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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(298)

第六章 「血と技」(298)

 ベッドの上でもつれ合い、口唇を貪り合いながらも、茅は荒野の下腹部に手を伸ばして、いきり立った荒野のモノを軽く握りしめた。
「……これ……」
 顔を離して、茅が、荒野の顔に息を吹きかけながら、囁く。
「これが……欲しいの……」
 風呂場でさんざんいちゃついていたおかげで、茅は、すっかりヒートアップしている。荒野は、それほど多くの女性を知っているわけではないが、その乏しい経験からいっても、茅は、感じやすい方だと思う。
 そして、荒野の方も、それまで、ほとんど茅だけを相手にしていた時とは違い、シルヴィや酒見姉妹との経験を通じて、性愛の方法にも、多様性がある……ということを知りはじめていた。
「これって、何?」
 荒野自身も、いい加減ヒートアップしている。
 そのまま、今、茅が握っている分身を、茅の中に埋め込みたい衝動に駆られたが、荒野は、かろうじてそれを自制し、ベッドのサイドボードに出しておいた避妊具の封を切って、素早く装着した。
 その動作にも、もう随分となれてしまったな、と、荒野は思う。
「今、茅が握っているのを、どうすればいいの?」
 少し前から、荒野は、茅に奉仕される形より、じらしたり、言葉で攻めたり……といった、荒野の側から働きかける行為を、試しはじめていた。
「……これを……」
 茅は、上気した頬を左右にゆるく振って自分の腰を浮かし、荒野の分身の先端を、自分の秘部にあてがった。
「ここに……」
「……これ、とか、ここって……」
 そのまま腰を沈めようとする茅の身体を、荒野は、下から腕で持ち上げて、制止する。
「もっと、具体的に、いって……」
「荒野……」
 荒野がそういって、茅が腰を沈めるのを邪魔すると、茅は、切なそうな、口惜しそうな表情をして、顔を横に振る。
 荒野の力で、下から身体を支えられてしまえば、茅の力では、事実上、腰を沈めることはできない。
「どんどん……意地悪に、なるの……」
「ほら……茅のここは、なんていうの?」
 荒野は茅の切なそうな顔は無視して、自分の分身があてがわれた、茅のその部分を、指で探った。
 荒野の指先が、陰毛をかきわけて、もう十分に湿っている茅の中心に触れると、茅は……っんっふぅっ……と、小さく鳴いた。
「ちゃんといわないと……これ以上の続きをしないで、寝ちゃうよ……」
 荒野がそんな態度を取るのは、じらせばじらすほど、あるいは、茅に恥ずかしいことをすればするほど、茅の反応も、自分の快楽も深くなる……ということを、学びつつあったからだ。
 
 例えば、それまでなら、局部を口で奉仕するのは、ほとんど茅の役割……として固定していたが、逆に、荒野が茅の股間に顔を埋め、長時間、口と舌とで愛撫する……ということを、試してみた。
 茅の反応は、上々……というか、そのことも契機となり、また一段、深い悦楽を学習したように……荒野には、思える。
 性行為も、動物的な性欲を発散させるだけの行為ではなく、どうやら、もっとメンタルな要因も、快楽の質に深く関わってくるようだ……と、荒野は気づきはじめている。
 茅以外の女性を抱く時と、茅を抱く時とでは……快楽の深さも、だが、それ以上に、行為の前後に感じる安堵の深さが、ぜんぜん、違った。
 現在、行われているような、荒野による「茅いじり」も、荒野と茅の関係性が前提とした上で「意地悪」である。

