第六章 「血と技」(296)
「こうされるの、好きなの?
痛くない?」
荒野は、自分を上から見下ろしている茅に向かって、真顔で尋ねる。尋ねる間も、少し力をいれて、こりこりと茅の乳首をもてあそび続ける。
「……んっ!
痛い……けど……それが、気持ちいいの……」
茅は、素直に答えた。
鼻にかかった声で、荒野には、本当に気持ち良さそうに聞こえた。
「それじゃあ……もう少し、強くする?」
そこで、荒野は、そう尋ねてみる。
「……いいっ……。
もう少し、強く……んんっ!」
実際に、荒野が指にいれる力を強くすると、茅は軽く首をのけぞらせた。
「……すごいね、茅……。
乳首なんかで、こんなになっちゃうんだ……」
荒野は、故意に指摘した。
「……むぅ……」
すると、茅は、口唇をとがらせて、荒野に抱きついてくる。
そのまま荒野に何度目かのキスをしようと、茅が顔を寄せてくるのを、荒野は軽く頭を反らせて回避する。
「ほら、今は、お風呂。
ちゃんと暖まったから洗わないと、明日に差しつかえるぞ……」
そういって荒野は、茅の両脇に手を差し入れたま、中腰にたち、茅の身体を軽々と持ち上げ、茅を立たせた後、茅の身体の向きをかえる。
茅の背中が自分の側に向くようにして立たせた荒野は、そのまま茅の両肩に掌を乗せて下に押し下げ、元通り、茅を自分の膝の上に座らせた。
「……荒野、意地悪なの」
荒野に後頭部を向けた茅が、不満のこもった声を出した。
「はいはい」
荒野は、軽くいなすだけで、茅の不満をまともに取り合おうとはしない。
「今は、お風呂……」
「荒野だって……ここ、こんなにしている癖に……」
茅は、自分の尾てい骨を、荒野の硬直している部分にすり付けるように、腰を動かした。
「ほら。
湯船の中で、暴れない……」
荒野は、そういって、茅のあばらのあたりを、両側から手でしっかりと取り押さえた。
そのまま、茅の背中を、自分の方に引き寄せ……今度は、茅の胴体に腕を回し、茅の背中と荒野の胸板が密着するように、がっしりと抱き寄せる。
「……大人しくしていれば……ちゃんと、気持ちよくしてやるから……」
荒野はそういってから、片手で先ほど同じように、茅の乳首を摘み、もう一方の手を、茅の下腹部の茂みに向けた。
「……やっ!」
茅が、荒野の強制的な愛撫から逃れようと身を捩るが、荒野は両腕で茅の身体をがっしりと押さえているので、茅は、その場から逃れることができない。
「今まで、茅に気持ちよくして貰うことが多かったから……おれも、茅をちゃんと気持ちよくしなけりゃな……」
荒野は、そういって茅の乳首をもてあそびつつ、茅の草むらを指でかき分けて、茅の敏感な突起を探った。
茅を先に何度かいかせてしまえば、無駄な体力の消耗を防げる……という計算も、あった。何しろ二人とも、明日からまた、平常通りに、通学しなければならない身だ。ここは一つ、早めに茅を満足させて、大人しくして貰うのが、得策だ……と、荒野は、思う。
茅の陰唇のぬめっとした感触がまず指に触れ、その陰唇に反って、指先を上に向かって動かす。特に力を入れているつもりはなかったが、茅が身を捩った拍子に、第一間接あたりまで、荒野の指が茅自身の中に潜り込んでしまう。
「……うっ」
とも、
「……ふっ」
ともつかない吐息を、茅が漏らす。
荒野は、指先が茅の中に入ったまま、茅の秘裂に添って、指先をゆっくり上に動かした。
「……あっ……あっ……あっ……」
茅が、嗚咽にも似た低い声を、あげる。
茅の背中が、細かく震えはじめていた。
「……茅は、感じやすいな……」
荒野は、後ろから、茅の耳元に囁く。
「というか……どんどん、感じやすくなってるんじゃないか?」
荒野の指先が秘裂の上にある突起に触れると、茅の背中が大きく身震いする。
