第六話 春、到来! 出会いと別れは嵐の如く!!(10)
香也が帰宅しても、現象、梢、舎人はまだ居間に滞在していた。野呂平三の姿は見えない。荒野と茅も、マンションに帰ったようだった。
相変わらず、羽生とノリが現象の手元をみながらあれこれと指導をしており、梢と舎人は、その様子を見守っている。
テン、ガク、楓、孫子の四人は、それぞれにノートパソコンを広げて、テンはガクと、楓は孫子と、なにやら香也には理解できない難解な用語を大量に交えて打ち合わせらしきものをしている。
「あっ。
香也様……」
香也が居間に入ると、孫子が声をかけてきた。他の少女たちも何かをいいたそうな顔をしていたが、例の当番制とやらの手前、口を噤んでいるらしい。
「お風呂になさいますか? それとも、先に勉強の方を……」
「……んー……。
お風呂……」
孫子の問いかけに、香也は即答した。
この場に住人の全員がいるし、現象たちがいる以上、この前みたいに全員で乱入することもないだろう。
そう晩、香也は、久々に安心してゆっくりと湯に浸かることができた。
風呂から上がってパジャマ姿で居間に戻ると、現象たちの姿はなかった。香也の姿をみると、羽生が「さて、お風呂に……」といいながら腰をあげ、テン、ガク、ノリの三人も「一緒にはいるー」といって羽生についていく。
孫子が、
「では、今日の日課もさっさと済ませてしまいましょう……」
とかいって、香也に勉強道具を持ってくるようにいう。
楓がパソコンのキーをタイプしながら炬燵に居座っていることもあり、香也は安心して孫子の指示に従った。美術準備室で孫子にされたことを考慮すると、今、孫子と二人きりになると、どこまでいいようにされるのかわからない……という不安が、香也にはある。
居間で炬燵にあたりながら、孫子に指導されて一時間強の勉強を終えるのと前後して、入浴していた羽生たちが戻ってくる。香也の勉強が一区切りしたところで、羽生たちと入れ替わるようにして孫子と楓も風呂場に向かった。
「……彼、どう?」
香也は、風呂上がりの羽生に現象のことを尋ねてみた。特に、現象という少年そのものには、香也は正直、あまり興味はないのだが、絵に興味を持ちはじめている、という一点だけが、気にかかる。
「初心者としては、あんなもんだろ……」
羽生の返答は、素っ気なかったが的確だった。
「覚えが早くて、見たものを忠実に移そうとする素直さはある。
ただ……あのセンスはないなぁ……。
特に、色彩関係は……」
羽生がそういうと、そばで聞いていたノリが、ぷっ、と吹き出して、
「目の前にあるものの写生とかは、わりと器用にこなすけど……記憶に頼って描くと、どうしてあんな変な色を使うようになるんだろう……」
とか、いった。
「触れ込みでは、あの人も完璧な記憶力がある筈なんだけど……」
ガクが、首を傾げながらコメントした。
「記憶力に欠陥がなければ……やっぱり、センスの問題だと思うな……。
彼の中では、ああいう色をしたのがカッコいいんだよ、きっと……。
だって、写生はしっかりできるんだから……きれいな絵を描こうとリキむと、かえって変な出来になる罠」
ようするに、今日、現象のそばで見ていた人の意見を総合すると、現象の絵は典型的な「下手の横好き」らしかった。
……まあ、あの人が、今後、自分に大きく関わってくることは、まずないだろう……と、香也は思い、それらの話しを聞き流す。
香也の意識によれば、現象はどちらかというと荒野の客であり、今後、自分と関わりを持つ可能性は、そんなに多くないだろう……との、予想をした。
この予想は、大きく外れることになるのだが……この時の香也は、当然のことながら、そんな未来図はまるで予測していない。
その夜はプレハブに出向いて絵筆を取る気にもなれず、しばらく居間でみんなと談笑しながら適当にスケッチブックに落書きをしただけで、早々に眠りについた。
放課後、孫子にフェラで一発抜かれたり、明日樹が昨日のアレ以来、何気に積極的になってきていることを除けば、まあまあ平穏な一日だった。
翌朝、香也は下腹部に異様な感覚を感知して目覚めた。
薄くを目をあけて自分の腹部に目線を向けると、布団が不自然な形に膨らんでいる。反射的に、一気に掛け布団をはぎ取ると、パジャマのズボンを下着ごとずりさげて香也の陰茎に顔を近付けているテンと、目があった。
香也と目が合うと、テンは素早く身を翻し、香也の上に覆いかぶさる。音もなく香也の上に重なったテンは、遠慮もなにもなく顔を近付けてきた。
「……おにーちゃーん」
香也の上に乗っているのにも関わらず、テンの重みはあまり感じないなぁ……などと、のんびり考えているうちに、テンが口唇で香也の口を塞いで、硬くした舌を香也の口の中に割り込ませてきた。
しばらく、テンは香也の口の中を舌で探りながら、朝の生理現象で硬直している香也の分身を躊躇することなく手で弄びはじめる。
「……んっふっふっ……」
数分間、長々とそうした後でようやく顔を離すと、テンは、含み笑いをしながら、香也に自分の身体を押しつけてくる。
「もーにんぐ、きっす……」
テンの身体は、軽くて、小さくて、柔らかい。
「……おにーちゃんの、ここ……。
見に来たら、もっこりと大きく盛り上がってたよ……」
手で、香也のそこをまさぐりながら、テンは、再び香也の口唇を奪った。舌で香也の口の中を蹂躙しながら、テンは、若干、乱暴な動きで、硬直した香也のモノの形を確かめるように、握ったりさすったりする。
「……おにーちゃん……。
孫子おねーちゃんに、お口でして貰ったでしょう……」
次に口を離した時、テンは頬を染めていた。目が潤んで声もかすれ気味になっている。
……異様に鼻が利くガクが身内にいる限り、香也には、プライバシーというのがないのも同然だった。
「……んっふっ……こんなに……大きくしちゃって……」
そんなことをいいながら、ガクは、ホットパンツの布地越しに股間を香也の膨らんでいる部分に押しつけてくる。
「男の人、大変だね……。
今日は、ボクがお世話係りだから……おにーちゃんのここ、小さくしてあげるね……。
まだ少し、時間があるし……」
そういうと、テンは、素早く動いて頭を香也の股間の方に入れ替えて、覆い被さった。
「……今は、あんまり時間ないからお口だけだけど……帰ってきたら、最後まで、ちゃんとしてね……。
まだ、おにーちゃんのものになっていないの、ボクだけなんだから……」
とかいいながら、テンは、少し腰を浮かせて自分の下半身から下着ごとパンツ引き抜き、自分の股間を香也の顎のあたりに押しつけて、香也の硬直したモノを口に含む。
香也からみて顎の下に、テンの幼い、襞あまりはみ出ていない、シンプルな股間のラインが丸見えになっている。陰毛も薄めで、テンのそこは至近距離で香也の目にさらされていた。
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つづき]
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