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彼女はくノ一! 第一話 (11)

第一話 ある日、くノ一が落ちてきて……。(11)

 全裸のまま天井に張り付いている松島楓をみて、狩野香也は言葉を失った。
『……そういや、この子、ニンジャだったっけ……』
 そして、次の瞬間には、画家の眼で観察をし始める。とはいっても香也は、デッサンをする時に見た羽生譲のものしか、女性の裸を見たことがない。
 比較の対象は、当然、羽生譲の裸体になる。
『譲さんよりは、全体に丸っこい体しているな。譲さんの体はシャープな印象があるけど、この子のは、豊満な印象。でも、太っている、というほどでもない』
『うん。おっぱいも、譲さんのが、上部が少し窪んだ半球状で上向き、だとすると、この子のは、上のほうも下の方も膨れている球状で、しかも、全体が前のほうにピンと張っている……』
『……体全体の色が、微かに血色を帯びていて、淡いピンク色になっている……』
『股間の茂みは……』
 香也がそこまで考えた時、
「そんなにジロジロ見ないでください!」
 と、楓が小さく叫んで、なにか細長い銀色の物をはき出した。
 しゅ、と鋭い音を立ててこちらに向かってきたそれは、深々と香也の喉元に、刺さる。
『……あれ?』
「心配しないでください」
 った、と、一瞬で浴槽の脇に位置を変えた楓が、香也の耳元に口を寄せて、囁く。
「声を封じただけです。それ以外の害も、後遺症もありません。騒がれるとこまりますので」
 そういって、横から、香也の首を抱きしめる。
 ぎゅう、っと、楓の乳房が、香也の側頭部に押しつけられる感覚。
「さっき、『仕えないでいい。単なる同居人でいい』って、いっていただいた時、本当に嬉しかったです。そういうことをいってくださる方になら、喜んで、誠心誠意お仕えしたいと思いました……」
 抱きすくめられながら香也は、楓に何事かいおうとしたが、ぱくぱくと金魚のように口を動かすだけで、声が一向にでない。喉元に深々と刺さった針が、「声を封じている」というのは本当のようだ。深々と刺さっているわりには、痛みは、まるで感じない。
 しかたなく、自由になる手で、ポンポンと、自分の首を抱いている楓の腕を、軽く叩く。抗議しているのではなく、好意を伝えたかった。
「……わたし、孤児ですし、なにも持っていません。だから、……」
 楓は、香也の首に絡めていた腕を、胸のあたりに移し、軽く力を込めて体を引き上げ、香也を立たせた。
 そして香也と間近に向き合うようにして、顔を見合わせる。
「……わたしがだた一つだけ持っているものを、こうや様にあげたいと思います」
 真剣な眼をして、香也の眼を見据えて、いった。
 百七十センチの香也よりも、目線が低い。ということは、身長は百五十台くらいだろうか、と、香也は見当をつける。

 香也がジェスチャーで喉に刺さった針を抜くように伝えると、「大声をだしませんか?」と確認して、香也がわりと真面目な顔をしてコクコクと頭を振ると、針を抜いてくれた。
「あ。あ。あー……」
 声が出ることを確認してから、香也は楓の両肩の上に掌を置き、
「そんなにかしこまらなくていいよ。ぼくも同じ。なにもない。なにも持たない。 だってぼく、君と同じ、孤児だから。
 ぼく、この家の養子」
 楓は、しばらく虚を突かれたような表情をして、まじまじと香也の顔を見つめていたが、その両目がじわじわと潤ってきて、……
『……泣かれるかな、これは……』
 と、香也が思った頃、がばり、と、抱きすくめられた。
 正面からこうして体を密着させられると、楓の体はとても柔らかくて、でも、適度な弾力があって、それにすっごくいい匂いがして……。
『……あああ。やべ……』
「……こうや様の……」
 すん、と鼻を鳴らして、楓が、香也の体に起こった変化を指摘した。
「……すっごく、元気になってます」
 そして、抱きついたまま香也の顔を見上げ、眼を閉じて、顔を近づけてきた。

[つづき]
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