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彼女はくノ一! 第一話 (17)

第一話 ある日、くノ一が落ちてきて……。(17)

「一気に貫く」といっても、それは当事者の主観として、であり、実際には、楓の堅い肉に阻まれ、じりじりと侵入していった、ということになる。何者も受け入れたことがない楓のそこは頑なに侵入を拒もうとし、香也を受け入れようとした楓自身も、無意識に身をよじり、内部に入り込もうとする香也自身から身を逃そうとする。
 香也は、楓の体を上から抱きしめて固定し、
「痛い? 止める」
 と尋ねた。
「……続けてください……」
 目尻に涙を浮かべながら、それでも楓はそう答え、香也の体にしがみつき、腕に力を込めて、異物の侵入に、再度備えた。
「ん」
 その言葉を受けて、香也は、楓の肩を自分の腕で上から押さえ込むように抱きしめ、じりじりと腰を突き上げていく。
 いよいよ香也自身が楓の肉を割って入っていく。
 メキメキと音をたてているような異物感を股間に感じながら、楓は、知らず知らずに涙を流し、香也の体に巻き付けた腕に力を込める。その未知の異物感は、もちろん苦痛であったが、同時に、楓にとっては、縁が薄いはずの香也と自分を繋ぐためのイニシエーションでもあり、字義通り「身を割られるような痛み」を感じつつ、その「痛み」は破瓜の「痛み」であると同時に、これから始まるはずの香也と、香也の家族との新しい生活、新しい関係、の開始を告げ、また、今までとは違う、新しい自分へ生まれ変わるための「産み」の「痛み」でもあった。
 楓自身が、香也に、あるいは香也の家族に、楓として受け入れられる、ということは、それまで「その他大勢の一人」でしかなかった、場合によっては番号のみで管理される存在でしかなかった楓にとって、鮮烈な体験であり、今日一日の狩野家での経験は、楓に、「個人として楓自身」という、従来にはない、新しいパーソナリティを鮮烈に自覚をさせた。
 それまで、「使命を達成するための歯車」ないしは「捨て石」としか自身を認識できなかった楓は、狩野家で歓迎されることで、楓自身も「普通の人々」の一員になれる可能性があることを自覚させ、今、楓は、「組織の部品」ではない、「個人としての楓」になりたいと強く願い、その「個人としての楓」になるための産みの苦しみとして、香也を迎え、破瓜の衝撃に、耐えようとしていた。
「ふ。はぁ。はぁ」
 と、思わず声が漏れる。
 その時の痛みにはかなり個人差がある、という話しだったが、楓の場合は、かなり甚大な苦痛を感じた。
『……あんな、大きいのが……中に……』
 目を閉じ、香也にしがみつき、歯を食いしばって息を吐きながら、楓は、さきほど目の当たりにした香也の男性器を思い浮かべた。楓は、別の、生身の男性器を知っているわけではないが、膨張時の香也のそこは、教材として使用されたプラスチック製の模型よりも一回り大きい位で、その模型は「実物の平均よりも一回り大きい」と説明されたから、香也のモノは、平均よりもかなり大きいのではないか。
 楓は、痛みでぼーっとしている頭の中で、ぼんやりとそんなことを考えていた。

「入ったよ。全部」
 そういう香也の声が聞こえ、背中を優しく叩かれて、楓は我に返った。挿入前の高揚は消え、自分の顔から血の気が引いているのを、自覚する。その、蒼白になっているはずの顔を上に向け、
「……お願いです。キスしてください」
 と、いっていた。

 そこ言葉を他人の発言のような思いで聞きながら、楓は、本当は多分、
『……お願いです。受け入れてください。このわたしを……』
 といいたかったのだ、と、思った。

[つづき]
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