2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(248)

第六章 「血と技」(248)

 荒野は一度、動きを止めた。三人分の重量を抱えながら動くこと自体は、荒野の筋力と体力であれば、特に問題はない。しかし、こうも密着していると重量よりも体温で、無駄に消耗する……と、荒野の理性的な部分が判断を下す。
「お前ら、痛くないのか?」
 荒野は、自分の左右にとりついた酒見姉妹に声をかける。
「痛くなくて……まだして欲しいようだったら、ヴィとのが終わってから、相手にするけど……とりあえず、暑いから、少し離れてくれないか?」
 荒野が左右を交互にみながらそういうと、酒見姉妹は顔を見合わせてうなずき合い、荒野に黙礼して、素直に荒野から離れた。
 一方、茅の方は、荒野が動きを止めてからも、くねくねと腰を動かして、シルヴィの陰部からはみ出た荒野の陰茎に、茅の股間をすりつけていた。
『……こっちは……すっかり、スイッチが入っているみたいだ……』
 茅が、一度火がつくと、快楽に貪欲になることを、荒野は今までの事例で学んでいる。まだ開通したばかりの酒見姉妹の方は、快楽が目当て、というよりも、荒野との繋がりをもっと強固にして置きたい、というのが本音だろう……と、荒野は推察する。
 荒野の方はといえば、今のところ、酒見姉妹に関しては、「手駒として利用する代償として、姉妹が望めば性交をする」というビジネスライクな感情しか持ち合わせていない。そんなことを口にすれば、シルヴィや茅はまたうるさく何やかんやといってくるのだろうが、荒野にとって一番大事なのは茅であって、それ以外の女性は、抱くことは出来ても一定以上の、本気での好意は持てない。
 他の部分でひどく大人びているところもある荒野は、その実、まだまだ精神的に未成熟な部分も多分に残していて、複数の異性を同時に、同じくらいに好意を持つ……という器用な真似は、できそうにもなかった。
 シルヴィはもとより、酒見姉妹も、その辺を理解した上で、荒野を求めて来ているのだと、荒野は思っているが……そのことは、実際に口にして確認するまでもない、と、荒野は思っている。実際に口にすれば、いくらなんでもしらけるだろう……という判断が働くほどには、荒野は野暮ではなかった。

「……茅……。
 振り落とされるなよ。
 動くよ……」
 抱きついてくる茅の耳元に囁いて、荒野は、下から上に向かって、シルヴィの中を突きあげる。現在の体位だと、シルヴィの膣内の上部を、荒野の亀頭が擦りつけながら奥に向かっていく、という感じになる。
 行き止まりまで押しつけると、シルヴィが、
「……Oh! 」
 と、大仰な声をあげ、そのまま引き抜くと、
「……uuuu……Un!」
 と、うめき、体全体をわななかせる。
 そのシルヴィの反応をみて……なんか、整形ブロンド主演のポルノビデオだな、と荒野は思った。
 もっとも、シルヴィは、ブロンドで豊かなバストの持ち主だが、その手の女優にあちがちな、一目で整形とわかる、自分の頭よりも大きいシリコン入りのバストではない。荒野が動くたび、シルヴィのバストが複雑に形を変える。その「弾み方」から考えても、シルヴィは、自分の容姿に外科的に手を加えてはいないだろう……と、荒野は思う。風貌的にも髪や目の色も、幼少時のシルヴィと現在のシルヴィには、共通性がある。
 荒野はそんなことを考えながら、下から上に向けて、機械的にシルヴィの中を突き上げる。
 荒野もシルヴィも、背筋を傾斜させて向かい合っているので、中で当たるところがいつもと違うのか、シルヴィは、今まででもっとも敏感な反応をみせていた。シルヴィの中は、複雑に収縮して動き続ける荒野の分身に絡み着いてくる。また、出入りする荒野の分身の上に、恥部を乗せている茅も、そこから刺激を受けるのか、他にはなにもしていないのにも関わらず、息を荒くしいった。荒野が動くたびに、茅の襞が荒野の分身にすり付けられ、そこの割れ目の奥から、湿り気が荒野の分身に滴り落ちる。
 茅にしろシルヴィにせよ、一度荒野によって絶頂に導かれているので、感じやすくなっている、というところはああるのだろう……と、荒野は観測する。
 一方、荒野はといえば、彼女らが狂態を見せれば見せるほど、自分の中のどこかが醒めていくのを、自覚していた。
 ……やっぱり、こういうのは……多人数でやるよりは、二人きりでやった方が、安心して集中できるな、と。

