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彼女はくノ一! 第一話 (2)

第一話 ある日、くノ一が落ちてきて……。(2)

 この寒い朝、灯油ストーブをがんがんに効かせた狩野家の庭隅にあるプレハブの中で、羽生譲は一糸も纏わぬ全裸になっていた。身長は百七十ほど。引き締まったボディライン。胸はBカップだから、さほど大きいわけではないが、その分、ツンと上を向いていて、形がいい(と、本人は、思っている)。そして、入念に手入れをされ、生え際が処理された陰毛……。
『結構イケていると思うんだけどなぁ……』
 と、狩野家の居候、羽生譲はポーズを保持しつつ、心中で嘆息する。
『……この子、そういうのに、一番興味を持つ年頃なのに、全然、動揺しないでやんの……。つまらん』

 目の前には、椅子に腰掛け、熱心にスケッチブックに鉛筆を走らせている狩野香也がいる。普段は、のほほんと弛緩しきった表情しか見せないが、絵を描く時だけ、彼は、別人のように鋭利な表情を示す。
 朝っぱらから羽生譲が裸なのは、別に色っぽい理由からではなく、人物画のスケッチのため、であった。狩野順也の押しかけ弟子、羽生譲は、一応、狩野香也の絵のアドバイザーみたいなことを以前から買って出ていて、人体スケッチのモデルも、以前から交代でやっている。
 つまり、お互いの裸なんか、見慣れているわけなのだが……。
『……ここまで無関心だと、意地でも反応させたくなるよな……』
 という理由で、絵から離れた所で、冗談半分に香也に「自分の女の部分」を見せつけてはあたふたする様子を楽しんでいたりするのだが、その辺の事情については後述する。

「おはよーござーまーす! おじゃましまーす!」
 ほら、もう一人の「お年頃」が、今朝も迎えに来たようだから。
 律儀に、毎朝のように迎えに来るようになった樋口明日樹は、いつものように、玄関先で声をかけてから、庭を廻り、このプレハブに来るはずだ。そのとき、真面目な優等生タイプである彼女は「全裸になった羽生譲に向き合っている狩野香也」に遭遇するわけで、その時、どのような反応を示すのか……。
 想像するだに、面白い。
「香也くーん! こっちにいますよねー! 開けますよう!」

 樋口明日樹の声がして、プレハブの立て付けの悪い引き戸が開き放たれる。
 冷たい朝の空気が中に侵入し、樋口明日樹は、戸を開いたままの恰好で、しばらく、見事にフリーズしていた。
「……あ……あ……あ……」
 明日樹は、大きく目を見開いて、しばらく口をパクパクさせていたが、
「あ、朝からなにやっているんですか! 香也くん!」
 数十秒後、ようやくフリーズから脱し、ご近所迷惑な音量で、絶叫した。

『こっちのお年頃は、分かりやすいし、気持ちいいくらいに反応するから面白いんだけどなー』
 とか、羽生譲は、思った。

[つづき]
目次

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Comments

お邪魔しております。

こんばんは。
浦寧子様の更新速度には脱帽です。
今度は【彼女はくノ一!】を読み始めました。
【隣りの酔いどれおねぇさん】とはまったく違った
ユーモアのある設定にこれからの進展が楽しみです。

私のあほなブログですが
浦寧子様のサイトをご紹介&リンクさせていただきました。
ご不都合ありましたらお知らせください。
では、続きを楽しみにしております。

  • 2006/03/22(Wed) 01:43 
  • URL 
  • nokton #-
  • [edit]

毎度どうもありがとうございます。

リンクどもありがとうございます。
こちらからも貴ブログにリンクさせていただいております。
こんごともよろしく。

  • 2006/03/22(Wed) 06:54 
  • URL 
  • 浦寧子 #-
  • [edit]

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