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彼女はくノ一! 第一話 (12)

第一話 ある日、くノ一が落ちてきて……。(12)

『……あー。これは、キスをしろということなんだろうなぁ……』
 と、眼を閉じて、自分のほうに顔を近づけてくる楓をみながら、香也は他人事のように思った。体の方はしっかりと反応していたが、意識の方がどうも状況の変化に追いついていない。それでなくても、今日はいろいろなことが起こりすぎたわけだし、楓にも今日あったばかりで、積極的に深い関係を持とうとするほどの思い入れも、当然、ない。
『……でも、この状態で拒んだら、彼女、傷つくだろうなぁ……』
 自他共に『鈍い』ということを認めている香也にも、さすがに、その程度のことは、わかる。極力、「誰も傷つけない」という選択をすることが、香也の基本的な方針であり、同時にそれは、狩野の家に拾われるまで孤児として育った香也の生存戦略でもあった。
「……やっぱり、わたしなんかじゃダメですかぁ……」
 わずかな時間、香也が躊躇していただけで、香也の顔の下から湿った声がした。見ると、楓が今にも泣きそうな顔をして香也を見上げている。
「……わたし、そんなにきれいでもないし、可愛くもないし……わかって、わかっているんですけど、他になにもこうや様にできそうなこと、思いつかないし……」

 本当に慌てると、『あわわわ』といいたくなるものだと、香也は初めて知った。
 どうしてそのような勘違いをしているのか、よく理解できないが、どうやら、楓は自分の容姿が男性に与える影響を過小評価しているらしい。実のところ、楓の呪縛にもにた吸引力から、いかに自分を引き離すか、と、香也は自制心を験されている気分になっていた。
 単純に、楓はタダ立っているだけでも充分に魅力的な外観をしていて、今は、それにプラスして、全裸で香也に抱きついている。どこか幼さ風貌を残し、それでいてセックスアピールも充分に持った美少女が裸になって自分に抱きついて、「自分に魅力がないから香也が抱いてくれない」と嘆いている図、なのだ。
 見下げれば、頬をバラ色に染めて潤んだ目で香也を見上げていて、肌が密着した箇所からは、蠱惑的な感触と体温が伝わってくる……。
 例えば、羽生譲あたりがこのシュチュエーションをみたら、思わず、『それどこのエロゲですか』程度のことはいったであろう、「おいしいすぎる」状況だった。
 その「おいしすぎる」状況にあって、香也が自制心を総動員して楓に手を出さないように努めていたのは、今までの人生で弱い立場にあることが多かった香也の、半ば習性と化した保身術のためであって……。

 決して、楓が異性として魅力的でないわけでも、香也が欲望を覚えていないわけでも、なかった。

『……駄目。限界』
 が、うるうるとした瞳で楓に見上げられているうちに、香也の自制心が決壊した。
 がばり、と、楓の肩を抱き返し、同時に、不器用に口唇を押しつける。
 一度、自身の欲望を認めると後は歯止めがきかず、香也は乱暴に楓の口唇を割って貪りながら、いきり立った下半身の欲望を柔らかくて熱い楓の肌に押しつけ、こすりつける。
「……はぁあ……あまり乱暴に……はじめてなので……」
 長々とした口唇の後、ふと口唇が離れた瞬間をみすまして、楓は香也の顔を少し離した。顔を背け気味にして、目を伏せる。
「……それに、わたしにも、やらせてください……」
 紅潮しながらも、湿った声でそういう楓の表情に、香也は女性を感じた。
 楓の小さな掌が下半身に伸びて、包み込む感触。
「……すごい……香也さんの、すっごい元気です……」
 ひとしきり、竿の形状を確認するように指を這わせた後、楓の指はさらに下に潜り込み、睾丸を包み込むような動きをする。それからその先の、肛門と睾丸の間の狭い部分を、指先で突くように、撫でる。
「……一応、男性の方を喜ばせる技術は習っていますが、本物の男性とするのは初めてですから、あまりうまくないかも知れないです……」

 恥ずかしそうに顔を伏せながら、それでも香也を喜ばせようとする楓の表情に、香也は背筋がゾクゾクするほど、「女性」を意識した。

[つづき]
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