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第六章 「血と技」(342)
「……いや……その……。
乱入してきた人たちも、そんなに過激なことはしていないようだし……話しを聞く限りでは……どちらかというと、三人組や現象の方が、危害を加えているような感じだし……。
おれの意志としても、出来る限り穏便に事を収めたいのですが……」
荒野は、内心で冷や汗をかきながら、一応、抗弁してみせた。
……何だって、この土地には……こうも血の気が多い、好戦的な女性ばかりが集まってくるのだろう……。
「……わっかりましたぁー……」
ジュリエッタは、にっこりと微笑んで荒野に頷きかけると、細長いケースを肩に担ぎ、すたすたと歩き出す。ジュリエッタが先ほどセバスチャンから受け取ったのは、ジュリエッタの身長よりも長い、二メートル近い長さの、プラスチック製のケースだった。
「……オンビンにぃー。オンビンにぃー……」
少し調子っぱずれのアクセントで繰り返しながら、ジュリエッタはすたすたとスポーツ・ジムの中に入っていきかけ、そこで足を止めて首だけ振り返り、荒野に話しかけた若い男に、
「……なか、案内してくださりますか?」
と、問いかけた。
「ど……どうしましょう?」
警護の者だ、と名乗った男は、荒野に判断を求める。
「……荒野、遅いっ!」
その時、建物の中から、三島百合香の小さな姿がこちらに向かって駆けてきた。
「こうなったお嬢様は……行き着くところまでいかないと、落ち着きません……」
いつの間にか荒野のすぐ後に立っていたセバスチャンが、ぼそっ、っと囁く。
セバスチャンの気配に気づかなかった荒野は、一瞬、ぎくりと身をすくませる。
「Oh!……センセー!
Photoで観るより、ちっさいねー……」
「……な、なんだっ!
このでかい女はっ!
このっ! 乳も不平等にでかいぞこいつはっ!」
ジュリエッタは、片手で近寄ってきた三島を抱きすくめている。ジュリエッタは確かに大柄で、身長も、荒野より高いくらいだった。そのジュリエッタが三島を抱きすくめると、大人が子供を抱いているような印象になる。ジュリエッタにぐいぐい抱きしめられている三島は、つま先立ちになってジュリエッタの豊満な乳房に顔を埋めているような状態だった。
「……荒野っ!
このデカぶつ、さっさと何とかしろっつーのっ!」
楓や孫子は、完全に毒気を抜かれた表情で、ぽかん、と成り行きを見守っていた。
香也は、楓と孫子の二人に抱きかかえられた状態での移動が応えたのか、青白い顔をして、地面にぺんたんと尻餅をついている。
静流は困惑した表情でしきりに周囲に顔を巡らせているし、イザベラは、完全にこの場の状況を面白がっているのか、にこにこと笑いながら皆の挙動を観察していた。
シルヴィと目が合うと、諦観しきった表情で、肩を竦めてみせた。
「……ジュリエッタさんっ!」
内心で舌打ちをしながら、しかたなく、荒野は決断を下す。
「とりあえず……この場を、出来るだけ、被害を出さずに、収めてみてください。
まだ中の詳しい状況は、わかっていないわけですが……状況を見極め、どう対処するのかという判断も含めて、実力を測らせてもらいます!」
ジュリエッタの希望は、「荒野に自分を売り込むこと」。
その言葉に嘘がなければ……無茶なことは、しない筈だった。
「……アイアイ、サー!
ドン・カノウ!」
ジュリエッタは、ようやく三島から手を離し、上機嫌で荒野に敬礼してみせる。
「……では、センセー!
早く、戦場に案内するねー!」
「……戦場じゃないっつーの……」
ようやくジュリエッタの胸から解放された三島は、ため息をつきながら荒野の方に視線を送る。荒野が小さく頷いたのを確認してから、先導してジュリエッタを案内しはじめた。
「わたしは、途中から抜けたから、中の会話を全部聞いたわけではないが……」
三島は、建物の中を進みながら、これまでの経緯をかいつまんで説明する。今までに荒野が聞いた情報と比較しても、特に目新しい知見はなかった。
「……ヴィ。
さっき、その三人が来ることを、事前に掴んでいたっていってたけど……その理由とかは、わかる?」
「……全然」
シルヴィは、首を横に振った。
「日本に向かった……という断片的な情報を、掴んだだけ。
今の日本に、あの三人が興味を示しそうな場所は、ここくらいしかないから……」
「……ほぼ確実な推測、でしかなかった……ってことか……」
荒野は、ぼそりと呟く。
シルヴィの情報網も、完璧ではない。現に、同じ姉崎である、ジュリエッタやイザベラの来日を、事前に察知できていない。
「加納……」
孫子が荒野に近づき、小声で耳打ちしてくる。
「あんなのにまかせて……大丈夫なの?」
「……仮に、失敗しても……今、ここに揃っている面子なら、どうにでも挽回できるだろ?
わざわざ遠方から来てくれたんだ。客人の顔も、少しは立てないと……」
そういって荒野は、首を少し振り、後からついていくる面子を示す。
「それは……そう、ですわね……」
孫子も、納得のいった顔で頷いた。
「これだけの戦力があって、なおかつ、対処できなかったら……」
その後の言葉を、孫子は省略する。聞かずとも、荒野には容易に推測がついたが。
今、ここにいる面子は、現在の荒野が動かせる、ベスト・メンバーといっていい。
これだけの人員が揃っていて、なおかつどうしようもない相手なら……もはや、今の荒野には、為す術はない。
「……オーラ! アミーゴ!」
三島に案内された室内競技場に入るなり、ジュリエッタは大声で挨拶をする。
そして、肩に担いでいたケースを開け、中に入っていた、二振りの長剣を、両手にひと振りづつ、握る。
「……二天一流!
ジュリエッタ・姉崎、参るっ!」
ジュリエッタが投げ捨てたケースは、地面に落ちる前に、セバスチャンが受け止めていた。
[
つづき]
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