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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(275)

第六章 「血と技」(275)

「茅……」
 しばらく休んでから、荒野は尋ねた。
「今ので、何回いった?」
「……むぅ……」
 茅は、不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「やっぱり、今夜の荒野……すっごく、意地悪なの……」
「いや、だって……他の女とやった時は、その倍とか三倍、茅を行かせなけりゃならないんだろ?」
 荒野は、そんなことをいいながら、茅の髪や首筋のたりを、指先でまさぐる。
「……やっ……」
 茅は、自分に延ばされた荒野の手を払いのけ、ごろりと寝返りをうって香也に背を向けた。
「そんなに触られると、また……」
 どうやら、茅は……荒野が想像している以上に、過敏な状態になっているらしい。しばらく休んだおかげで息はかなり整っていたが、茅の肌はまだ薔薇色に染まっている。
「触られると……何?」
 荒野は、背を向けた茅の肩に顔を近付ける。
 特に何をしようと考えた上での行動ではないが、もっと茅の体臭や温もりを感じたい、という欲求はあった。
「……あっ……」
 荒野が茅の肩に口をつけると、茅は小さな吐息を漏らし、身を捩った。
「駄目っ!
 今度は、茅が荒野にご奉仕するの……」
 荒野の愛撫から逃れるように跳ねおきると、茅は身を折って、ベッドの上に寝そべっている荒野の下半身に顔を近付ける。
 まだ硬さを保持している荒野の分身に顔を近付け、射精した時のまま、後始末をしていない避妊具に指を這わせ、それを引っ張って取り除こうとする。
「……汚れるよ、茅……」
 荒野は上体を起こして、そう声をかけた。
「いいの……」
 茅はそういって、荒野の分身を覆ったままの避妊具を、先の方から慎重に引っ張り、その根本に舌を這わせる。
「荒野から出たものは……汚くは、ないの……」
 茅は、そろそろと避妊具を抜きながら、根本から溢れでてくる荒野の精液を、音を立てて、丹念に舐めはじめる。
「……うまくないだろ、そんなの……」
 荒野はそう声をかけたが、結局、茅がしたいようにさせておいた。
「……いいの……。
 んんっ!
 これが、荒野の味と匂い……」
 茅は、恍惚とした表情で、避妊具をゆっくりとはずしながら、荒野が放出した白濁液を一滴も無駄にしまいと、丁寧に舌を使っている。
「前から思ってたけど……茅、意外とフェティッシュなところがあるよな……」
 荒野は、少し呆れながらも、結局は茅のしたいようにさせておく。
「荒野は、意地悪……サディストなの……」
 茅は、一心不乱にぴちゃぴちゃと舌を使う合間に、そう呟く。
「……乱暴にされるのが好きって、茅もいってた癖に……」
「荒野が、無理にいわせたの……」
 茅は、ようやく荒野からはずした避妊具を慎重な手つきで持ち上げ、中に残っていた液体を音をたてて吸いだす。
 その味を想像した荒野が、軽く顔をしかめた。
「……汚いよ、茅……」
「荒野のなら、汚くはないの。
 全部、茅の……」
 中身をあらかた吸い終わると、茅は避妊具の口を縛ってベッドの傍らに常備しているゴミ箱に放り込み、身を屈めてまだ濡れたまま半勃ち状態になっている荒野の分身に再びとりつき、そこを口で清めはじめた。
 そのまま、精液が付着している陰毛から亀頭まで、舌できれいに清めはじめる。一度、力を失いかけた荒野に再び血流が集まりはじめ、荒野は茅の口の中で硬度を取り戻す。
「……んふっ。
 また、荒野……元気に……」
 荒野のモノが完全に勃起すると、茅は、口を離して満足そうな笑みを浮かべる。
「……茅が、そんなことするから……」
 荒野は、ため息混じりにそう呟く。
 その時の茅の口調と表情は、どうみても、次の展開を期待しているものだった。
「茅……まだ、やりたいの?」
 誤魔化したり駆け引きをしてもしょうがないことなので、荒野は、直線的にそう尋ねる。
「まだ、全然……」
 茅は、ベッドの上に置きあがって、荒野の顔をまともに見据えた。
「……荒野の……元気だし……」
 ベッドの上に正座した状態で、真面目な顔をした茅が、すっかり上を向いた荒野の分身に手を伸ばす。
 茅は……タフになったな……と、荒野は思った。
「明日は、学校休みだから、いいけど……買い物に行くとか、いってなかったか?」
 荒野も身を起こして、茅の正面でベッドの上にあぐらをかき、茅とみつめあった。
「疲れて動けなくなっても、知らないぞ」
 明日、茅は、シルヴィや静香、酒見姉妹とともに、春物の服を買いにいくとか、約束していた。
「……大丈夫なの」
 茅も、真面目な顔をして、頷く。
「……あ。
 そういえば、まだ、いってなかったっけ?」
 荒野は、昼間した沙織との約束のことを、まだ茅に話していなかったことを思い出す。
「佐久間先輩、例の源吉さんとの面会に、ここ、使いたいって。
 一応承諾しておいたけど、茅がいなくても、別にいいだろ?」
「それは、構わないの」
 茅も、頷く。
「源吉には、佐久間のこと、支障がでない範囲内で聞いておいて」
「わかった」
 荒野も、頷いた。
 現象たちが来て、いよいよ茅たちへの、佐久間の技の教授がはじまる。本格的にはじまる前に、源吉からいくらかでも予備知識を聞くことができれば、何かと参考になるだろう。
「教えてくれるかどうか……仮に聞いても、おれに理解できるかどうかわからないけど、一応、聞いてみる」
「それでいいの」
 茅も、頷いた。
 買い物の予定をキャンセルしようとしないのは、すぐにでも現象たちによる、本番の講習が開始される予定だからだろう……と、荒野は予想した。
「荒野は……明日、一緒に来ないの?」
 今度は、茅が荒野に尋ねる。
「おれは……今回は、遠慮させていただく」
 荒野は、きっぱりと断言する。
 女性の買い物……それも、衣服に関係する買い物につき合うのは、ファッション関係にあまり興味のない男性にとっては、退屈を通り越して拷問に近いものがある。
 茅一人の買い物でも忍耐力を試されるだろうに……これが、女性の集団の中に、男性は自分が一人……ということになったら、甚大な精神的疲労を感じるであろうことは、用意に推測がついた。
「明日は……一日、このマンションにいて、大人しく勉強でもしておくよ」
 このところ、学習意欲とか知的好奇心がとみに高まっている荒野だった。
「わかったの」
 茅は、真面目な顔のまま、やはり頷く。
 そして、ベッドの上に立ち上がって、まだかろうじて体にまとわりついていた衣服を、脱ぎ捨てはじめた。
「明日のことは、それでいいとして……」
 全裸になった茅は、荒野に向かって飛びかかってきた。
「……今夜の、続き……」

 その夜、荒野はそれから長い時間をかけて茅の中に数回射精し、茅は、その何倍も達した。
 この間の乱交がいい刺激になったのか、もともと荒野とのえっちに関しては積極的すぎる傾向があった茅はまた一段とたがが外れたようだった。
 茅が敏感でいきやすい体質だから、また、荒野の体力が常人と比較すると遙かに凶刃だから、まだしも、どうにかなっているが……茅が、自分以外の男性に同じ様なことを求めることがあったら、かなり大変なことになっているだろうな……と、茅をもみくちゃにしたり、茅にもみくちゃにされたりしながら、荒野はぼんやりとそんなことを思った。




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