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彼女はくノ一! 第六話(103)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(103)

『……あっ……』
 香也は、孫子の手によってスカートの中に導かれた自分の指先が、湿った茂みに触れたのでひどく狼狽した。その場に真理や羽生や荒野、その他大勢の人たちがいたので、できるだけ平静な態度を保とうとつとめたが、一瞬、声をあげそうになり、慌ててそれを飲み込む。
 ちらりと隣に座る孫子の横顔を確認すると、この少女にしては珍しくぼおっとした表情で、頬を紅潮させている。
 香也が何も反応出来ないでいるうちに、孫子は、香也の手首と手の甲を両手でしっかりと押さえつけ、自らの秘部に香也の指先を接触させ、上下に揺すりはじめた。香也の指先は香也自身の意志には関係なく、孫子の陰毛をかき分けて、孫子が導くままに、孫子の隠唇に沿って上下しはじめる。
『……うわぁ……』
 と、香也は、またもや声をあげそうになるのを、あやうく飲み込む。
 指先に触れる孫子の奥はすっかり濡れていて……香也の指先は、孫子の秘裂にそってなめらかに上下した。
 ふっ。
 と、孫子が、軽く吐息を漏らす。
 人目があるため、ごく軽い吐息だったが、すぐ隣に座っていた香也には、孫子が、香也の指が自分の中心に触れている感触に満足した吐息だ……ということが、ありありと実感できた。孫子は香也の指を自分の襞にかなり強く押しつけながら上下させており、そこの奥から出てくる液体は、動きが激しくなるにつれて増しているようだった。
 香也は、これまでに実際に孫子を抱いた経験よりも、現在の、香也の指を使用した孫子の自慰じみた行為の方に、孫子の生々しい「女性」を感じた。
 いや。
 実のところ、これまでのどさくさまぎれの行為とは違い、人目のある現在の状況下の方が、香也としてもどこか冷静でいられた、というだけのことなのかもしれないが。

 自慰じみた行為、といえば、香也は、同時に、分身を楓の指に握られてもいた。
 最初のうち、炬燵の中でおずおずと遠慮がちに香也の分身を弄んでいた楓は、香也の「そこ」がかなりの硬度を保ったまま起立し続けていることを確認すると、徐々に激しい動きで香也の分身を刺激しはじめる。
 香也自身を柔らかく握りしめた楓の指は、最初のうち、どうしたらいいのか戸惑うような頼りのない動きをしていたが、そのうち、緩く握ったまま、上下に動かしはじめた。楓が適切な力加減を知らなかったため遠慮したのか、握力はさほど籠もっておらず、当初は頼りないくらいの感触だったが、すぐに楓は手の動きを早くしていき、香也はすぐにこれまでに体験したことのない感触に襲われた。
 香也自身が自分でする時より握りは弱いが、代わりに、楓の手の動きは、香也のそれとは比べものにならないくらいに、早い。
 ああ。
 と、香也は思う。
 ……楓ちゃんに、自慰行為をして貰っているようだな、と。
 それに、孫子も、自分の指を使って自慰をしているようなもので……。
 いや、それぞれ、他人の指を使って慰めているわけだから、厳密にいうと「自慰」というわけではないのだが、こうして他人の目がある中で本来の性行為に結びつかない疑似的な愛撫の連鎖を行い続けているのは、どこか間が抜けている割には倒錯的で、さほど強い快楽や射精感の高ぶりを感じたわけでもないのに、気づくと香也は楓の指の中に精を放っていた。
 発射した、というよりは、気づくと漏れていた、という感じの勢いのない射精で、香也の分身を刺激していた楓も前兆に気づけなかったのか、指に香也が放った粘液を感じると同時にかすかに身じろぎし、素早く香也の亀頭を掌で包み込むように、手指の形を変える。
 雰囲気と異常なシュチュエーションに応じて精を漏らしてしまった形の香也は、たいした快楽を受けていない割には、楓の掌に精液をぶつけるようにして、随分長々と精を漏らし続けた。
 ここ数日、自分でやっていなかったこともあって、随分と止まっていたらしい、とか、今、炬燵の中はすごい臭いになっているんだろうな、とか、そんなくだらない考えが、香也の脳裏に浮かぶ。
 それから、はっと気づいて自分の手首を押さえている孫子の手をそっと掴む。
 孫子は、やはり微かに身じろぎしたが、香也が炬燵の中で孫子の手を外して、孫子の股間に押しつけられていた香也の指をそこから離すのには、抵抗しなかった。ただ、孫子は、香也の手が完全に孫子のスカートの中から抜け出すと、香也の肩に自分の頭を乗せ、もたれかかっててきた。
 そうしている間に、楓は、炬燵の中でゴソゴソと手を動かしている。社会の窓から飛び出している、また硬度を失っていない香也の硬直に、柔らかい布状のものが押しつけられ、丁寧な動きで拭われる感触。おそらく、楓は、とっさに持っていたハンカチで、香也の男性を拭っているのだろう、と、香也は悟った。
 いまさらながら、どんでもなく奇妙な関係だよな……と、香也は、現在の自分たちのことについて、そう思う。
 手探りで楓の手をどけて、香也が自分の手で、まだ大きさが収まっていない股間のものを何とかジッパーの中に収めるとほぼ同時に、何やら熱心に話し込んでいた荒野が、香也、楓、孫子の三人の様子がおかしいことに気づいたのか、
「どうした?
 体調でも悪いの?」
 と声をかけてきた。
 香也の体に密着していた楓と孫子が、弾かれたように香也から上半身を離し、
「……んー……」
 香也は、その隙を逃さずに炬燵から足を抜き、身を起こした。
「お風呂」
 と短く言い残し、さっさと居間を立ち去る。
 お客さんも大勢来ているから、今夜は乱入とかはあり得ない。ゆっくりと風呂に入れそうだ……とか、そんな身も蓋もないことを考えていた。
 逃げるように居間から出て廊下を歩きながら、香也は、「自分たちの関係も、そろそろ本気でどうにかしなくては」とか、柄にもなく思いはじめている。香也自身は男女の関係とか健全な交際とかにあまり興味はないのだが、現在、自分を取り巻く環境がアブノーマルなものであることは、流石に自覚してはいる。炬燵布団に隠れて、とはいえ、あれだけの人たちの前で三連結自慰的愛撫をするような関係が、正常である筈がない。仮に、香也たちが道理を弁えた大人同士であり、当事者同士が納得の上、そのようなプレイを楽しんでいるのだとしたら……世間は広いから、ひょっとしたらそういう嗜好の人たちがどこかにいるのかもしれないが、少なくとも、香也自身はそのような趣味の持ち主ではない。自分もそうだし、楓や孫子にとっても、現在のような不安定な関係が長引くことは、いい傾向とは言い難いと思うし、それに、自分たちだけの問題ではなく、年少のテン、ガク、ノリの三人に与える影響とかを考慮すると、もっと「よくない」……と、香也は思う。
 基本的に香也は、あまり世間体とか社会とかを意識する人格ではないのだが、最近になって深く関わる人数が増えてきたため、自分の言動が周囲に与える影響について、それなりに考えるようになってきていた……。

 



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