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隣りの酔いどれロリおねぇさん (8)

隣りの酔いどれロリおねぇさん (8)

「なあ、青年」
 しばらくして、ぼくの膝の間に入って、体をぼくに預けていた三島さんがもぞもぞと身動きしだし、起きあがって向きをかえて、ぼくの体を這い上がって、顔を近づけてきた。
「キスするぞ、これから」
 ……あー。なんか、一回なごんじまったからなぁ。
 抵抗しにくいというか、してもどうせ無駄というか、抵抗すればするだけかえって事態を悪化させるだというか、ようするに、色々なことが面倒になってきたので、黙って、三島さんの顔が近づいてくるのを待つ。
 ……こうしてアップでみると、結構可愛い顔しているのに……このけったいな性格さえ、なければなぁ……。
 とか思っているうちに、三島さんの口唇がぼくのそれと、静かに重なる。
 三島さんは当然のように舌を入れて絡めてきて、長々とぼくの口の中を蹂躙した後、ようやく顔を上げた。

「ゲロ臭い」
「酒臭い」
 口を離した途端、ほぼ同時に二人でいいあって、声が見事に重なったことに、二人して、笑いあった。

「風呂。風呂はいろう。今まで気にならなかったが、二人とも酷い匂いと格好のままだ。服も洗おう。上着は無理か知れないが、ワイシャツぐらいならうちの洗濯機で十分だ」
「はいはい。もうどうにでもしてください。抵抗すんのも、面倒くさくなってきた」
 お互いの脇を肘で小突きあいながら、すくそこの脱衣所まで、ほんの数歩の距離を二人で歩いていく。
「あー。壁にもべったりとついている」
 ぼくの背中に盛大に吐かれたモノが、だ。そのまま壁にもたれかかっていたので、当然といえば当然だが。
「なに、それくらいどうにでもなる。最近実入りのいい副業の口があってな。いざとなれば壁紙ごと変える」
「おーい。地方公務員って、バイト、オーケーでしたっけ?」
「堅いこというなよ。バイトとはいっても、本業の延長みたいなもんだ。問題児の監視みたいな仕事でな、このマンションに越してきたのも、実はその関連だったり」
「そういや、その白衣、いつも着ているんですか?」
「いや、これ、洗濯するためにたまたま持ち帰っていただけなんだが。ほれ、今の時分、朝晩は冷えるだろ。肌寒かったんで、駐車場から部屋に行くまで、たまたま羽織ってただけだ」
「駐車場……って、あれだけべろべろになってて、自分で運転してきたんですか? 飲酒運転は犯罪です。それ以前に危ないっす」
「うるせーこの堅物ー。堅くするのはあそこだけにしろー」
「三島さんの裸なんかみてもなんも堅くなんかなりませんて。うわ。この人、ほんまもんの幼児体型だよ。前も後ろもすってんてんの真っ平ら。服脱ぐとさらに幼く見えるっていうのは、いったいどういうカラクリですか。年齢、二十歳くらいサバ読んでませんか、あなた?」
「いってろー青年。意外に毒舌だなーお前ー。みてろー。今晩はこってりと搾り取ってやるからなー」
 他愛のない、お馬鹿なやりとりをしながら、二人してさっさと服を脱いでいく。酔いが醒めていない、ということもあるし、お互い、「遠慮してもしょうがない相手」、という認識をもったので、男女というより悪友同士みたいなノリになってくる。
 やっぱりどうも、この人とは、色っぽい方にはいかない運命らしい。

 湯船には、自動給湯で少し熱めのお湯がたっぷりと溜まっていた。
 そこにまずぼくが入り、そのぼくの前に、三島さんが身を滑り込ませてくる。
 ……うーん……。
 やっぱり、親類かなにかの子供を、風呂にいれているような錯覚に陥るなぁ。

「ほれみろ。やっぱり最初にいった通りになったじゃないか。こうして、一緒にフロに入って洗いあうのが一番合理的であろう?」
 三島さんはぼくの膝の上で得意げにそういって、下に手を伸ばしてぼくのものを握りにかかる。ぼくは、
「はいはい。良い子はちゃんと肩までつかって、ゆっくり百まで数えるんですよー」
 といって、両肩に手をおいて三島さんの体を沈める。
 と、三島さんは頭を後ろにふって、ぼくの顎にぶつけてきた。

 ……意外に、痛いじゃないか。

[つづき]
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