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彼女はくノ一! 第六話(4)

第六話 春、到来! 出会いと別れは嵐の如く!!(4)

 その日の放課後、樋口明日樹はいつになく緊張していた。孫子が、美術室の後に陣取って文庫本を開いていたりするからだ。楓がたまたま手が空いた時、美術室に入り浸ることはあまり気にならなかったが……孫子にこれをやられると、迫力とか威圧感が違う……ような、気がする。
 そこで明日樹は香也の腕を引いて美術準備室に移動し、内緒話しをはじめる。
「ねえ、彼女……どうしちゃったの?」
 明日樹は、美術室の方、つまり、孫子がいる方向を指さしながら、こそこそと小声で香也に囁く。
 明日樹も、孫子が会社の設立とかなんとかで忙しい身であることは、知っている。事実、ここ数日、授業が終わると即座に帰っていたわけだし……。
「……ん……」
 香也は、端的に答えた。
「今日の、当番だって……」
「当番?」
 明日樹は、いそがしく瞼を瞬かせる。
「何の?」
「……ぼくの……」
 三秒ほど、明日樹は沈黙した後、盛大にため息をついた。
「それで……今週にはいってから、いれかわりたちかわり……もぅ……どうなってんの……狩野君のうちは……」
「……いや……あのままだと、混乱するばかりだからって……」
「それは……何となく、わかるけど……」
 明日樹は、もう一度ため息をついてから、香也の腕を強く引っ張る。
 不意に引っ張られて、香也は前につんのめり、明日樹に顔をぶつけそうになる。
「……ねぇ……」
 そのまま、明日樹は香也の首に腕を回した。
「このまま、キスして……」
 明日樹がしゃべると、香也の頬に熱い吐息がかかる。
「……え?」
 香也が、硬直した。
「……昨日、あんなことしたんだし……他のみんなとも、もっと凄いことしてるんでしょ……。
 責任とって、キスして……」
 明日樹は、上目遣いで香也の表情の変化を観察している。
 ……これは、つまり……。
 と、香也は思った。
 昨日のあれで心理的に不安定になっているので……香也が、どの程度本気で、昨日、明日樹とああいうことをしたのか、確認しておきたいのかな……と、香也なりに推測する。
 香也が躊躇しているうちに、明日樹は目を閉じて香也に顔を近付けてくる。口唇がふれると、明日樹の身体が細かく震えているのが、わかった。
 結局、香也はそのまま抵抗せず、明日樹にされるがままにしていた。
「……んっ」
 長々と口唇を重ねるだけのキス続けた後、明日樹はようやく顔を離した。
「……香也君の……硬くなっている……」
 明日樹は香也の首に腕を回したまま、うっすらと微笑んだ。照れ隠しのようにも、はにかんでいるようにも、見える。
 その時、なんの前触れもなく、いきなり美術室と準備室を繋ぐ扉が開き、明日樹は「きゃっ!」と可愛い悲鳴をあげて香也のそばから飛びのいた。
「……なんだぁ、お前ら……」
 旺杜教諭は、じろりと香也と明日樹を一瞥し、面白くなさそうな顔をして、私物のカメラケースを抱えた。
「……いちゃつくのは構わんが、他の先生方にはみつからないようにしろよー。
 おれ、面倒なのいやだからなぁ……」
 そういって、旺杜教諭は、後も見ずに準備室から出ていく。
 明日樹が呆然とし立ち尽くしているうちに、旺杜教諭と入れ違いに孫子が準備室に入ってくる。
「……今……何をしていましたの?」
 後ろ手にドアを閉じながら、孫子は、明日樹にきつい視線を送る。
「な、何をしていても……」
 明日樹は、孫子の気迫に負けまいと、声を大きくした。
「才賀さんには、関係ないでしょっ!」
「……そう……」
 答えた時には、孫子は明日樹と香也の間に自分の身体を割り込ませている。
「では……わたくしも……」
 孫子は、明日樹の顔を一瞥して、ふっ、と思わせぶりに微笑み、香也の首に素早く腕を回して抱き寄せ、香也に抵抗する間も与えず、口唇を奪った。
「……あっ。あっ。あっ……」
 明日樹は、目をまんまるに見開いてそんなうめき声をあげる。
 ……明日樹は、口唇を重ねただけだったが……孫子は、完全に香也の口唇を割って、香也の口の中に舌を割り込ませている。それどころか、スカートの裾がめくれるのにもかまわず、立ったまま腿を大きくあげて香也の腿に絡め、香也の腰を自分の方に密着させた。そのまま、香也が逃げられないように顔の両脇を手でホールドし、孫子は、わざと音を立て、香也の唾液を啜る。
「……はぁ……」
 ようやく、顔を離した孫子は、完全に恍惚とした表情を浮かべていた。
「……香也様のここ……苦しそう……。
 今、楽にしてさしあげますわね……」
 そんなことをいいながら、二人の密着している下腹部のあたりに手を下げ、ちぃー、と香也のジッパーをさげる。
 スカートが完全にまくれ上がっているので、白い孫子の腿と下着が、そこから視線をはずせないままだった明日樹の目に入った。
 明日樹がみつめていることも意に介さない様子で、孫子はジッパーの中からすっかり硬直した香也のものを取り出す。昨日もみた香也の性器から明日樹は目を逸らそうとしたが、その前に……。
「……ちょっ、ちょっと……。
 いくらなんでも、学校で、こんな……」
 とか、狼狽した声を出してしまう。
「学校にふさわしくないことを先にしたのは、そちらでしょう……」
 孫子は、明日樹の方をみようともせず、香也の前にひざまずいた。
「それに……こんなになったら……一度小さくしないと、他のことができませんし……んんっ!」
 香也の先端を口の中にいれ、孫子はそのまま深くくわえ込んでから、ゆっくりと口を抜き、今度は先端の部分を舌の先で舐めはじめる。
 香也が、
「……んんっ!」
 とうめいて、軽く背をのけぞらせる。
 ……ああいうことされると、気持ちいいのかな……と、明日樹は思うが、明日樹には男性の性感はうまく想像できない。
 それよりも、孫子が制服姿のまま香也に奉仕している様子が、妙に生々しかった。同じようなシーンは昨日、さんざん見ているはずだが、見慣れた準備室の中で、こんな大胆なことをやっている……という認識が、明日樹の興味を刺激する。孫子は、どこで覚えたのか、香也のモノをくわえたまま、じゅびじゅび水音を立てながら、首を前後させはじめた。
 オラールセックス、という言葉こそ知らなかったが、それが実際の性行為を真似た行為であることは、明日樹にも容易に理解できる。
 こんな場所、こんな格好のままで……という、日常の場で日常から逸脱した行為をすることによる倒錯性と、普段は気丈できつい性格をしている孫子が香也の前に膝をついて奉仕している、それに、そのすぐ横で、明日樹自身がみている……という二重、三重の異常な状況に、明日樹は、目を離せないようになっている。




[つづき]
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