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隣りの酔いどれおねぇさん (10)

隣りの酔いどれおねぇさん (10)

 加々見さんは、ごく自然な動作で仰向けになり、全身をぼくの目に晒した。
 湯上がりであることと、ぼくのマッサージとで、多少は血色が良くなっているとはいっても、肌色は紙のようで、ともすると病的に思えるほどに、白い。
 そこだけはふくよかな、半球形の乳房以外の部分は不自然に肉が薄く、骨の形がそのまま浮いて見える所が多すぎる。やはり大病を経て、体調が完全には平復していない、ということなのだろう。
「こら。そんなにジロジロみないの」
「いや。見惚れてました」
 軽口を叩いて誤魔化したものの、加々見さんの裸体から、ぼくは、はかなさと痛々しさを感じていた。加々見さんが、どちらかというと小柄な方だったので、なおさら、そう思ったのかも知れない。
 掌にオイルを足し、手足の末端部分から、揉んでいくことにする。
 二の腕や上腕、ふくらはぎや腿、あたりはよかったが、お腹などの胴体部分に手をかけると、加々見さんが大仰にくすぐったがるので、その辺りはオイルを塗り込んで適当に誤魔化す。

 汗だくになりながら、一通りの作業を終えると、加々見さんは、ちょいちょい、と、指でぼくを招いた。寝そべったままの加々見さんの上に、ぼくが、半ば覆い被さるような姿勢になると、加々見さんはぼくの首に腕を回し、
「はい。ご苦労様。これからは、ご褒美タイムだから、服、脱いじゃいなさい」
 オイルまみれになるわよ、と、いいながら、ぼくの服に手をかける。
 ぼくの服を脱がしながら、加々見さんは、
「一生懸命肩を揉んでくれたとき、すっごく嬉しかった。誰かになにかやって貰ったこと、って、もう何年もなかったから」
 と、ぽつりと、いった。
 ぼくが服を脱ぐと、下の硬直に手をやり、「わ。ちゃんと女扱いしてくれてる」とか、少し不自然に思えるほど、加々見さんははしゃいだ様子を見せ、それからぼくの体を引き寄せて、抱きしめて、二人してベッドの上で絡み合って、長々と口を重ねた。
 しばらく、上になったり下になったりしながらお互いの体をまさぐっていたが、
「ね。これ、もういきなり入れちゃっていい?」
 と、ぼくのものを握って加々見さんがいったので、二人とも、準備は充分にできている状態だったし、その場で挿入することにする。
 加々見さんの中は、はじめは締め付けがきつかったけど、侵入して少し動くと、すぐに潤滑油を充分にしたたらせるようになって、ちょうどいいくらいの締め付けになって、前後に動くぼくのものに、執拗に食らいついてきた。
 加々見さんは、ぼくの動きに合わせて、「っふ。んっふ」っと、荒い息をつきながら、ぼくの体にしがみついていたけど、少ししてから、
「これ。この感覚」
 と、いった。
「忘れそうになってた」
 そういって、加々見さん自身も、自分で激しく腰を動かしはじめる。
 ぼくは、跳ね回る加々見さんの体を組み敷き、無理に固定して、さらに動きを激しくすると、加々見さんは、「あ。あ。あ」と、細い声を上げながら、口をOの字の形に開いて、喉をのけぞらせ、ぼくの体に回した腕に力を込め、両脚も、ぼくの腰にからみつかせ、ぼくにしがみつきながら長々と硬直し、その後、ぐったりと全身の力を抜いた。
 少し休んだ後、弾んだ息の合間から、
「そのまま中でいってもよかったのに。わたし、もう、子供できない体だから」
 といったけど、ぼくは、
「まだまだウォーミングアップです。本番はこれからですよ」
 と答えて、接合したままの部分を、ゆっくりと動かしはじめる。

 実際、加々見さんがこんなにあっけなく達するとは思わなかったので、置き去りにされたような気分だった。

[つづき]
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