荒野は、茅の乳首を掴んでいる指に、力を込めた。
「今、こうしているみたいに……」
荒野は、再び、茅の耳元に囁く。
「……茅のここ……硬くなっているのも……摘んでやろうか……」
そういいながら、荒野は、人さし指の腹を茅の肉芽に押しつけて、少しつぶしてみせた。
「……んぅふっ!」
茅が、がくりと、上体を前に倒す。
そうすると、乳首を弄んでいた荒野の腕が、前に引っ張られ、茅の下腹部に潜り込んでいた指と、茅のおなかとに挟まれて、茅の敏感な突起がますます圧し潰される格好になった。
「ひゃっ!」
という、悲鳴にも似た声をあげ、茅の身体が、今度は、左右にガクガクと震える。
「ほら……そんなに暴れると、敏感なところに当たっちゃったりするぞ……」
荒野は、囁いて、茅の下腹部に潜り込ませた二本の指で、茅の敏感な突起を、軽く摘む。
「そんなに焦らなくても……今から、茅のここと、胸……同時に、指で潰してやるから……」
そういって荒野は、しばらく様子を見ていたが、茅は肩を細かく震わせるだけで、特に何も返答はしなかった。
「……ひょっとして……。
茅、期待している?」
何気なく、荒野が尋ねてみると、茅の肩が、びくんと震える。
「……図星……かぁ……」
いいながら、荒野は、茅の乳首と陰核を、軽く力を入れて、摘む。軽く力をいれたまま、少しひしゃげ気味になった乳首と陰核を、腹の指ですり潰すように動かすと、茅が、懇願するような声を上げはじめた。
「……やぁ……違ぁっ! 違うのぉっ! おぅっ! あっ!」
「……すごいな、茅」
荒野は、冷静な声で指摘する。
「指だけで、こんなになるなんて……。
茅は、どんどん、えっちになっていく……」
「……ちがうのぉ!
かはっ!
荒野がっぁっ!
荒野が変なこと、するからぁっ!」
茅は、軽く膝をたてた半端な姿勢のまま、湯船のお湯を跳ねまわして身震いをした。
しばらく、荒野が強弱をつけて、茅の乳首と陰核を摘んでみせる。
茅は、それだけで軽く達したったようで、荒野の名を連呼しながら身体を硬直させ、しばらく震えていたかと思うと、いきなりがっくりと身体から力を抜いて、その場にへたり込んで、背を荒野の方に預けた。
茅は、それから長い間、そのまま荒野に体重を預けたまま、胸を大きく上下させて酸素を体内に取り込んでいる。
荒野からは見えないが、おそらく、目も閉じているのだろう……と、荒野は思った。
荒野は、そうして茅が休んでいる間も、茅の脇の下から手を回して、茅の乳房を軽く揉んでみるが、身体を休ませることに忙しく意識が回りきらないのか、茅は、そちらの方の動きには反応しない。
「……こう……や……」
少しして、茅は、自分の身体を下にずらし、頭のほとんどを湯の中にいれて、下から荒野の顔を見上げた。
荒野から見れば、お湯の中に揺らめいている茅の黒髪を背景に、見慣れたのとは上下が反転している茅の顔を、下に見下ろしている形になる。
「茅は……荒野の、ものだから……」
茅は、頭頂部を荒野の胸板にすりつけるようにして、顔をもちあげる。
湯を吸った黒髪が、持ち上がってきた茅の白い顔の後を追って、ついていく。
そのまま頭を持ち上げた茅は、荒野の肩の上に頭を預けるようにして、座り直す。
湯を含んでなま暖かくなった茅の髪が、べったりと荒野の身体の正面を覆い尽くした。
茅に捉えられているのは……どうみても、おれだよな……と、荒野は思ったが、そのことをその場で口にすることはなかった。
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つづき]
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