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髪長姫は最後に笑う。 第一章(17)

第一章 「行為と好意」(17)

 生まれたままの姿になった荒野と未樹は、もつれ合うようにして、ベッドの上に倒れ込んだ。未樹の体は熱く、あくまで柔らかく、本能に任せただけの、荒野の乱暴な愛撫を受け入れる。未樹が「荒野を受け入れる」と宣言をしたことで、荒野に火が着いたようだ。荒野は、普段は理性で封じている自分の牡の部分を解放し、欲望をたたきつけるように、未樹の体をまさぐり、もみしだき、舌をはわせ、噛む。
 荒野は。自分でも、自分がなにをしているのか、よく自覚していなかった。
「好きにしていい、っていったけど……」
 荒野の愛撫を受け入れている未樹は、最初痛がっていたが、すぐに甘い喘ぎを漏らしてはじめた。
「……ん……できれば、もうちょっと優しくしてほしい……」
「ごめん、未樹さん」
 荒野の息も、荒い。
「おれ、とまんない」

 裸になって抱き合ってみると、一見して細い荒野の体はしなやかな、弾力のある筋肉の塊で、今まで未樹が知ってきた男たちの、無駄に脂肪がついた体とはまるで違っていた。未樹は弟の大樹から聞いた荒野についての噂には、あまり信憑性を感じていなかったが、長い年月に渡り、かなり鍛え込んだ体だということは、納得できる。
 そのしなやかな体が、未樹の上に乗りかかって、鼻息を荒くして、未樹の体を蹂躙しようとしている……。
 普段の荒野からはあまり感じられない荒々しさに、未樹は期待と不安を感じ、打ちふるえた。
 荒野が指や口や舌で触れる箇所が、まるで火がついたかのように熱を持っていくのを感じる。
 気づくと、「あ」とか「ん」とか、自分が鼻にかかった声を出しているのを、聞いてしまう。
 ……声を出している自覚はないのに……。
 そう思いながらも、未樹は、荒野の体に腕をまわして、自分の体を押しつけるように抱きしめてしまう。そうして密着すると、股間にいきりたった荒野自身を感じる。
『……わたし、はしたない……。』
 そう思いながらも、未樹は、荒野の膨らみに自分の女性器をすりつけるようにして、腰を動かしてしまう。「ん、ん、ん」という、自分の声が聞こえる。
『……いやらしい声。わたし、欲しがっている……。』
 どんどん乱れていく自分をごまかすように、未樹は荒野の首筋に食らいつく。歯こそたてなかたが、強めに口唇を押しつけて、口と舌を這わせて、荒野の肌に唾液をすりつける。荒野の体に回した腕に力を込め、荒野の胸板に、自分の乳房を押しつけ、上下に擦りつける。さらに、密着している腰の動きを早める。ちゃ、ちゃ、ちゃ、と濡れた音がする。上から擦りつけているだけなのに、未樹のものはすっかり濡れている。未樹の分泌した液に濡れた荒野の硬いものが、未樹の茂みをかき分けながら、動く。そうして腰を密着して動かすと、時折、荒野の熱い先端が自分の敏感に触れて、悲鳴のような声を上げて体を震わせてしまう。
「……いやぁ。……はぁ。……ふぁ」
 知らずに、声をあげている。
 あああ。わたし、どんどんいやらしくなっている……。未樹の中の、まだしも冷静な部分が、そう思う。
 上に乗っていた荒野が、なにか堪えきれなくなったのか、密着していた未樹の体から上体を引き剥がし、未樹の乳房を両手で鷲掴みにして、ベッド押しつけ、揉みしだく。揉む力が強すぎて、痛い。それ以上に、体が離れたことにより、せっかく高まりつつあった一体感が無理に中断されたような気がして、未樹は、かなり不満を覚えた。
 しかし、荒野が激しく腰を大きくグラインドさせはじめると、そうした不満はこみ上げてくる快楽に押しやられて、霧散してしまう。逞しい荒野のものが、未樹の裂け目の襞を左右に押し分け、激しく動くと、未樹は堪えようもなく声を漏らしてしまう。
 そんな自分の反応がいやで、はずかしくて、首を左右にふる。
「いやぁ。いやぁ。いやぁ」
 と、自分が上げているいやらしい声を、他人のもののように聞く。
 ふと気づくと、荒野が、じっと自分の顔を見ていることに気づく。
 いたたまれなさに近い羞恥を感じて、激しく動いて自分をこんなに感じさせながらも、余裕があるように見える荒野のことが憎くなる。頬を叩きたい、噛みついてやりたい、という衝動に駆られる。
 そうするかわりに、未樹は、荒野の背中に爪をたてた。
 下になっている未樹の体重をかけ、爪先に体重をかけるようにして、ぎ、ぎ、ぎ、と動かしてやる。荒野の背中には、数条のミミズ腫れができているはずだ。
「……うっ」
 と顔を顰めて、荒野は、一瞬、動きを止める。
「荒野君、うますぎ」
 その機を逃さず、未樹は、吐き捨てるように、いう。
「……本当に初めて? 本当はぶいぶいいわせているんじゃないの?」
「本当、これが初めて」
 荒野は苦笑いをしていた。
「……未樹さん、背中痛いよ……」
「我慢しなさい、それくらい。こんないい女とやれるんだから」
 未樹がそういうと、荒野が、ぷっ、と吹き出す。
『……むっ……』
「なんでそこで笑うかな……。
 ……ここでやめちゃって、いい?」
「あ、ごめん! 嘘、これ、嘘! 本当は未樹さん、さいこー! お願いだからもっとやらせて!」
 二人で顔を見合わせて、次の瞬間、二人でけたけた笑い出す。
「もー。笑わせないでよ。せっかく盛り上がってきたのにぃ」
 未樹の本音をいえば、このまま継続すると、挿入前に荒野より自分のほうが先に達してしまうそうだった。だから、ここいらでちょっと息継ぎができたことは、かえって都合がよい。
 が、もちろん、そんな未樹の本音は、荒野には悟らせない。
 やはり、年上の大人の女としては、初めての男の子をリードして上げねばならない、と、未樹は思っている。
「本当、ごめん、未樹さん。なんか、リラックスしちゃって」
「んー……いや、いいんだけどね。やるんなら、もうちょっと真剣にやってほしいかなーって……。ん。そうだ。荒野君、初めてならお口でされたことないでしょ? おねーさんがやってあげようかー」
『……そう。いろいろ教えて上げるから……』
 そう思いながら、未樹は、一旦ベッドから離れて、バッグの中に常備している避妊具を取りに向かった。

[つづき]
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