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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(249)

第六章 「血と技」(249)

 荒野は機械的な動作で、上下に重ねた双子の穴を自らの男根で交互に突き続ける。単一の女陰をピストンする時よりよほど緩慢なテンポになった筈だが、その分、刺激も少なく、たった今開通したばかりの姉妹の穴にはちょうどよかったのかも知れない。常に荒野によって塞がれているわけではない「もどかしさ」も、いいスパイスになったのか、酒見姉妹は、未発達な性感にも関わらず、いい具合に暖まってきた。
 頃合いをみて、香也は、上の酒見と下の酒見の間、つまり、腹と背中の隙間に自分の硬直を差し込み、長々と射精した。
「……あっ。あっ!」
「熱いっ! 若様のがっ! 熱いっ! 熱いっ!」
 自分谷たちの体の間にほとばしったものの熱と臭いに感応してか、それなりに盛り上がっていた姉妹も、感極まった声を上げてビクビクと体を震わせる。
 荒野が双子から逸物を引き抜くと、すかさずそばに控えていた茅が荒野のものをくわえ、口で清めはじめる。シルヴィも、すぐに茅を真似た。
 小柄でいかにも東洋人然とした茅と、この国では「ガイジン」にしか見えない金髪青眼のシルヴィとが荒野の前にひざまづき、膨らみかけの乳房と豊満な乳房を並べて、競うようにして荒野の男性を舐めあげている。
「……んふっ……」
 すっかり「スイッチの入った」表情になった茅が、普段の様子からは想像できない淫らな笑みを浮かべる。
「……荒野の……まだまだ……」
「……Yes……」
 シルヴィも荒野のものを舐めながらほほえんだが、茅の笑みと比べると、もう少し攻撃的な印象を与える笑みで……なんか、肉食獣が弱った獲物を目の前にした時のような、獰猛な微笑みだった。
「この硬さだと……まだまだ、いけるね……。
 今度は、カヤとコウとヴィの組み合わせで……」
 顔を近づけて一緒に荒野のものを舐めながら、シルヴィは時折、茅とも舌同士を接触させたりしている。スイッチの入っている茅も、あらがうことなく、シルヴィに応じている。
「……って!」
 もちろん、荒野は抗議の声をあげた。
「そっちは交代で休んでいるからいいけど……こっちは休みなしだしっ!」
「茅……まだまだ、満足してないの……」
「……これくらいのことで根をあげるなんて……。
 コウ……そんなに柔なわけ、ないね……」
 もちろん、荒野の抗議は、即座に却下される。
 実際の話し……荒野の体力からいえば、四人を相手に一晩中やりつづけても、まだ余裕があるほどなのだが……。
 この時は、まさか……実際にそうすることになるとは、思ってもいなかった。

 ということで、気がつくとそれから乞われるままに順番に女たちを抱いていると、時間はあっというまにたち、すぐに夜があけて朝になった。実際に荒野が相手をするのは、物理的にみても、せいぜい一人か二人が限度だから、体が空いた女たちは順番に仮眠をとったり冷蔵庫に有り合わせのもので料理作ったりしている。荒野も何度かシャワーを浴びたが、誰かしらが同伴して浴室内でいしゃつく。また、その夜、荒野が睡眠をとることは、当然のように許されなかった。
 毎朝かかさないランニングの時間になっても、茅が主要な仲間たちにメールで今日は休む旨、連絡し、結局、荒野が解放されたのは、登校する時間の一時間ほど前……だった。
 気づけば、約十二時間ほど、とっかえひっかえ誰かしらと交わっていた勘定になる。
『……人並み以上に体力がある、というのも……』
 考えもの、だよな……と、荒野は思った。

 時間がきたので、酒見姉妹はマンションから去り、荒野はざっとシャワーを浴びて、シルヴィと茅が用意した食事を平らげた。荒野の場合、睡眠不足には比較的耐性があるが空腹にはまるで耐性がない。ことに、夜通し肉体労働をした直後とっては、いくら食べ物があっても足りない気分だった。
「……もう、冷蔵庫、空っぽなの……」
 荒野の食欲をみた茅が、申し訳なさそうな顔を見せる。
「同じマンション内に、いい相談相手がいるじゃない……」
 シルヴィは携帯電話を取り出し、「……ハーイッ! 
 グッモーニン、センセイッ!」などとまくし立て、十分もしないうちにおかもちを持った三島がマンションを訪ねて来た。
 来るなり、おかもちの中から作りおきの総菜を次々と出しながら、三島は荒野の顔をみて、「いひひっ……」と意味ありげに笑う。
「……ゆうべは、かなりお盛んだったようで……。
 なんだ?
 同時に二人相手か?」
 その時の三島の笑い顔を見て、荒野は「品のない笑い方だなぁ……」と思った。
「……さっきまで双子がいたから、四人同時なの」
 茅が、恬淡と事実を告げる。
「……おおっ!
 四人同時の5Pかぁ!
 ついこの間まで、チェリーだったやつが、やるなぁっ!」
 三島が、おおげさな驚き方をしてみせる。
「……で、シルヴィ……。
 例の薬の効果か、これは……」
 三島は、今度はシルヴィに向かって小声で囁いた。
「それもあるけど……コウ、もともとタフネスだから……」
 シルヴィも、小声で囁き返す。
「……そっか……薬の効き目プラス、体力か……そうだな、基礎体力が乏しいと、欲望があっても体がいうこと効かないしな……」
「……センセイ……。
 あのチョコ、渡す相手、いるね?」
「……失敬なっ!
 わたしだって、セフレの一ダースや二ダース、いるもんねっ!」
 三島とシルヴィがそんなやりとりをしている最中にも、荒野は冷蔵庫に備蓄されていた食糧と三島が持参した総菜とを、黙々と平らげていく。

「……ごちそうさまでした……」
 荒野が手を合わせたのは、登校する時間の十五分前だった。
「……Stop!」
 そのまま、制服に着替えようと立ち上がる荒野を、シルヴィが止める。
「コウ……顔色悪いねっ!
 軽くメイクするっ!」
 そんなことをいいながら、シルヴィは自分のバッグを取り出した。
「……ええっと……」
 荒野が辞退する口実を思いつく前に、シルヴィは荒野の前に移動し、テーブルの上に化粧品を並べはじめる。
「顔色を誤魔化すための軽いナチュラルメイクね……」
 シルヴィは有無をいわさず、荒野の顔を「加工」しはじめた。

 五分後、仕上がった荒野の顔をみて、三島と茅が「……ほぉ……」とか、感心したため息をつく。
「……そんなに違うか?」
 荒野は手鏡をとって、加工後の自分の顔をしげしげと見つめる。
「いつものお前と全く違わないから、凄いんだ」
 三島が断言すると、茅もこくこくと首を縦に振った。
「……このメイク、したことで……その前の荒野が、ひどい顔をしていたことが、わかったの……」
 まあ……あれだけの重労働と徹夜、くわえて、おびただしい量の体液放出……を考えれば、無理もないか……と、荒野も納得する。荒野は、昨夜、自分が何回射精したのか、覚えていない。といより、あまりにも際限がないので、途中で数えるのをやめた。
 茅やシルヴィは、途中で休憩したり仮眠をとったりする余裕があった分、荒野よりはだいぶましな様子だった。
 荒野は、茅がシルヴィに化粧の仕方を習いたい、とか、いっているのを背中で聞きながら、制服に着替えるために別室に入った。ドアを閉じる間際に、
「……オーライ。
 わたしたち、もう、familyだもん……」
 というシルヴィの声が聞こえる。
『……family、ねぇ……』
 と、荒野は思った。




[つづき]
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