2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

彼女はくノ一! 第五話(338)

第五話 混戦! 乱戦! バレンタイン!!(338)

 香也が根元まで明日樹の中に入りきった時、明日樹は、自分でも知らないうちに香也の背中に爪をたてていた。香也が入っているソコだけではなく、下半身全体がじんわりと痺れているようで、感覚がない。おそらく、痛いのだろうとは思うが……今は、そこの感覚が麻痺している。ブレーカーが飛ぶように、痛みの上限を突き抜けているので、明日樹の体が痛覚を一時的に遮断しているのではないか……と、明日樹は、冷静に思考した。自分にのしかかってくる香也の重みと体臭だけが、やけに現実的だ。香也は、明日樹を気遣ってか、動きを止めて明日樹の顔を見つめている。香也と一体になっていっている今になってこういうのも何だが、明日樹がこれほど至近距離で香也と見つめあうのは初めてのことであり、現実に結合しているという事実よりは、香也の存在をこれほど間近に感じる、ということに、明日樹は戸惑いと気恥ずかしさを感じる。
「……動いて……いいよ……」
 半ば照れ隠しで、明日樹は香也にそういった。
 黙ったまま至近距離で香也と見つめあっていると、そんなことでもいわなければ間が持たなかった。
「……んー……」
 香也は、明日樹の顔に手を添えて、指先で目尻を拭った。そうされてはじめて、明日樹は自分が涙を流していることに気づく。
「……無理しなくて、いいから……」
 そう聞いた明日樹は、ひどく複雑な心境になる。
 香也の気遣いがうれしかったが、同時に、イッパイイッパイでわけがわからなくなっている自分と違い、随分と余裕がありそうな香也の態度に理不尽な怒りも感じる。
『……何だって、年下の癖にそんなに余裕があるかな……』
 という疑問は、すぐさま、
『……そりゃ……経験値に、天と地ほどの開きがあることは、わかっているけど……』
 と、多分に嫉妬の混ざった解答となって明日樹の胸を刺激する。
 結果、明日樹は口をへの字型に曲げ、
「……いいから、動くっ!」
 と、不機嫌な声を出してしまった。
 そう口に出してしまってから、明日樹は、
『……今のわたし……かわいくない……』
 と、軽い自己嫌悪に陥る。
 香也は、
「……本当に、大丈夫?
 駄目そうだったら、すぐにいって……」
 と前置きして、ゆっくりと明日樹の中を往還しはじめる。
 香也が動きはじめると、すぐ、明日樹は余裕がなくなった。香也の動きからすぐに快感を引き出した、ということではなく、香也が動くたびに、それまで収まっていた激痛に襲われ、口唇をきつく結んで声を出すのを堪えるのに懸命だった、ということである。自分の方から香也に「動け」といった手前、今更香也を制止するのも気まずかった。香也はかなりゆっくりとした動きで動いていたし、明日樹の顔を観察しながら、時折、
「……やめる?」
 と尋ねてきたが、もはや、半ば意地になっていた明日樹は、悲鳴をかみ殺しながら香也の背中に回した腕に力を込め、「このまま、続けろ」と合図した。自分よりも小さな身体で同じ痛みに耐えてみせたノリへの対抗心も、あった。
 時間が経過するほどに背中のひっかき傷が増えたので、香也にしてみれば、明日樹が必死になって破瓜の痛みに耐えていることは明々白々ではあったが、下手に明日樹の意志を無視しても、明日樹の機嫌を損ねてしまいそうな気がしたので、そのままゆっくりと動き続ける。
 香也の体が上下するたびに、明日樹は、
「……んふっ! んふっ!」
 と鼻息を荒くした。
 最初、香也が往復しているそこは、びりびりと痺れるばかりで、それに加えて香也が動くたびに激痛が走ったが、しばらく、それに耐えて続けていると、出入りする香也の周辺が、随分と滑らかになってきた。明日樹も、気持ちがいい、とまではいかないものの、内部の擦れている箇所から、くすぐったいような微妙な刺激を受け取るようになっていく。
 最初のうち、荒いばかりだった明日樹の鼻息は、香也の動きが滑らかになるにつれて、明らかに痛みをこらえる為意外の吐息をつくようになっていった。
 未だ、じんじんと痺れるような痛みを感じてはいるのだが……それと同時に、明日樹の中で、香也がある箇所に当たるたびに、明日樹の身体が軽くぴくりと動くようになっている。香也がゆっくりと辛抱強く、単調な動きを続けていると、明日樹は、次第に、苦痛以外の感覚に襲われて身体を震わせる頻度が多くなっていた。断続的に、小刻みな痙攣をしていた明日樹は、次第次第に、苦痛以外の刺激に即されて甘い吐息を漏らし、身震いするようになっていく。
「……んっふぅっ! はぁあっ! んんっ!」
 気づくと、明日樹は、自分でも「……はしたない……」と、思えるような鼻声を、あげるようになっていた。
 自分で聞いても、明らかに……感じている……と、判別できるような、吐息だったが、止めようとする明日樹の意志とは裏腹に、明日樹がたてる音は大きくなっていく。
「……ああっ! んっ、ふぁっ! ひゃっ!」
 明日樹が香也にしがみついているのは、もはや苦痛を堪えるためではなかった。最初、さざなみほどだった快楽が、今では、明日樹の中で大きなうねりとなっている。
 香也が、自分の中を往復するたびに、快楽のうねりの振幅は大きくなり、明日樹の理性はそのうねりに呑まれていった。
「……ひゃふぁっ! やんっ! ふぁっ! んっ!」
 ……などという甘い声を、下からしがみつかれた状態で耳元で囁かれるのだから、香也の方も盛り上がってくる。
 そろそろとした動きではじめて、今では、香也は、明日樹の太股を両腕で抱え、明日樹の腰とお尻を持ち上げ気味にして、かなり激しく腰を突き動かしている。
 明日樹の中も、今ではどろどろになっていて、香也の分身が中を往復する動きを助けていた。
 今の明日樹の中は、熱くて、きつくて、よく締め付けてきて、滑りがいい。加えて今では、香也のモノを求めるように、ヒクヒクと痙攣もする。
「……あぁはぁっ! あぁはぁっ! あぁはぁっ!」
 もはや明日樹は、香也が突き入れるたびに大きな声を上げるようになっている。おそらく、自分では、声をあげているという自覚もないのだろうな、と、香也は思った。
 そういう香也も、明日樹の反応につられて、一気に高まってきている。
「……も、もうっ!」
 香也は、せっぱ詰まった声で、射精が近いことを明日樹に伝える。明日樹は、香也のいう意味を理解しているのか、いないのか……よりいっそうの力を込めて、香也に抱きつく。
「……だめっ!
 出ちゃうっ! 出ちゃうってっ!」
 明日樹の中を激しく往復しているモノも、ビクビクと震えていた。明らかに限界が近づいていることを告げても、明日樹は香也にしがみつくのをやめなかった。

 結果、香也は、明日樹に抱きしめられながら、
「……出ちゃうっ! 出ちゃうっ!」
 と叫んだ後、長々と射精した。




[つづき]
目次

有名ブログランキング

↓作品単位のランキングです。よろしければどうぞ。
newvel ranking HONなび





Comments

Post your comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

このページのトップへ