのもについても、楓のように自分から動くのではなく、孫子は、香也に何事かをして貰うのが、好きなようだった。香也が積極的に動いて孫子の体を貪っている時、孫子の喜びの声は高くなり、ともすれば、普段の孫子からは想像も出来ないような卑猥な言葉さえも声高に口にする。どうも、孫子は、そういう性癖があるようだ……と、楓は観測している。少なくとも、香也の相手をしている時の孫子は、そんな様子だった。
 孫子が丁寧に香也自身を口ですっかり清める終わると、香也が硬さを失う前に、香也の分身を握り、自分の秘処にあてがったりおねだりをしたりする。この時、孫子は四つん這いになって自分の股から手を回し、一度射精した直後で未だ硬さを失っていない香也の先端を自分の入り口に押し当て、「来てください。香也様のもので孫子のいやらしいものを貫いてください。熱くなっている中をかき回してください」などいう、普段の孫子からは考えられないような卑猥な懇願を、譫言をいうような口調でいう。そういう時の孫子は、とろけたような顔をして、普段の怜悧な様子とは、まるで別人の表情になっている。
 あれで、自己陶酔が激しい性格なのかも知れない……と、楓は思う。
 この日も、香也は、孫子の誘いを断ることなく、犬のように畳の上にはいつくばり、高々と持ち上げた孫子の尻に香也は両手を置き、孫子に導かれるままに、一気に挿入した。根本まで差し込んだだけで、孫子の全身がガクガクと痙攣に似た動作をする。香也がすべて収まっている、という感触だけで、軽くいってしまったらしい。無防備な孫子の表情が、何よりも雄弁にそれを物語っていた。
 香也が、一度引き抜くと、孫子は、
「……はぁあぅぅ……」
 という細かい吐息をもらす。
 香也が再び、根元まで突きいれると、
「……きゃっ!
 ……ふぅぅうぅん……」
 などという甘い吐息を、また漏らす。
 そういう時の孫子の、しまりのない顔をみて、楓は、「……自分の時も、あんなにだらしのない、いやらしい顔をしているのだろうか?」とか、思ってしまう。そういう時の孫子は、香也の与える感触に満足しきっているようも、さらなる快楽を貪欲に求めているようにも、見える。
 楓が見守る間にも、香也の動きは徐々に早くなり、それに従い、孫子があげる甘えの入った声も、「はうぅうぅんっ! きゃぅうぅんっ!」とどんどん遠慮を失って大きくなっていく。

 楓や孫子が迫る時、香也は、最初のうちこそ激しく抵抗するのだが、やがてそれが無駄だとわかると、それからは従順になる。楓と孫子が二人がかりで迫るようになってからは、ことにその傾向が強くなっていた。また、楓として孫子とはしない、あるはその逆に……といった具合に、片方だけを優遇するということもない。後で誰もが気まずい思いをする……と思ってか、勢いにほだされて一人とやった場合は、必ずもう残りの一人ともするようにしているようだ。優柔不断、というよりは、やはり今の時点では、どちらかに過度の思い入れをしないよう、心がけているのだろう……と、楓はみている。同時に、多少の抵抗をすることはあっても、香也が本気で嫌がっているわけではないのだ、という感触も、得ている。楓にしろ孫子にしろ、他人の気持ちに鈍感な少女ではなく、ことに、香也に自分がどう思われているのか、ということについては、かなり敏感だ。




[つづき]
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