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彼女はくノ一! 第五話(332)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(332)

「……わっ!
 おにーちゃんのおちんちん、まだまだ元気……」
 ノリの声に誘われて視線を横に向けると、ぐったりと横たわった孫子のかたわらで、膝立ちになった香也が肩を上下させて喘いでいる。その香也の股間に、濡れた陽物が半ば地面とほぼ水平の角度を維持している。
『……あっ』
 明日樹は別に、男性のものを見るのは、これがはじめてということでもない。幼少時には、父や弟のものを何度か普通に目撃している。しかし、その時の香也のものは、明日樹が知っている男性器とは、やはり形状が違っていた。持ち主である香也とは違い、やけに猛々しい印象を与える形状を、していた。よく、「グロテスクだ」といわれているが、確かに、所々に血管が浮き、やけにゴツゴツしているソレは、特に見慣れていない明日樹の目には、醜悪に映った。醜悪というよりも、いかにも、生々しく……香也のそこだけ、まったく別の、未知の生物が寄生しているような違和感さえ、おぼえる……。
「……ね。
 おねーちゃん、いこう……」
 裸のノリが、いまだ起きあがろうとしない明日樹に手を差しのべる。
「……楓おねーちゃんや、孫子おねーちゃんに、おにーちゃん独占させちゃ、いけないよ……。
 あっ。
 二人の場合、独占とかいわないのか……」
 こういう場面だというのに……ノリの様子には、陰や屈託というものがない。
「……おねーちゃんが行きたくないのなら、無理にとはいはないけど……。
 あすきーおねーちゃんが行かなくても、ボクらは行くし……このままだと、あの二人かボクらか……ともかく、このうちの誰かに、おにーちゃん、取られちゃうよ……」
 ノリにそういわれた時、先ほど、ちらりとみた、孫子の勝ち誇ったような表情が、明日樹の脳裏をかすめた。もっとも、その孫子の表情を明日樹が目にしたのはほんの一瞬だったし、実際には、明日樹の頭の中で、勝手にイメージした表情なのかも知れないが……。
 それでも、明日樹は、気づくとノリがのばした手に、自分の手を重ねている。
「うん。
 いっしょに行こう。おにーちゃんのところに……」
 明日樹が手を重ねると、ノリはほほえんで、明日樹の体を引っ張りあげて、立たせる。
 よろよろと立ち上がった明日樹の肩を支え、ノリは、明日樹の耳元に囁いた。
「……遠慮しちゃ、駄目だよ……。
 自信がなくても……気後れとかしりごみしているばかりだと……はじまる前に、終わっちゃうよ……」
「……そう……だね……」
 耳元でそう囁かれた明日樹は、泣き笑いの表情になった。
 ……一体、なんなんだ……。
 この子は。
 この状況は。
「二人で、どーんとアタックしてこよう。
 大丈夫。
 おにーちゃんは、絶対、受け止めてくれるから……」
「……う、うん……」
 曖昧に頷いてみたものの……明日樹は、もはや、ノリにあらがう気は失せている。
「……行くよっ!」
 ノリは、明日樹の肩を抱いたまま、わずか数歩の、香也との距離を一気に、詰める。
「……どーんっ!」
 楓、孫子……と、立て続けに二人と交わり、へろへろになっていた香也は、いきなりノリと明日樹のタックルを受け……きれず、三人でもつれ合って、倒れた。

「……あっ……」
 気づくと、香也の顔が至近距離にあった。
 どうも、ノリと一緒に香也にぶつかっていった際、香也を押し倒してしまったらしい……。
 どあっぷの香也は、照れたような困惑しているような、微妙な顔をしている。確かに、香也の性格を考えると、こんな時に、気の効いたことをいえるほど、器用でないことは、明らかであって……。
「……あっ。
 あの……ごめんっ!」
 不意に香也は、明日樹から視線を逸らし、顔を横に向ける。
 しかし、そっちには、ノリが横たわっていた。
 やはり至近距離で、香也とまともに目線を合わせたノリは、「にひっ」と笑い、
「……あったーっくっ!」
 とか叫びながら、明日樹の背中に飛び乗る。
 明日樹は、慌てて香也の両脇に手を置いて、重量を支えようとした。間一髪、明日樹が畳に手をつくのは間に合い、明日樹と香也の顔が正面衝突することは、免れた。代わりに、ただでさえどあっぷだった香也の顔が、さらに間近になる。
 今や、香也の顔はほんの鼻先、わずか数センチほどの至近距離にあり、顔全体を赤らめている。
 ……今の自分の顔も、きっと真っ赤になっているのだろうな……と、明日樹は思った。
 そして、そこではじめて、それまで明日樹の体重を支えていたのが、明日樹の腕ではなかったことに気づく。
 明日樹と香也は、ほぼ同時に、視線をわずかに下に向けた。
 二人の視界に、明日樹の胸に両手を置いて体重を支える、香也の腕が見える。
 反射的に、香也は、明日樹の乳房を覆っている掌をもにもにっと動かした。
 明日樹は、これも反射的に、
「……やぁ、はぁん!」
 みたいな吐息をついている。
 その時の自分の声が、やけに甘て生々しい響きを持っていたことで、明日樹は現在の状況を完全に理解し、慌てて香也の上から飛びのいて、畳の上に正座する。
 香也も、ぎくしゃくとした動きで、起きあがった。
 明日樹にせよ、香也にせよ……状況が状況だけに、照れくさくてまともにお互いの顔をみることができず、顔を真っ赤にして伏せてしまう。
「……ご、ごめん……」
 明日樹は、気まずさを誤魔化すために、あらぬことを口走ってしまう。
「わ、わたしの胸、楓ちゃんより全然、小さいし……揉み甲斐、ないよね……」
「……んー……」
 香也は香也で、ごもごもと口ごもり、相変わらずはっきりしない。
「……いや、別に……大きさは、そんなに……。
 いきなりだったんで、感触、覚えてないし……」
 二人して全裸で顔を伏せて目をそらし、畳の上に正座している光景は、傍目にはかなりシュールであった。
「……おにーちゃーんっ!」
 ノリが、香也の膝元に飛び込んできた。
「……おちんちん、少し元気なくなったねーっ!
 今、舐めて元気にしてあげるねっ!」
 などといい、ノリは香也の返事も待たず、半勃ち状態の香也の陰茎を素早く口に含み、ちゅぱちゅぱと盛大に音をたてて舐めあげはじめる。
 明日樹も、ノリの無邪気な奇行に目を丸くして、おもわず、香也の股間にとりついているノリをまじまじとまともに見据えてしまう。
「……いや……あの、この……これは……」
  ノリに局部をくわえられた状態で、香也は、ノリの後頭部と明日樹とを、交互にみつめた。
 かなり狼狽した様子で、どのようなリアクションをしていいのか困惑しているようだった。




[つづき]
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