 荒野はしばらく、そのままの体勢で動き続け、結局、荒野の射精感が高まるよりも先に、シルヴィが再び達することになった。
「……Oh! ……Yes!」
 とかいいながら、汗だくになったシルヴィはベッドの上にどさりと、背を延ばし、満足そうな微笑みを浮かべながら目を閉じて、動かなくなる。
 茅の方は、挿入していない分、不完全燃焼なのか、荒野がシルヴィの中から分身を引き抜くと、何か懇願するような表情で荒野をみる。が、荒野はそれに構わず、荒野の首を抱いたまま、離れようとしない茅の体を、両脇に手をいれて軽々と背中に回す。茅は、不満そうな表情はしたものの、荒野の背中に乗って、胴体に両足を絡めて抱きついた。
 つまり、荒野が茅を背負った形である。
 そのまま荒野はベッドの上に立ち上がり、おとなしく見物していた双子に向き直って、確認する。
「……って、いうことで、体が空いたけど……」
 荒野は努めて冷静な声を出した。
「お前ら……まだ、おれとやりたいのか?
 女の人、はじめての時は、痛いだけだっていうし、無理をしない方がいいと思うけど……」
 酒見姉妹は、荒野の股間を凝視しながら、ぶんぶんと音を立てて首を縦に振った。
 荒野のそこは、シルヴィの愛液に濡れたまま、先端を天井に向けている。
「……それじゃあ、面倒だから、二人いっぺんに相手する……」
 酒見姉妹の意志を確認した後、荒野は茅を背負ったままベッドの上から床の上に降りて、二人に、ベッドの上に折り重なるように指示した。
 酒見姉妹は、諾々と荒野の指示に従い、腹を下にし、太股から下をベッドの外にはみ出させるようにして、上下に重なり、荒野に臀部を向けた。
 荒野が二人にそういう格好をさせたのは、その格好だと、二人同時に出し入れするのに都合がいいからだった。面倒な仕事は、できるだけ短時間で、効率的に済ませるのがいい……という発想だった。
「……痛かったら、やめるから、いつでもいってくれ……」
 荒野は上になった酒見……相変わらず、荒野には二人の見分けがつかなかった……の尻を平手でペタペタとたたきながら、話し出す。
「その時点でやめて、茅だけを相手にするから。
 もっとも、この分だと……中止はないかな……」
 視線を下げると、姉妹のくさむらに水滴がついているのに気づいたので、荒野はそう付け加える。
「……もう、準備は出来ているみたいだし、早速、つっこもうか……」
 荒野は、上になった酒見の陰毛をかきわけて割れ目をさらし、そこに自分の分身をあてがって、一気に根元まで押しつけた。
「……がはっ!」
 と、荒野に貫かれた酒見が大きく息を吐いて、全身を振動させる。
 荒野は素早く分身をその酒見から引き抜き、下になった酒見の女陰にも、同じように一気に突きいれて、ゆっくり引き抜いた。下の酒見も、上の酒見と同じような反応を見せた。
 後は、同じ要領で、上下の酒見を交互に犯す。最初のうち、荒野が侵入したり出たりするたびに、苦しそうな吐息を漏らしていた酒見姉妹は、回数を重ねるごとに、吐息に甘い響きを含ませていった。




[つづき]
目次

有名ブログランキング

↓作品単位のランキングです。よろしければどうぞ。
newvel ranking  HONなび





Comments

Post your comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

このページのトップへ