「……おまんこっ!」
 風呂に入っている時から延々と刺激されては冷まされ……といった扱いを繰り返さえされていた茅は、もはやそれ以上、我慢することができないようになっていたのか、突如、顔を真っ赤にしながら、そんなことを口走りはじめる。
「茅のおまんこに、荒野のちんちんいれるのっ!
 ……んっ、ふうぅっんっ!」
 茅の言葉が終わらないかのうちに、荒野は、下から腰を突き上げ、一気に根本まで、分身を茅の中に埋める。
 いい加減……茅をじらしている荒野自身も、そうしたいという欲望に身を焦がしていたのだ。
 その衝撃で、茅は全身を細かく痙攣させ、がくりと頭を背中の方にのけぞらせる。
 荒野は、そのまま、乱雑な造作で下から突き上げ、茅の中を往復した。
 荒野が突き上げるたびに、茅は上体をがくがくと揺らせる。
 茅は、荒野の膝に手をおいて、荒野の動きにあわせて大きく動く自分の身体を支えた。荒野に突き上げられながら、茅は、「はうぅっ」とか「あうぅぅっ」とか聞こえるあえぎ声を漏らしてながら、頭を大きくゆらしている。
 あまり不自然な体位を長時間行うのもしんどそうだったの、荒野は適当なところで動きを止め、ぐったりとした茅の身体を腕で支えて、繋がったまま、ベッドの上に寝そべらせた。
 茅は、息も絶え絶え、といった様子で、荒野のなすがままになっている。

「茅……」
 ぐったりとなっている茅を仰向けに寝かせると、荒野は、茅の耳元に口を近づけて、囁く。
「気持ち……いい?」
 茅は、せわしなく呼吸をしながら、かすかに頷く。
 どうやら、言葉で返事をする余裕も、ないようだった。
「おれも、気持ちいい。
 茅の中、すっげぇ気持ちいい。今までで、一番気持ちいい……」
 荒野が実感を込めてそういうと、茅は、うっすらと笑ったようにみえた。
 そして、荒野を捉えている茅の部分が、きゅっと荒野を締め付ける。
「……また、動いても、いい?」
 荒野が確認すると、茅は、あえぎながらも、頷いてみせる。
「……いくよ……」
 茅が頷いたのを確認して、荒野は再び動き始める。
 最初のうち、これ以上、茅に負担をかけるのを遠慮して、ゆっくりと動きはじめた荒野だったが、そこから得られる快楽が、今までに経験した中でも群を抜いて気持ちよかったので、すぐに、我を忘れて茅を攻めたてはじめてしまう。
 荒々しい動作で荒野が腰を振ると、茅の内部はそれまでにない複雑な収縮をして、荒野の分身に絡みついてきた。もともと、茅は分泌する愛液の量が多い方だが、それに加えて内側の襞が絶妙の収縮を繰り返しながら、出入りする荒野に絡みついてくる。
 茅も、荒野の動きに合わせて、
「……あぁぁあ、ぅうううぅぅぅ、あぁうぅぅぅぅ……」
 みないな感じで、歌うようなうめき声をあげるながら、下から腕をまわして、荒野にしがみついている。決して大きな声ではないが、茅も自覚しないうちに、喉の奥から声が漏れている、という感じで、茅にそうした声を出させている荒野は、まるで楽器でも演奏しているかのような手応えを感じる。
 荒野の内圧も、茅の反応に応じるかのように高まってきていた。
 実際に挿入する前に、雰囲気を盛り上げるだけ盛り上げておいたのがよかったのか、二人とも、短時間のうちに、同時に、それに、今までに経験したことがないくらいに、深く、高まっていた。
 結合部から得られる快楽は、荒野が今までに感じたことがないくらいに大きなもので……。
「……すっげぇ……気持ちいいっ!」
 と、荒野は、自分でも知らないうちに、子供のような歓声をあげている。
「茅の中、すっげぇ、気持ちいいっ!
 すごいよ、茅、すごいよっ!
 いいよ、茅、好きだよっ! 大好きだよっ! 気持ちいい、気持ちいいっ!」
 がんがん、茅の奥まで突き上げながら、荒野は「気持ちいい」とか「大好き」とか、おおよそ、普段の荒野なら、めったに口にしないような単語を連呼している。




[つづき]
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